表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/76

第47話 勇者様ご招待

明日から更新は休日を除いて9時に更新しますが、あくまで目安になります。最低でも9時ぐらいまでには更新するのでよろしくお願いします。


「ナタリー!」

「おかえりなさいませ。フェノン様。そしていらっしゃいませ勇者様方」



 ナタリーはわたしを抱っこするとクラスメイトたちに頭を下げた。


 帰省期間の間にクラスメイトたちを学園に置いておくわけにもいかないし、かと言って宿に泊まらせるのも何か悪い気がしたのでお母様に頼んで屋敷に泊まらせることにしたのだ。



「こちらこそお世話になります」



 美紀ちゃんが頭を下げるとクラスメイトたちも頭を下げた。



「ディアナは女性の方を、フロウは男性の方をそれぞれ部屋に案内してあげて」

「「お部屋にご案内致します」」



 ディアナとフロウのその姿を見てこの二人って実はマトモだったのかと疑ってしまった。

 でもよく見たらディアナがフロウの足を踏んでた。フロウは少し嬉しそうだったし、お母様は何か羨ましそうに見てた。



「ではフェノン様、お部屋に行きましょうか」

「うん!」



 わたしはナタリーに抱っこされたまま自分の部屋へと戻った。



「久しぶりの日に当たったベッド……おやすみぃ」

「フェノン様、外を歩いて来てるのですから足に着いた砂を落としてください」



 そんなことしなきゃいけないの……? めんどくさいなぁ……



「枝毛も多いようですし……さては髪の毛の手入れをサボってましたね?」

「うっ!」



 ナタリーの予測が図星過ぎて何も反論できない。

 だってよくわからないし、髪のケアってめんどくさいからつい……



「フェノン様、まずはお風呂ですよ。さっ、行きますよ」

「えー」



 ナタリーはわたしを抱っこして大浴場に向かった。

 すると先客がいるようで、いくつか篭があって、その中に着替えが入っていた。



「ほら皆さんはお風呂に入ってますよ。入ろうとしなかったのはフェノン様だけです」



 ナタリーはそう言ってわたしを下ろすと手練れた手つきでわたしの袴を脱がし始めた。



「今日からフェノン様には洗い方をきっちり教えてあげます」

「そういうのいいから……もうナタリーがやってよ」



 わたしはナタリーと会話しながらお風呂場に入ってシャワーの前にある椅子に座った。



「私は学園の大浴場には行けませんので無理ですよ。まあ、夕食後も入るので今は洗ってあげますよ」



 なんやかんやでナタリーは甘い。基本的にわたしのお願いをなんでも聞いてくれる。

 実は最近は全寮制とかめんどくさいので家から通える人は家から通えるようにするというものにしようと考えている。ただし、三年生を超えた生徒は一部を除いて必ず寮で寝泊まりするというオマケつきではあるけど。



「フェノン様、目を瞑ってください」



 ナタリーはわたしにシャンプーハットをつけてからシャワーをかけた。そしてシャンプーでわたしの頭を洗っていく。



「フェノンさん、家だとずいぶん子供っぽいね……」

「そうだね。学園の時とは大違いだよね」



 お風呂に浸かりながら余計なことを会話するクラスメイト二人。ナタリーがちょっと笑いを堪えてるように見える。



「フェノン様、もしかしたらこの1週間の間、面白いことが多いかもしれませんね」

「そんなことない」

「そうですかねー? シャワー流しますよ」



 それからトリートメントと身体を洗ってもらってお風呂に浸かった。

 するとクルミさんが近づいてきた。



「ずいぶん甘えん坊さんじゃないか」

「……そんなことないです」



 わたしはクルミさんから目を逸らしてお風呂の中央付近にある岩を見ると何かが水に落ちたような音がした。



「……みんな集まれ」



 クルミさんの一言で女子生徒たち全員がクルミさんの元に近寄った。

 それと同時にナタリーが戦闘体制になって岩影に近づいく。

 ナタリーは服を脱いでないのでお風呂の中に入ることはできないが、彼女には遠距離攻撃である風魔法を使うことができる。何かあったらその風魔法で上手くやってくれると思う。



「『ウィンドスラッシュ』!!!」



 ナタリーが突然魔法を放った。それと同時に岩の上に二人の勇者(おとこ)が立った。



 全裸で━━━━━━━━



「「「『ターン・アンデッド』!!!」」」



 クルミさんを含めた女子生徒たち全員が一斉に浄化魔法を放った。

 このお風呂に男という存在は汚いから消そうという考えなのだろう。


 その隙にわたしは魔力の壁で犯人たちを捕まえ、ナタリーの元に送るとナタリーはその男たちに目隠しをして両手両足を縄で縛った。

 わたしたちはお風呂を急いで出て、脱衣場で服を着るとナタリーが犯罪者たちを連れてきた。犯人は男子生徒二人だった。



「覗きなんてサイテー」



 女子生徒たちによる言葉の暴力が始まった。言い訳だけさせてみると彼らが入浴してた所に女子生徒たちが入ってきて出られない状況となり、そこに真打ち(わたしとナタリー)が登場して発見、捕縛、処刑となったとのこと。



「ナタリー、わたしもまざりたい」

「フェノン様は男の汚物なんて見るべきではありません」



 わたしは処刑場から仕切りを挟んで反対側にある椅子に座り、ドライヤーでナタリーに髪を乾かしてもらっている。

 ナタリーは髪を乾かすのが上手くて、つい寝てしまいそうになる。



「フェノン様、眠いですか?」

「うん……」

「お昼寝にしましょうか」



 ナタリーはわたしを抱っこして部屋へと戻っていった。

 そして、処刑された男子生徒二人がどうなったのか。それを証言してくれるご息女とメイドはお昼寝をして全てを忘れたのだった。




ブックマークにポイント評価(広告下にある☆)をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ