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争乱が日常

今回は連載頑張りたいです!よろしくお願いします!

今日は新月、路地は街灯の灯りのみで照らされる。

照らされた先にいるのは五人の倒れた男と返り血で手が真っ赤に染まった少年。

これは法も秩序も崩壊した世界で最強を目指す少年の物語。


少年こと俺《雛瀬 稀掠(ひなせ きさら)》はいわゆる転生者というやつである。

高校受験に行く日、寝坊して焦っていた俺は慌てて駅のホームに走り込み、勢い余って転落…そのまま死亡と思われた…が気付けばこの街にいた。

そしてこの世界に来て二週間。ここは法も秩序もあって無いような所だとわかった。街中には普通に暴れてるやつもいれば、ひったくりなども日常茶飯事だ。

ここでは昔の日本の戦国時代のような領地の奪い合いがある。その広さがそのまま権力に繋がるのだ。領地が欲しいなら戦って勝つこと。それがここのルールだ。

そして領地の広さが繋がるのは権力だけではない、ランキングにも繋がるのである。これは個人ごとの強さを競う『個人ランキング』と、パーティ全体での領地や戦力を競う『パーティランキング』がある。

そのランクをあげるために一昨日から絡んできた奴を返り討ちにしているのだ。

ちなみに転生者と言ってもチートは貰えなかった。まぁ、俺は元々喧嘩が強かったので問題は無い。そして俺の見た目は前髪を下ろし、眼鏡(伊達眼鏡)をかけている。傍から見たらカモの陰キャだ。


「今日の昼飯は何にしようかな〜」


「あっ!兄貴っ!あいつですよ昨日のやつ!」


「ほ〜お前がうちのパーティメンバーを倒したやつか…見た目に反してやるようだな…」


げっ…昨日のやつの仲間かよ…うっわ10人くらい引き連れてやがる…


「そうですけど、戦う理由無いですよね?やめません?」


「理由なら…お前にやられた仲間の仇ってのがあるじゃねぇかァ!」


そんないきなり殴りかかってくるもんかね…勝てるかな…


「ふんっ!」


ベキッ!!


「ぐおぉぉぉぉぉぉ!」


あ、寸止めするつもりが鼻にきまっちゃった…あーあー鼻血垂れ流してるよ、もう俺の勝ちでいい?


ドサッ


「「「兄貴ィィィ!」」」


えー…倒れたんだけど、早くねぇ?


「うっ、兄貴が負けるなんて…ならばこいつだ!用心棒!来い!」


そう言った後に現れたのは…


「やっと俺たちの出番か」


「兄さん、次の標的はあいつ?」


黒いスーツを着て、日本刀を差している長身の男と青のシャツを着て、短刀を持っている男だった。


「じゃあ…さっさと終わらせようか…」


兄さんと呼ばれた男がスゥッと息を吸い込み、そして…消えた。


「なっ!?」


どんなスピードで動けばこうなるんだ!?

この世界には、特殊能力を持って生まれてくる人が多々いる。俺はこの世界に来た時貰えなかった。


「貰ったァァ!」


背後から壁を蹴り首に刃が到達するまであと数センチ。

ドオォン!!勢いにより爆風が起こる。


「「やったな!」」


そして煙の中から首がはねられた少年の死体が…

()()()()()()()

出てきたのは刀を振り切った男だけだった。


「御堂さん!?あいつはどこ行ったんですか!?」


「なっ…有り得ねぇ…確かに手応えはあったのに…」


「ここだ」


俺の声と共に10数人の男たちに黒いモノが噛み付く。


「なんだこいつは!取れねぇ!」


これが俺の()()からあった能力。

影変換(シャドウチェンジ)】俺の影から色々な従魔や武器を作ることができる。今回出したのは従魔の一つである影龍シャロンである。当然影なので物理攻撃は効かない。

ちなみに消えたように見えたのは、この龍に運んで貰ったのだ。見失うほどの速さで。

御堂と呼ばれた男に気を取られていたら男の一人がふらふらと路地から出た。


ボシュゥッ


「お!日光に当てたら消えたぞ!」


「そうか…じゃあそっちへ…ぐあっ!」


御堂が、リーダーと思われる男に蹴られた。


「お前はもう用済みだ。金なんて払ってたまるか!てめぇの弟はあっちの方で寝てるぜぇ!みんなで遊んだからなぁ!じゃあな、そこで勝手にくたばってな!」


奴は外道だったのだ。使えないと分かったら即切り捨てる。ろくな奴じゃねぇな。


「ちっ、あいつら今度始末してやる…」


だいぶ怒ってるらしい。まあそりゃそうか。弟ボコられて捨てられりゃ誰だってキレるだろうな。どれ、少し手助けしてやるか。


ヒュンッ


「な!?くっ、離せ!てか消えねぇ!」


影龍は奴らに噛みついて、こちらへ引っ張ってきた。


「ほら、あんたの拘束解いてやるから奴らに倍返ししてやれ。」


御堂は一瞬呆気に取られたが、すぐに口角を上げた。


「いいな、おもしれぇよ!恩に着るぜぇ…」


ユラユラと男たちに近づいていく。とてつもない殺気を放ちながら。


「ひ、ひぃぃぃぃ!く、来るんじゃねぇ!」


「その願いを俺が聞き入れる必要があるのかよ?」


「それ以上近づけばこいつを殺すぞ!」


男の手にはナイフが握られ、御堂の弟をヘッドロックしていた。


「ひひっ!お、俺の勝ちだ!お前はそこのガキと一緒に俺らが袋叩きにしてやるよぉ!あっはははは!」


「おい、今すぐ弟を離せ。これは忠告だ。」


殺気が更に増した。後ろの取り巻きは半泣きになっている。


「刀を下ろせ!そうしたら離してやるよ。」


「手から刀を離せばいいんだな?」


「あ、ああそうだ!早くしろ!弟を殺されてぇのか!」


そう言われて御堂は刀を…投げた。


ドシュゥッ!!バタッ


「「「うわぁぁぁぁぁ!」」」


男の顔面に刀が刺さり、血が吹き出して、死んだ。

取り巻きたちが悲鳴をあげる。


「うーわ…」


かく言う俺もドン引きである。

取り巻き達は逃げていった。

さて、もう1戦しようか。


「もう1度手合わせ願えるか?」


「丁度俺もそう思ってたぜ。」


どうやら向こうも乗り気のようだ。


「行っくぜぇ!」


あのスピードの斬撃を受けたら死ぬだろうな。だが、俺には【影変換】がある。これは影から刀も作れる。


キィィィィン!


強度は申し分ないな。ちゃんと打ちあえる。


「すげぇな!でもよぉ、まだ終わらないぜ!」


ヒュオォォォッ!


目にも止まらぬ剣戟!対応…しきれん…


バシュッ


「いっ!」


頬が切れた。このままじゃまずいな…そうだ!


「これならどうかな?」


影龍で真横に移動し、腹に峰打ちを…


キン!


「まだ対応圏内だぜ?」


もう無理か…勝ち目がない…


ピシッ…パキィィン!


刀が…折れた。俺のではない。御堂の刀だ。


「は!?俺の刀が…折れるなんて…マジかよ…」


首に刀を突き付けて俺は告げる。


「これで…チェックメイトだ。」


「ふっ…俺の負け、か…。」


強かった…異常なくらいに、これならパーティ作ってもいいのでは?

とりあえず誘ってみよう!


「なあ、あんた俺と一緒に来ねぇか?」


「あ?なんでお前について行かねぇと行けねぇんだ。」


まあ当然の反応か。さっきまで殺そうとしてた相手に誘われるなんて誰が思うだろうか。


「俺にはこの世界の頂点に立つっていう目標があるんだ。それには仲間がいる。それも強者がな。だから俺と共に来い。」


「…くっ、くははははっ!なかなか面白い目標だな!嫌いじゃねえ!いいだろう、仲間になってやるよ。」


こう言っちゃなんだが、意外だな。断られると思ってた。


「おお、ほんとか!」


「俺はあんたに負けたしな。その代わりに、条件がある。俺の弟も仲間に入れてくれ。」


「ああ、構わないぜ。」


「よし、交渉成立だな。俺は御堂 魁(みどう かい)。知ってると思うが俺の能力は【闘狂(バトルブースト)】速度・身体強化だ。弟の方は御堂 楼(みどう ろう)ってんだ。こいつの能力は【反転(クリスタルミラー)】武器で受けた特殊攻撃を反射、無効化する能力。あんたの名前と能力は?」


おお、だからあんなに強くて速かったのか。てか知ってると思うがって有名人なのか?それなら俺はだいぶ無知となるが…


「俺は雛瀬稀掠だ。能力は【影変換】。影から武器や従魔を作る能力だ。」


「じゃあよろしくな、稀掠サン!とりあえず俺らの隠れ家に案内するぜ!」


「てかなんでさん付け?」


「俺は負けた。だからこれは俺なりの尊敬の仕方だ。」


「変なやつ。」


こうして、俺たちは最強を目指す事になった。

読んでいただきありがとうございます。皆様の評価が私のモチベに繋がりますので、どうかよろしくお願いします!

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