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逆上する貴族

こんばんは!これよりこの作品は土日更新とします!確実に1話は更新しますので。私の執筆速度によって2話3話と増やして行きますので!

それではどうぞ!

「この私が戦うんです。ちょっとは楽しませて下さいよ?」


不敵に笑う執事。この男はどうも怪しい。殺気が無いというか、感じられない。


「失礼。いつも紗妬(さなと)が1人で片付けてしまうので私の出番がないのですよ。だから久しぶりなのです。貴方のような強者と戦うのは。」


違和感の正体がわかった。この男は静かすぎるのだ。俺と戦った魁や紗妬と違い、とても落ち着いているのだ。暇つぶしをするかの如く。


「あら。会話くらいしてくださいよ。これでも貴方を尊敬してるのですよ?あの紗妬を無傷で倒したのですから。」


「うるさいな。俺はさっさとあんたを倒して穹を返してもらって帰りたいんだ。」


「ほぉ…もう勝つ前提ですか…流石強者は違いますねぇ?」


こいつ…煽ってやがるな?俺がキレて先制攻撃を仕掛けるのを待ってるな。それなら開始を宣言せずとも、俺自身が開始した事になり、仮に即死させたとしても文句は言えない。

そう、あいつから殺気()感じないが、準備は出来ている。腕を組んでるようにして誤魔化しているが、内ポケットに手を突っ込んでいる。そこに膨らみがあるのだ。恐らく拳銃の類だろう。下手に動いたら死ぬ。かと言って開始の合図があっても死ぬ。結局先制決めないと終わりか。


「どうしました?さっさと終わらせたいのでしょう?かかってこないのですか?」


そう言って貴族に目配せをする。


「勝負開始!」


チャキッ ドッドォン!


やっぱ撃ってきたか。しかも2丁とは。


「うーわ危ねぇなぁおい」


俺は先制を諦めた。代わりに防御に集中した。弾丸は直線で飛んでくる。つまり壁をはれば問題なく守れる。


「で、ご自慢であろう弾丸は防がれたが…どうするよ?」


「ふっ…まさか直線弾しか撃てないとでも?」


そう言って俺の真横に移動する。


「っ!?しまった!」


俺は正面しか壁をはっていない。つまり横からの攻撃には弱いのだ。しかしそれは接近戦での話。60メートル近く離れていれば問題なく避けられる。


「おいどうした?そんなんじゃ当たらねぇぞ?」


ニタァと笑って男は言う。


「貴方こそ。そんな避け方では当たりますよ?」


バスッ


不意に腹部に激痛が走る。目を下へ向けると、()()()()()()()()()()()()。何故?そう思い後方を見ると、屋敷の壁があり、その1部分が黒く焦げていた。


「そうか、跳弾か。」


「ええ正解です。貴方は防御した後、次の攻撃に備える。()()()()()()()()()()()をです。だから跳ね返った弾は当たった。ちなみにこれは私の能力とは関係ありませんのでご用心を。」


「丁寧な説明と忠告をどうもありがとう。ならば俺からも1つ忠告だ。俺の半径5メートル以内に入らない方がいい。」


「そんな事始めからしませんよ。私もダメージは受けたくないものでね。」


どうやら聞かないらしい。ならば勝ち目はありそうだ。


「あっそ。どうぞご勝手に。」


「そんな事を言ってますが、貴方が私に近づかない限り勝てませんよ?」


「あんたの能力を見てから攻めようと思ってな。」


これは勿論嘘だ。だが奴の技次第では作戦を変えなければならない。


「ならばお見せしましょう。私の【鋼鉄銃撃(アイアンショット)】を。」


パチンッと指を鳴らすと手元に銃が現れていた。


「これは私の能力によって作られた銃でですね、鋼鉄を凝縮した弾が尽きることはないのですよ。そして何より、銃種を変えれるのです。つまり…」


「?…はっ!」


俺は咄嗟に影に身を包んだ。


ドガガガガガガガッッ!!


その弾幕が約2分鳴り響いた。ちなみに音も8割遮断出来る…にもかかわらず耳元で騒音が響いていたのだ。


「あの銃撃を喰らっても壊れないとは…私は紗妬以下という事ですか。まだまだ強くならないと行けませんね。」


「ふざけんな…あんだけ撃っといてまだ強くなるとか…」


「そろそろ出てきたらどうです?終われませんよ?」


「出たら撃ってくるだろうがよ!」


「そんな野暮な事はしませんよ。どうぞ出てきてください。」


そこは見た目通り紳士なんだな。じゃあ出るとするか。


「おい!何をふざけているのだ!無防備なのだぞ!撃ち殺せ!」


あの貴族には人の心とか無いのだろうか。ていうか雇い主に対してシカト決め込むとかどうなの?


「では、再開致しましょうか。」


「そうだな。対戦ありがとうございましたー」


「はい?ごべっ!」


ドゴォォォン!!


俺の発言に呆気に取られていた執事は影によるアッパーカットで吹き飛んだ。観客(魁含め)は口を開けてぽかんとしていた。


「な、何故あの一瞬でこの距離を…」


「答えは簡単だ。初めから俺の方からあんたの方に極細の影で作った蜘蛛の巣のような通り道を作り、最終的に一気に詰め込んだんだ。幸い、影は草で隠れて見えなかったからな。あんたも言ったろ?俺に対して相手自身からの攻撃しか見ていないって。そしてあの影も俺の1部でそれの5メートル以内に近づいた。忠告通りだ。」


「ははっ面白い方だ…この能力の使い方は…紗妬が負けるわけですね…ですが、私もただで負ける訳にはいかないのですよ…」


カチッ バシュゥッ


へぇ…なるほど、仰向けに倒れたまま銃を撃ったか。俺が影を隠したようにして。


「言い忘れてましたが…私の能力の弾丸は何かに当たるまでは自動操作可能なのですよ…まあ、これで倒れないのなら貴方の勝ちですがね…」


「あんたも強かったぜ…」


そうして執事との戦闘は終わった。これで穹を連れて帰れば終わりだな。


「ええい!私は認めん!認めんぞ!おい!お前らこい!」


そう言うと屋敷から数名の騎士が現れた。


「これで穹を返してくれるんだろうなぁ?貴族サマよぉ!」


「うるさい!貴様らはここで死ね!皆殺しだ!だから約束など無効だ!」


なんて無茶苦茶な理論だ。アホなのか?


「そんな!酷いじゃない!」


「貴様らは平民は貴族の私に従えばいいのだ!」


「誰が従うってんだアホ貴族。」


あ、声に出ちゃった。…どうしよう?


「流石稀掠サン!もっと言ってやれ!」


「私に対してアホとぬかすか!?ええい!貴様ら全員皆殺しだ!騎士団!奴らを殺せ!」


「「はっ!」」


まずい…10人の武装騎士相手にこの満身創痍の状態で戦えるかどうか…魁と楼の刀は入口だ。勝ち目なしか…もうそこまで来てる。


ドゴッ!


「うぎゃァ!」


騎士の1人が突然横に吹っ飛んだ。


「おいおいおいおい、貴族とあろう者が約束すら守れねぇなんてなぁ。そんな野郎の護衛なんてしたくねぇから辞めてやるよ!」


その原因は紗妬だった。

執事に勝ったら今度は騎士団戦!?そして紗妬の裏切り!稀掠はどうなる!?

次回お楽しみに!

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