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第60話 アルカデア王国

第60話~エピローグ(第69話)と第70話~エピローグ(第76話)は基本的な構造は変わらないものの、話が若干異なるので分岐ルートです。


 わたしたちは魔法学園の校外学習でアルカデア王国へと来ていた。



「ようこそアルカデア王国へ。どうぞお入りください」



 王城に着くと出迎えた執事みたいな人に案内される。

 一応王城で泊めてもらうので王様(おとうさま)と謁見の間で謁見するとのこと。



「よく来たな未来ある魔法学園の子どもたちよ。この三日間、おおいに楽しむがいい」



 お父様はそれだけ言って謁見の間から出ていった。

 その後メイドたちがわたしたちをそれぞれの部屋に案内した。

 わたしのルームメイトはリア。エリーはタテロールと同じ部屋らしい。

 すると部屋の扉がノックされ、扉を開けるとそこにはメイドさんがいた。



「魔王様がお呼びです。どうぞこちらへ」



 わたしはリアに部屋で待ってるよう言ってメイドさんについていくと1つの部屋に案内された。

 そして中に入るとお父様がいた。



「フェノン、足の調子はどうだ?」

「一応リハビリはしてますけど……」

「ああ、敬語やめてくれ。どうせ正式な場所じゃないし、俺は身内が敬語とかどうしても馴れないからな」



 お父様はそのままソファーに座ると先ほどまでずっとつけてた仮面を外した。

 やっぱり親友だった。けれど、見た目は30ぐらいのおっさんになってた。



「リハビリはしてるよ。けど全然ダメ。遅いけどちょっとだけ歩けるぐらい」

「そうか。フェノン、お前俺に言いたいことがあるんじゃないか?」



 さすがはお父様。わたしの考えなんてお見通しみたいだ。



「ルーズベルト領をゴールランド王国から買い取って」

「あれ!?」



 膝の上にひじを乗せて腕を組んでいたが、ガクッという感じで崩れた。

 あれ? お父様は持ち前のチート能力でわたしの考えお見通しじゃなかったの? え? もしかしてわたしが親友かどうかという質問をすると思ったの? 別にわたしから見ればそんなことはどうでもいい。

 1番大事なのはアストと結婚できるか否か。アストがわたしを好いてくれるかどうかだよ。



「そ、そっちか……わかった。いくら寄越してくれる?」

「……無限に出す」



 お父様は「コイツやべぇ……!」みたいな顔をした。でもこれでアストと結婚できると思えば安いもの。

 わたしはアストの為ならいくらでも出すよ。



「わかった。俺の負けだ。全額こっちで負担する。

 本当なら『え? お金?』みたいになるかと思ったんだけどなぁ……」



 ああ、『お父様助けてぇぇ』『仕方ないなぁ?』っていうヤツがやりたかったんだね。ごめんね。わたしの愛が強すぎて。


 お父様が額に手を当てていると、扉がノックされて1人のメイドが入ってきた。



「魔王様、お連れしました」

「入りたまえ」



 お父様が言うと1人のカッコいい青年が……アスト!?



「失礼します!」



 そしてアストがわたしの横にあるソファーに座った。

 アストを見てるだけで顔が赤くなってつい目を逸らしてしまう。



「アストくん、キミには頼みがある。実は今朝こんな手紙が王城に届いてな」



 お父様はアストに手紙を渡す。そしてアストがその手紙を読むとわたしもその手紙を読もうと車イスから頑張って覗こうとする。



「きゃっ!?」

「フェノンフェリナス!?」



 手紙を覗こうとしたわたしはそのまま車イスから落ちた。

 そしてアストがわたしを抱き上げるとあろうことかわたしを膝の上に座らせてわたしにも見えるように手紙を読み始めた。

 わたしの顔は真っ赤に染まり、心臓の速度も異常に速くなっている。

 そんな様子を見ていたお父様は気持ち悪くニヤけていた。



「殺害予告……ですか?」

「そうだ。俺の妻の誰かを狙ってるらしい。だからキミはそれを阻止して欲しい。いくら俺が強いとしても20人居る妻を全員、1人で守ることなんて出来ないからな」



 さらっと20人嫁が居ることを自慢してくるお父様。アスト、こんなのがお父様で本当にごめんなさい……



「わかりました。お引き受けします。報酬は……フェノンフェリナスだ」

「「え?」」



 いきなり何を言ってるのか分からず、その空間が静寂に包まれた。

 そして理解したわたしは声にならない声を出した。



「~~~~~~~~っ!!!?」

「フェノンフェリナス……いや、フェノン! 俺様はお前のことが大好きだ! 必ずお前のハートを盗んで見せるからな!」



 アストは堂々とそんなことを言ってるけど、既にわたしのハートはあなたに盗まれてます。

 同じ部屋に居たメイドさんたちは今にもツッコミをしてしまいそうなのを必死に堪えていた。



「わ、わたしもアストが好きなの……」

「……は?」



 顔を真っ赤に染め、頬っぺたを両手で抑えながら言ったわたしのに対して違和感を覚えるアスト。本当に気づいてなかったようだ。けどこれなら他の女を連れ回すわけないし安心できる。



「だっはっはっはっはっ!!! お前サイコーだな! ここまでアホなヤツ初めて見たぞ!」



 わたしは無言で吸魔石を10m以上離れた場所に投げ捨て、宝石を作り出し、魔力光線を発射した。

 しかしお父様の謎のバリアで守った。



「『幸福宝石手絡魔力砲撃(フェリナスバースト)』!!!!」



 大量の宝石で魔力光線を発射しつつ、宝石をそのままぶつける物理攻撃を繰り出した。



「ヤメロ! 俺を殺す気か!?」

「お父様が悪い!!」



 わたしはそれだけ言うと吸魔石を取ってきてくれたメイドさんから吸魔石を受けとる。まだ身長が小さくならないので、規定魔力値は使ってないようだ。



「フェノンが俺様のことを好いてる……だと!?」



 アストはとてもカッコいいのに少し残念な所がある。だけど、その残念な所がまたいいと思っているわたしはだいぶ侵食されてると思った。




 ブックマークが1つ減るごとに「また減った!」ってなるんだよ。逆に増えると「やった! 増えたァ!」ってテンション上がるんだよ。

 作者ってそういうモノなんだよ。

 だからブックマークお願いします。

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