要編 13 チーム・アルファー
シーン13 チーム・アルファー
特殊戦群部隊の任務は紛争地域の監視、諜報、戦況分析、邦人警護、各国での情報収集とその分析、各国の特殊部隊との交流と人脈作り、世界情勢の意見交換等々と、多岐に渡る。
創設時、アルファー、ベータ、オメガ、デルタ、シータの5チームだったが、宗弥の話によると現在は12から15の公式、20以上の非公式のチームがあり、世界中に展開しているらしい。
各チーム長には切迫状況下での独断指揮権限が与えられている。が、どのチーム長もそうはならないよう作戦進行時、細心の注意を怠らない。なぜなら事態収集後には聖書並みの厚さになるであろう、報告書の提出が待っているからだ。
各チームがもたらす情報は、日本政府と他国との外交交渉カードの一つにもなっている。
チーム・アルファーメンバー
チーム長 尾長 要
コードネーム イエーガー
戦闘時、猟をするかの如く敵を追いつめ、周到に殲滅していく姿を見た周囲は、要をこの名で呼ぶようになった。当の要はイエーガーマイスターの逸話が気に入り、コードネームとする。
素水宗弥
コードネーム フレミング
優秀な医師であり、戦闘能力も高く、平時でも最小限の医療道具を持ち歩く。フレミングの法則の様に医師と任務との真ん中に自分をおき、行動出来るようにとコードネームとする。
コードネーム ファイター
初の自衛工科高校出身 各種武術に精通し、特にズペツナスの近代武道システマに詳しい。いつもファイトを溢れさせ、挑むという気持ちを込めてコードネームとする。料理の腕もプロ並み。チーム内に目を配り、メンバーの精神的な拠り所。要と同じ年齢。担当スナイパー。最大射程はあえての非公認で、2058mを誇る。
コードネーム トーキー
ハッキング技術に優れている。敵はトーキーを“通信の魔道士“と呼ぶ。各種電子機器に精通。通信・情報分析を担当。PCを自在に操って見たい場面を、聞きたい情報を、映画のように映し出し、モニターできるようにと願い命名した。
コードネーム チャンス
近年、訓練期間を終えてアルファーに加入。作戦時の後方支援、工作・撹乱を担当。要と同郷。幸運を掴むチャンスに恵まれるようにと、コードネームの名付けを頼まれた要が命名した。「はい!」と大きな声で返事を返し、メンバーの行動にいつも興味深々。
東シナ海の近隣諸国に展開中、急遽、日本に呼び戻されたアルファーに新たな任務が下る。
その任務とは、盾石グループ会長・盾石国男並びに、国男の一人娘・富士子の警護と監視を、現在、行なっているベータチームから引き継ぐというものだった。
盾石富士子は盾石グループ本社ビル、地下1階にある盾石化学研究所で統括として勤務している。液体デイバイスなるものの開発と製造を富士子は大学1年から始め、実用化された暁には、人とテクノロジーの融和を大いに促進させると期待されていた。
その転用は、軍事にも及ぶ。
日本国はこの技術を国益と考え、国外への技術供与を禁止した。また外敵からの保護対象にも指定している。
ベータチームはユートピア国がこの液体デイバイスに多大なる興味を持ち、その製造工程の奪取を目論み、現在、盾石グループに対して、何らかの工作を行なっているという情報を掴んで本陣に報告した。部隊長コロンブスは一案し、アルファーの帰国に踏み切った。
なお、この情報を得てベータチーム長・サラマンダーに一報入れた直後、写真撮影をしたベータ要員・コードネーム・ビスケットが所在不明となっている。
ベータからアルファーへの作戦移行期間は、4日間という異例の短さだった。




