先人の宿縁編 第五話―咎人の間―
翌朝、ライリー達がアルフレッドに案内されたのは、ヴァレンティン家の霊廟だった。
《不帰之森》の外れ、即ち薔薇のマザーの狭間の外側。森林に隣接するかたちで建つ小さな霊廟は、歴代の当主達が永眠する場所。元来は初代当主フレデリック・ヴァレンティンが亡き母を祀る為に建立したものだそうだ。
狭間を出た途端に襲撃される、等といった事もなく、ライリー達は現在、至って平和にその霊廟の入口に立っている。
「転移門は此処に設置してある」
何故此処に?と問うたセオドアに、アルフレッドは簡潔に答えた。先日の御三家会合によって取り決められた事柄の中で、速やかな移動と情報伝達の為に、と、御三家、そして《カザブリンド》の神殿の全四ヶ所に転移門が設置されたのだと、更にアルフレッドが続ける。
「転移門は足を踏み入れれば自動で発動してしまうという側面がある……故に設置場所を選んだ」
それはそうだが何故その設置場所が霊廟なのか。頭上に疑問符が浮かんでいるのはきっと自分だけではない筈だと、ライリーはこっそり視線を動かした。
『……相変わらず言葉が足りませんわ……』
アルフレッドが転移門の設置場所を霊廟内に定めた理由の回答は、赤薔薇に咲き誇る精霊に引き継がれた。
『此処は狭間とは似て非なる異能……“境域”を有する森の精霊の監視下にありますわ』
境域。それは狭間同様に、領域を展開する異能だが、その特性は狭間と異なる。
世界を歪ませ自身の領域――世界からも異界からも閉ざされた特殊な空間を創造、展開するのが“狭間”なら、“境域”は世界の一部を世界から隔絶し、自身の領域とする異能なのだという。
『要するに、結界ですわ』
何も無い空間に自身の領域を創り出すのが狭間、それに対して境域は、世界の一部を自身の領域とするところに相違があるらしい。
狭間と異なり世界に展開するが故に、世界に生きる人間や獣、昆虫等の生物や、実体のない精霊に対しては何らの効力を及ぼさない境域は、異界で生まれる幻獣や、生物とは肉体の構造が異なる魔族や魔物に対してのみ、禁足地帯としての効果を発揮する。
母の安らかな眠りを双魔が妨げる事のないように……というフレデリックの願いを汲んだ精霊が展開する境域は、魔物や魔族の侵入を絶対的に遮断する。
転移門は片方に足を踏み入れれば、自動的に発動してしまうという側面を持つ。故に、魔族や魔物の侵入が不可能なこの霊廟をアルフレッドは転移門の設置場所にしたのだと、漸くライリーは理解出来た。
「門は色別に区分けされている」
普段は施錠されている両開きの扉を、アルフレッドが開けた先。外観から想像していたよりも広く、天井の高い内部の正面に見えるのは、フレデリック・ヴァレンティンが母を祀った小さな祭壇。その祭壇の両隣に備え付けられた棚に、片手程の大きさの小箱が整然と並んでいる。マザー曰く、あの小箱には、歴代当主達の遺骨の一部が納められているのだそうだ。
「門は此処だ」
案内した全員の眼差しが、正面の祭壇に吸い寄せられていると察したアルフレッドの示した先。入口から見て左手に、彼女にとっては見覚えのある転移門はあった。
――……鳥居だ……――
紛う方なき、鳥居だ。神社にある、赤かったり、木製だったり、石造りだったりするあの鳥居だ。
なんで?と思いつつ、彼女は深く考える事を放棄した。多分、今は些末な事だ。
人一人がギリギリ通れるくらいの小さな門は、アルフレッドの言葉通りに三基、三色に分かれ其々が淡く発行している。橙がシンクレア家に、紅がブラッドレイ家に、白は《カザブリンド》の神殿に通じているそうだ。
「――この度は、大変お世話になりました」
アルフレッドとマザーに、セオドアが深々と頭を下げる。頭を下げる程の事はしていないと言うアルフレッドに対して、もう無茶はしないようにと諭すマザーはどこか対極的だった。
『何かあったら……いえ、何もなくても、またいつでもいらっしゃいな』
森は貴方達を受け入れますわ、と。
今が盛りと咲き誇るかのような艶やかさで微笑む赤薔薇の精霊と、その契約主たるヴァレンティン家当主に見送られ、ライリー達は橙色の転移門へと歩み寄る。
「……えーと……?」
転移門等これまで目にする機会がなく、当然使用した事もないライリーの心境が、小さな呟きとして落とされる。
「そう身構えることもない。ただ潜れはいいだけだ」
呟きの中の〝どうすれば?〟を正確に読み取ったユンが、言葉と共に一歩を踏み出してみせた。手本だとでもいうかのように足を踏み入れたユンの身体は、一瞬でその場から消える。本当に通常の門と同様の認識でいいようだ。
ユンに続いてアリシアが、その後はセオドアが門を潜って消えて、残りはライリーと彼女の二人だけ。
「「……」」
どうやらお互い、考えている事は同じらしい。目配せによって心が通じ合った神殿姉弟は、全く同じ動作で、同時に門へと踏み出して……、
「……すごい……」
瞬きをしていないにも拘わらず、ライリーは全く見覚えの無い部屋にいた。
室内であるとすぐに理解出来たのは、人の身長等優に超える高さの本棚が整然と並んでいたからで、勿論本棚には数え切れぬ程の書物が行儀良く収まっている。
もしかしたらセオドアと出逢う前まで毎日通っていた図書館よりも蔵書数が多いかもしれない、等と考えながら見覚えの無い室内を泳いでいたライリーの視線が、見覚えの有る人物の相貌と搗ち合った。
「久しいね、ライリー君」
「オスカーさん!」
遠山の青を思わせる双眸は、春の日のような暖かさに彩られている。ライリーの眼差しに、再会の喜びが宿った。
オスカーが居るという事は、此処はシンクレア家なのだろう。初めて体験した転移は正しく一瞬で、感慨が心に火を入れる間隙もないようだ。
息子の帰還、そして、客人達の再訪問は、オスカーの契約精霊ソフィアが知らせてくれたのだそうだ。
初めてライリー達がシンクレア家を訪れた時、オスカーはソフィアの有する異能、千里眼について、距離が離れていても特定の人物の行動を見る事が出来る、と言っていた。その特定の人物とは、ソフィアが補足対象とした者に限られるのだという。
「ソフィアの異能の真髄は、正しくは〝見通す力〟にあるんだ」
ソフィア、そして契約主であるオスカーに関連性のある事象が、恰も未来視であるかのように視える事。この見通す力の事を〝ソフィアの読み〟と呼んでいるのだとオスカーが告げる。
最初の訪問で、シンクレア家に到着して早々に任務へと向かったセオドアとアリシアの帰還が分かったのも、ソフィアが二人の帰還を視たから、らしい。
先に転移門を潜ったユン、アリシア、セオドアは既にオスカーの傍に立っていた。全員が揃った事を確認したセオドアが、改めてオスカーに向き直る。
「オスカー様、シンクレア家の転移門を何故この場所に?」
「咎人の間の特殊さは君が一番良く知っている筈だよ。それに……」
魔物や魔族は、此処へは入って来られないからね、と。
艶然と微笑むオスカーの表情に想起されるのは、先程足を踏みいれたばかりのヴァレンティン家の霊廟。この一見書庫のような室内にも、あの霊廟のように双魔の侵入を阻害する為の対策が施されているのだろうか。
その疑問がライリーの裡でしっかりと形となる前に、セオドアに異変が起こった。
「……ぅっ!?」
微かな呻きを余韻に残し、セオドアが膝から頽れる。
「セオドアくん!?」
反射的に駆け寄ろうとするライリーを制したサイラスの双眸が、夕暮れを宿して煌めいた。
『現れましたね……シンクレア家の異端児……ハロルド・シンクレア……!』
「『……よォ、久しぶりだなァ……じいさん』」
似合わぬ凶悪さを纏い、セオドアが不敵に嘲嗤した。
精霊契約とは通常、精霊の側が精霊使い、もしくは祝福者に持ち掛ける。但し、精霊使いの家系に生まれた者は、未契約の精霊に自ら契約を打診する場合も多い。だが、それはあくまで打診であって、決して強要であってはならない。禁忌の行為である強要は精霊契約の失敗を招き、〝赦されざる者〟としての汚名と共に人外の存在と成り果てるからだ。
精霊自身から赦されなければならない契約は、決して人の側から強制してはならない。
精霊契約は祝福者の特権であり、契約を成して精霊使いとなれば、更に特別な存在となる。が、そこに傲慢の介入を許せば、末路は悲惨等という言葉では到底足りない。
〝この者ならば、己が契約主と呼び許容する〟、と。精霊がそう認めた者にのみ、打診からの契約は成功の日の目を見る。元より契約主とは単に名称であり、主従の内の主を締めるのは精霊の側であるからだ。
シンクレア家直系の子孫には、精霊契約に関して一つ、絶対の条件が課せられている。
精霊契約に臨む前に、必ず〝咎人の間〟に入る事。
咎人の間は基本的に、当主以外の入室が禁じられた空間である。唯一の例外が、この精霊契約に臨む時だ。
シンクレア家が所蔵する歴史書や文献を保管する書庫である咎人の間は、 同時に二体の精霊の棲処であり、牢獄でもあった。
二体の精霊の名は、ハルとサイラス。
咎人の間に入ったシンクレア家直系の精霊使いが、二体の内どちらかに認められれば、その場で精霊契約が完了する。そして、認められなかった場合は、他の精霊使いと同様に未契約の精霊と契約を結ばなければならない。
セオドアが祖父であり前当主であるゴドフリードからこの話を聞いたのは、精霊使いとしての戦闘方法を学んでいた時。
ゴドフリードはどちらの精霊にも認められず、未契約の精霊に契約を打診し、正式に精霊使いとなったのだそうだ。
一方、母であるベアトリスはハルに認められ、自身の契約精霊としたらしい。そして、咎人の間に入った幼いセオドアもまた、サイラスに認められ、精霊契約を果たした。ゴドフリードとベアトリス、そして己との何に差異があったのか、今で以ても、セオドアには判らない。
更にもう一つ、セオドアには不可解な事がある。あの日、初めて入った咎人の間で。幼いセオドアの目の前に姿を現したサイラスの両眼は澄んだ蒼穹ではなく何故か、自身と同様の配色をしていた。
呻きと共に膝を突き、片手で額を押さえ込んだセオドアの雰囲気が、劇的に変化した。
覚えのある感覚にライリーは瞳を見開く。これは、憑操術ではなく。
――……憑依……――
サイラスは駆け寄ろうとしたライリーを制し、眼前のセオドアを見据えていた。常ならば晴れた日の蒼穹めいた双眸は今、夕暮れに染まるかの如く茜色に煌めいている。
『……ハロルド・シンクレア……!』
頽れたのは錯覚かと誤解する程に危なげのない足取りで歩み寄るセオドアの相貌は、自信と傲慢による虚飾を許し、凶悪と不敵とが同居した結果、嘲笑を生み出していた。
セオドア・シンクレアという少年が絶対に浮かべないであろう類いの面差しに重なり合う、同様の表情をした誰か。
金茶に近い長髪を有する人型の精霊。一見青年と見紛う外見をした腰部から生える、白の仮面で貌を隠したもう一人の上半身。縛めの鎖が絡み付く表裏一体の精霊の、嘲りが滲む橙色の眼差しがサイラスを射抜いて煌めいた。
「『……よォ、久しぶりだなァ……じいさん』」
憑依とは精霊に因る肉体と意識の強奪行為。だが、自身の肉体を明け渡す意思無く精霊に憑依された人間側には身体の支配権が僅かに残留し、必要最低限の生命活動を維持する事が出来るという。互いの合意無き行為では、憑依した精霊の力が阻害される為だ。
その一方で憑操術は、精霊使いが自らの意思によって肉体を契約精霊に明け渡す。契約主の意思という合意の上で、契約精霊は身体の支配権を得、その精霊使いの身体を通して精霊自身の持つ力を世界に具現化し精霊術を行使する。
憑依も憑操術も、源流は同じ。肉体と意識の支配権を得ようとする精霊から自身の精神を守護する為、人間は本能的に強奪に抗う。
特に精霊使いは自身の憑依す精霊に意識を強奪されないようにとその術を学ぶが、憑操術を会得出来るのは一握りであるという。
強靭な精神力で以て自らの意識を保ち続け、尚且つ精霊術の行使を阻害せん為に、肉体の支配権は全て精霊側へと明け渡す。憑操術を行使出来る精霊使いが称賛と、時には畏怖の対象となるのは、この会得の希少性に因るものだ。
だからこそ、その術を学び、会得している精霊使いは、当然ながら憑依に対して耐性がある。しかし今、その憑操術の使い手であり、しかも勇者の継承者であるセオドアは、精霊による憑依を許してしまっている。この事実は、ライリーだけでなく全員にとっても衝撃的だった。
セオドアに憑依した精霊が嗤う。愉悦と嘲笑を含んで見据える相手は、風を司る蒼穹色の精霊。相対するサイラスは、ライリーが見た事のない程の激情を滲ませてセオドアに重なる精霊の名前らしきを口にした。だが、それは。
――……ハロルド・シンクレア……?――
雌雄の別無き精霊にとって、いくら名前が個を確立する為のものでしかないとはいえ。サイラスが放った名前は、あまりにも異質が過ぎた。それはどう聞いても人名のようで、精霊の名としては多大な違和感が付き纏う。しかも、シンクレアという恰も家名であるかのような響きを伴うとあっては。
『セオドアから離れなさい。例えお前でも容赦しませんよ』
「『ハハッ!』」
セオドアに憑依した精霊は、哄笑を残して身体から外れた。意識が乖離する寸前で解放された肉体の支配権を持て余し、セオドアがその場で跪く。唐突に自由を得た反動で、荒い呼吸が口から洩れた。
憑依されていた時間は、然程長くはなかった。それでも強制的に強奪され掛ける意識から精神を繋ぎ止めるのが精一杯で、自身の肉体へと憑依を許してしまった。
『アイサツ代わりだって、んな怒ンなよ』
――……ハル……――
自身の母であるベアトリスの元契約精霊――ハル。
眼前で嗤う精霊の容姿は、口調も素行も確かにハルに違いないのに、まるで別の誰かと相対しているかのようだ。
『ハロルド……!』
『……ったく……じいさんはうるせェなァ……』
空中に胡座を組んで、座り込むかのような体勢。煩わし気に手を振ってから頬杖を突き、舌打ちせんばかりの横柄な態度はどこか人間めいて、凡そ精霊らしからぬ仕種にサイラスが眉を顰める。
今、この場を支配する潮流は、二つの渦潮と化していた。
ハロルド・シンクレアという聞き覚えの無い名と、初めて目にするサイラスの激昂に困惑するライリー達と、聞き覚えの有る名に混乱するオスカーとセオドア。
「……何故……ハロルド・シンクレアとは……」
年長者としての経験値か、或いは当主としての冷静さ故か、口を開いたのはオスカーだった。しかし混乱の腕に抱き竦められ、発した言葉は弱々しく掠れている。
ハロルド・シンクレア。シンクレア家の異端児にして、歴代当主の中で唯一、勇者の称号を剥奪された者。
尊大な態度を貫くベアトリスの元契約精霊を、サイラスはハルではなく異端児の名で呼んでみせた。しかも、いつも誰に対しても丁寧な口調を崩さないサイラスが、お前等という二人称を使用して、だ。
『あ?……そーか、知らねェよな……』
此処で初めて、ハルの視線がサイラスからオスカーへと移る。浮かんだ疑問は一瞬で氷解したのか、いい機会だから教えてやるよ、と、あくまで傲慢さを隠す事なくハルは続ける。
『そもそも何故、ココが〝咎人の間〟って言われてンのか……当然知らねェよな?』
嘲笑を復活させ、質問の体を取りながら、放たれた言葉には不知を確信している響きがあった。
そして、その確信は正しい。セオドアも、オスカーも、ベアトリスやゴドフリードでさえ、咎人の間の由来を知っている者はいないのだから。
『ココはじいさんとオレ様の為の牢獄なんだよ』
シンクレア家の歴史書や文献を保管する書庫は、二体の精霊の棲処であり、牢獄。その二体の精霊の名は、ハルとサイラス。
そう言われているのは知っている。だが何故二体の精霊が此処に、そして、いつから居るのかは、確かに継承されていない。
それは地下聖堂に安置されていた女性の遺骸と同様だ。脈々と受け継がれてはいても、経緯や理由は歴史に埋もれ、忘却に沈む。
そもそも何故、直系の子孫は精霊契約に臨む前に必ず咎人の間に入る事が絶対条件として課せられているのか。それはいつからの慣例なのかですら、直系であり、次代へと受け継ぐ筈のセオドア自身が継承されていないのだ。
『正式な継承なんざ出来るハズねェよなァ……』
魔王を討滅したと偽って、封印を施し、世界から秘匿したように。これもシンクレア家の罪の証明なのだと語る精霊は、愉悦に口角を歪ませる。
『オレ様が異端児なんて呼ばれてンのは知ってるけどよォ……まさかシンクレア家が正義だとでも思ってンのか?諸悪の根源だぜ?なんせ、双魔の討伐を生業とするハズの精霊使いの一族が先祖とはいえ身内から魔王を生み出してンだ』
弧を描く口元から、再び哄笑が放たれた。橙色の眼差しがその場に集った全員を一瞥し、セオドアに焦点を合わせて煌めく。
目線を合わされたセオドアの困惑が加速する。おかしい……母の契約精霊であった時、何度も見たハルの両眼は橙色を、自身と同じ色をしていただろうか……?
サイラスもそうだが、眼前のハルも……その瞳の色彩は……まるで……。
『――後裔も思った事ねェか?〝何故祖先の犯した罪を子孫であるオレ様達が償う必要があるんだ?〟ってな。シンクレア一族の生まれってだけでオレ様が魔王にしたワケじゃねェ』
『そう言って反発し続け、家督を奪われる羽目になった結果、お前は断罪されたのでしょう……!』
『ハッ!断罪されたのはじいさんもだろ?ユージーン・シンクレア。魔王の正体を知り、その討滅に失敗した偽りの勇者サマ?』
「……ぇ、」
その声は、誰から落とされたものだったのか。
浮かび上がる数多の疑問。吐き出される言葉に因る困惑と混乱は停戦の気配を見せぬまま、新たな火種を連れてくる。
ハルの言葉で、それまで惑いもしなかったサイラスが初めて揺らいだ。
ハルとサイラスという名称をもつ二体の精霊の応酬は、恰も人間同士の会話のようで……否。
『オレ様達は互いに契約精霊と自らの魂魄を融合させた特殊体……ここまで言えばもう予想がつくだろ?オレ様は異端児ハロルド・シンクレア。んで、こっちのサイラスが初代勇者ユージーン・シンクレアサマだってな』
衝撃に舞い降り掛けた沈黙は、呵々とした嗤いに掻き消えた。




