パーティ結成
2話目です!出来るだけ毎日投稿できるようにします!
魁との戦闘が終わり、パーティを組むことになった俺たち3人は、御堂兄弟の隠れ家に行くことになった。
「よろしくお願いします稀掠さん。」
「よろしく楼さん。」
魁におぶられた楼と挨拶する。
何気に楼と初めて会話した気がするな…敵同士だったから普通かな?
「そういやぁ、稀掠サンっていくつなんだ?」
「あ、俺15だよ。」
「おお、じゃあ楼と同い年じゃねぇか。」
「じゃあタメ口でもいいかな?稀掠くん。」
タメ口の方が話しやすいよな、仲間なのに話しにくいとか嫌だし。
「構わんよ。」
「もう着くぜ〜」
そうやって雑談していると、隠れ家に着いたようだ。
「…これ?」
連れてこられたのは一言で言うなら、そう、箱だ。石の壁に木の板の屋根を貼っつけたような見た目。
「そうだよ。どうかした?」
「いや、なんでもない。」
流石に言えない…見た目が子供の秘密基地みたいだとは…
「これ俺が8歳の時に作ったやつなんだぜ!」
ほんとに子供の秘密基地だった。
「そんな事言ってないで中に入ろうよ〜寒いよぉ」
という事で家の中に入った…中の感想は、素晴らしい。その一言に尽きる。赤いソファに木のテーブル。壁にはよく分からないポスター。床には紺のカーペット、木箱の上にはテレビが置かれていた。なんて中二心をくすぐる部屋なんだ!
「すげぇ…」
「でしょ〜?内装は僕が作ったんだよ!兄さんはうん、あれだから…」
「ああ…」
どうやら楼も魁のセンスの無さを分かっていたようだ。
「じゃあ話し合いを始めるぞ。」
木箱の上に座った魁がそう告げる。
「とりあえず今決めることはパーティ名だな。」
「パーティ名か、どんなのがある?」
「おいおい稀掠サン…それくらい知っとけよ…」
「あはは…ごめんごめん。」
実際、転移して二週間だから全く知らない。
「僕が教えてあげるよ!ついでに有名なパーティも!えーと、まずパーティランキング1位の〘災厄の番犬〙リーダーは個人ランキング2位の柊 憐斗。能力はわかんない。このパーティは人数が1番多いんだ。それで1位になったんだと思う。パーティ名の由来は逆らう奴らには容赦しないって理由らしい。」
ほう、個々が弱くても数でカバーするタイプか。まぁ今の俺たちじゃ勝ち目は無いだろうな。でパーティ名の由来ただ独裁したいだけじゃん。
「次は2位のパーティ〘狂乱の宴会〙リーダーは個人1位の十守 緋夏。能力は回復系らしいよ。で、この戦闘だらけの日常を終わらせてパーティ名通りみんなで宴会したいって意味で名付けたんだって。」
リーダーはいい人そうだな。だが何か裏がありそうな感じがするんだよなぁ…考えすぎならいいんだが。
「で、あとは…ランキング3位の《鳳星騎士団》。リーダーは個人3位の鎌橋 唯都世。このパーティはいっつも「この世界に秩序を取り戻せ!」って演説してる。鎌橋に能力は無いらしい。パーティ名の由来も分からない。」
鳳星騎士団ねぇ…秩序…まさか由来って法政から来てるんじゃ…
「後はここ海更を治める《烈火の魂》。個人ランキング172位のリーダー、羽島 風音。屈強な兵を集めてるパーティで、能力と由来は分からない。」
「ありがとう。じゃあだいたい分かったし、俺らのパーティ名決めるか。意見ある?」
「そうだな…《死神の再臨》とかはどうです?」
「まあ、悪くないな。いいと思う。」
「じゃあ決まりでいいんじゃなぁい?」
意外とあっさり決まってよかった。てかこれ決めるだけでいいのかな?
「これって決めた後ってどうするんだ?」
「ああ、それは役所に登録するんですよ。」
このむちゃくちゃな世界にも役所はあるんだな。店やってるからそりゃそうか。
「多分この3人ならパーティランキング1000位以内に入れるんじゃない?」
1000位…先は長そうだな。
「稀掠サンも俺たちと会うまで戦ってたんだよな?」
「ああ、よく絡まれたからな。パーティになるからこの前髪も上げとくか。」
スッと前髪を上げた…おいなんだその顔は。
「稀掠くんその顔何!?すっごいイケメン!」
「稀掠サンだよな?」
ここまで驚かれるとは。
「そうだよ。」
「それはそれで絡まれそうだな…女から。」
「ね〜でも兄さんだってよく絡まれてるじゃん。」
魁はモテるようだ。でも楼もモテそうだけどな。
「お前だって可愛がられてるじゃねぇかよ。」
ほらやっぱり。
「む〜かっこいいって言われたいんだよ!」
微笑ましい光景だな。
「そろそろ行かないか?」
「そうだな。」
そう言って隠れ家を出ると…
「ぐすっ、うっ、うぇぇぇん、うぇ、あ、いたぁ!かいしゃぁぁん!」
目の前には、泣きながら魁の方に走ってくる女の子がいた。
女の子の正体は…?
次回お楽しみに!