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ふしぎなエプロン

 今日は、日曜日です。

 ゆうくんのおかあさんは、朝から熱がでて寝込んでいました。

 ゆうくんは、おかあさんと遊園地に行く約束をしていたので、がっかりしています。

 でも、しんどそうに寝ているおかあさんをみると、心配になりました。

 おかあさんは、ごはんも全然食べないのです。

(おかあさんに何か作ってあげたいけど、作り方知らないしなぁ)

 ゆうくんは、しょんぼりしながら庭のお花に水やりをしていました。

 水やりは、ゆうくんの日課なのです。

 すると、どこからか、めがねのおばあちゃんがやってきました。 

「お花に水やり、えらいわね~」

「うん」

 元気なく返事をするゆうくん。

「おや、元気ないわね。どうしたの?」

「おかあさんが病気で寝込んでるんだ」

「それは大変だね。このエプロンをあげるよ」

「えっ、エプロン?」

 びっくりしている間に、めがねのおばあちゃんは、どこかに行ってしまいました。

 ゆうくんは、台所に行くと、エプロンをしてみました。

(おかゆ 作ってあげたいなぁ)

 心の中でつぶやいたとき、

「作り方教えてあげるよ」

 エプロンから声が聞こえました。

「えっ?」

 驚いているゆうくんにはかまわず、エプロンは話し続けます。

「お鍋に、ごはんと水を入れて」

「このくらい?」

 ゆうくんがお鍋をみせると、

「そうそう!」

とエプロンが答えます。

「コンロの火をつけて、ぶくぶく泡がでるまで待って」

 ゆうくんは言われたとおりにします。

「それから、小さい火にして、塩をちょっと入れて」

「こう?」

「いいね〜。それから、ことこと炊いたら出来上がりだよ」

 とろっとやわらかいおかゆが出来上がりました。

 お茶わんに入れて、おかあさんのところに持って行きます。

「あら、おかゆ作ってくれたの?」

 おかあさんは、ゆっくり起き上がると、ひと口食べました。

「おいしい」

 おかあさんは、ぱくぱく食べました。

「なんだか元気がでてきたわ。ゆうくん、ありがとう」

 ゆうくんは、うれしくなりました。

 エプロンに、

「ありがとう」

と言ったけど、エプロンはもうしゃべらなくなっていました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 優しいお話にほっこりしました。 読ませていただき、ありがとうございます! こんなに次々とお話を生み出せてすごいですね!
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