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世話好きと〇〇  作者: 雨宮いばらき
世話好きと委員長
1/1

その1

「田中くん、こっちに来てくれ。」

「あ、はい。」


急に呼び出された僕は、今、委員長と、人気がいない旧校舎の教室に二人きりでいる。


「で、委員長。要件ってなんですか。」


「あの、、私の飼い主になってほしい!」


「えっ、、、もう一度言ってもらっていいですか、」


「だから、私の飼い主になってほしい。」


「えーと、委員長、一旦、落ち着いてください。」


「私はいつでも落ち着いているぞ。」


「いや、その発言からして、落ち着いているようには見えないですけど。というか、『飼い主になってほしい』というのはどういうことですか、」


「そのままだ。」


「いやっ、ちょっと待ってくださいね、もしこれを了承したら僕が、委員長の飼い主になると、」


「そうだ。」


「いやいやいや、ダメですよ。」


「私は、全然いいぞ。」


「いや、そういう問題じゃなくて、僕の精神的な面で問題があるんです。」


その後、委員長命令ということで、委員長の飼い主に仕方なくなった。

これから、どうすれば良いのだろうか、、、





翌日、放課後、委員会があるわけでもないのに委員長にまた呼び出された。


昨日と同じ教室に行くと、そこには信じられない光景が広がっていた。

「ちょっ、いや、、委員長!何で犬用の首輪をして、、、昨日からどうしたんですか?」


「この前に、テレビを見ていて、これをしていたんだ。田中、早速昨日の続きをするぞ。」


「えーと、委員長、これはどうすれば良いんですか?」


「お前の好きなようにに扱っていいぞ。」


「いや、そういうわけにもいかないんですけど。」


「田中、遠慮する必要なんてないんだぞ。さあ、お前が好きなようににしてくれ。」


「いや、これは遠慮しますよ!ここは人通りが少ないですけど、一応学校ですから。」


「学校の外だったらいいのか?」


段々、委員長の機嫌が悪くなってきている。

ここは少し妥協するか。


「まあ、多少はですけど、」


「本当か!」


「まあ、はい」


「それだったら、今すぐ学校から出よう!昨日からずっとうずうずしていたんだ!」


「委員長、少し落ち着いてください!」




委員長に無理矢理連れ出されて、学校の前にある公園に来た。


「田中、ここだったら良いだろう。」


「いや、全く良くないですよ!こんな、人に見られるところでしていたら、」


「そ、そうか、、、」


「もっと別の場所を探しましょう。」


「うん、そうだな。」



学校から少し離れたところにある、人気のない川沿いの神社に来た。


「ここだったら良いんじゃないか、田中。」


「まあ、人気もあまりありませんですし、大声を出さない限りは、見つからないと思いますけど。」


でも、他の人からしたら、怪しいと思われるな。


「委員長、あの、なにかトラブルがあったら、委員長が責任とってくださいね。」


「おう、もちろんだ。よし、それじゃあ始めるぞ。」


「は、はい。」

(いざとなると、緊張するな、、、)

「、、、で、何をすればいいですか。」


「田中に好きなようにすれば良いんだぞ。」


「え〜、、、それじゃあ、委員長は何が良いですか?」


「田中がしたいことだったら、何でも良いぞ。」



「、、、だったら取り敢えず、頭、撫でても、良い、ですか?」


「いいぞ、好きなほど撫でてくれ。」


「じゃ、じゃあ、」

ぽん、

(なんだろう、硬いけど、どこか柔らかさというか、温かみを感じる。)

優しく、僕は、委員長の頭を撫でた。


「はぁ、はぁ♡」


「い、委員長?あの、なんて言うか、凄く気まずいんですけど、、、」


「私は構わず、お前の好きなようにしてくれ。」


「あ、あのですね、委員長、そういう問題じゃなくて、なんか罪悪感をとてつもなく感じるんですけど。」


「私がOK出しているんだから、大丈夫だって!あと、私の呼び方は呼び捨てにしてくれ。」


「えぇ、いや、ちょっとそれは無理です。」

(駄目だ、精神的に耐えられる気がしない。これは早めに言って帰らせもらった方がいいか。)

「あの、ちょっとしんどいので、帰っても良いですか?」


「お願いだ、もうちょっとさせてくれ。」


そう言って頼んできた。

すごくかわいいかった。

少しだらしない感じがいつものしっかりとしているイメージとのギャップでさらに増してかわいく感じたんだと思う。

そのかわいさが僕の煩悩を突き刺した。


僕はもう少しいることにした。




翌日、僕は体調を崩して学校を休んだ。


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