第54話 無双する強者たち
わたしが倒れている頃、リアたちは接戦を繰り広げていた。
「『カウンター』! 『フレアノヴァ』!!」
リアはワイバーンから放たれた最高火力の魔法を吸収して、魔物の群れに打ち返した。
これがリアの転生特典のようで、魔法を吸収して魔力消費無しでその吸収した魔法を繰り出すことができるらしい。
「はああああああああああ!!! はあっ!!」
風紀委員長も風紀委員長で魔物の群れに対して引くこともせずに無双していた。他のクラスメイトたちも同じようだ。
このチームは高火力持ちが多く、かなり安定していた。
「『ライドブレイク~』」
ツバキさんはツバキさんで山の付近を馬車で周回して魔物を引き殺していた。
ツバキさんのライドブレイクは馬車を無敵にする魔法で一定時間毎にかなりの魔力を消費するが、ツバキさんの場合、謎の貯蔵庫から魔力を無限に使うことが可能なので魔力が尽きる心配はない。
控えめに言ってMU☆TE☆KI☆
「オラオラオラオラ! 俺の男に手ぇ出すんじゃねぇーー!!!」
石塚くんを守りながら魔物を一掃していく石原くん。
なんか凄い無双していて石原くん1人だけで充分のような感じがする。
近くにいる生徒たちは「愛もここまで来ると応援したくなるね」と最早石原くんのガチ恋を応援し始める始末だった。
石塚くんも「石原くんすてきッ!(裏声)」みたいな反応すれば面白いのにそんな反応もなく、ただ顔を青くして引いているだけだった。
「マズイぞ。このままだと守り切れない……」
クルミさんのグループは特に高火力を持つ者がおらず、とてもキツイ戦いを強いられていた。
『グギャっ』
「くっ!」
魔物たちがクルミさんを囲った。
クルミさんは逃げ道を失い、空からも魔物たちが襲来する。
「ここまでなのか……!」
クルミさんに目掛けて襲来した魔物たちが襲い掛かろうとすると魔物たちが一瞬にして消えた。
「勘違いしないでくださいよ。フェノン様を悲しませないためですから」
「ディアナもツンデレだなぁ」
「黙れゲロ。『フィクションスペース』!」
クルミさんの前に立ったのはディアナとフロウ。
ディアナが虚魔法を放ち、魔物の存在を『虚ろ』に変えていく。
そしてディアナに近づく魔物をフロウが剣で切り倒す。
「フェノン様のためにも頑張らないとな!」
「黙ってゴミらしくゴミを処理してろ」
この二人は本当に相性が良い。
もうそのまま結婚しちゃえばいいのに……
「みんな、反撃開始だ!」
その頃、魔物に襲われているのは屋敷も例外ではなかった。
「『エクストリームバスター』!!!」
お母様が訳のわからない魔法で魔物たちを一掃していく。ナタリーとヒツジは残念ながら戦闘向きではないので、屋敷にて待機中。
「『メテオラッシュ』!!」
お母様が屋敷の近く(半径400m以内)に存在する全ての魔物を宇宙から小さな隕石をたくさん引き寄せてお片付けしていく。
ここまでヤバいことしていると逆にお母様がなにをしたいのかが分からなくなってくる。
そしてわたしの街のクラスメイトたちは魔物を見つけて狩るという感じなのだが、他の街と比べても異常なまでに量が多い。
オマケにわたしが抜けたので人数が少ない。
美紀ちゃんが強そうな魔物をチート魔法で操ってなんとか保っている状態。
美紀ちゃんの魔力が尽きたらここは終わりだろう。
「ここは……?」
「フェリナスちゃん!!」
わたしが目を覚ますと目の前にはわたしの手を握ったエリーがいた。
自分の身体を確認すると服がぶかぶかだったので、背も小さくなったままだ。
「私のお下がりでよかったら着替えあるけど……」
「ありがとエリー」
わたしはエリーから服を受けとる。
エリーの私服はザ・女の子。みたいな可愛らしい服だった。
ボーイッシュな服ばかり着てたアホと袴ばかり着ていた頭のおかしい人とは大違い。
やはりエリーだけはそっち側のようだね。
「ねえフェリナスちゃん、この街どうなってるの?」
わたしはエリーにこの街と周辺の事態を全て教えた。
するとエリーは数秒間動かなくなった。
そして復活するとわたしにいろいろ聞いてきた。
「この戦いって終わるの?」
「わからない……空間の亀裂がどうなってるか確認できないし、この街から離れるわけにもいかないから━━━━」
「そうだよね……」
空間の亀裂が自然に無くならない場合はリアかお母様の空間魔法で封じるか、ディアナの虚魔法で虚ろに変えるしか方法がない。お母様はともかく、リアやディアナじゃ山までたどり着くのは難しい。
お母様とディアナたちが行動出来れば良いのだが、その二人と連絡を取る手段もない。
そう考えていると何かが壊れた音が響いた。
「さっきからこの音なんなの……!?」
「結界が1つ壊された……エリー! この音何回鳴った!?」
「えっと、これで5回目だよ……?」
「5回目!?」
展開した結界は全部で5つ。つまり今ので全ての結界が壊されたっていうことだ。
状況的にかなり圧されてるということになる……そしてわたしもそこまで戦えない……
この状況でどうすればいいっていうの!?
わたしはエリーから借りた服をベッドに置いて急いで外へと飛び出して行った。
戦闘シーンが上手く書けないんじゃー!
あっ、今日から新作の『サポートキャラはじめました』が連載スタートです。是非読んでください。
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『サポートキャラはじめました』
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