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第28話 体育での団体戦


 制服の完成までは時間が掛かるので、あと3日ぐらいは完成しない。そして書類なども一段落着いたところなので、久しぶりに授業に出ることにしました。初回以来なので、担当する先生の名前も忘れた。とりあえずモブであることに間違いはない。



「お? 珍しく全員揃ってるな。じゃあ今日は団体戦やるか。男子が二人組を作って、女子が1人ずつ入る形で頼む。それとリアはなるべく前には出ないこと。以上だ」



 わたしの戦闘能力を知らない先生はわたしへの制限を忘れてチームを組むように言った。

 それから男子二人組にくじ引きで女子が入る形になった。その結果、わたしの仲間はモブAとモブB。不思議なことに頼もしさは1ミリも感じない。



「基本は何もしないから出来る限りは二人でやって。リアが出た場合だけはわたしで対処するから」



 というわけで団体戦開始。最初の相手は縦ロール率いるモブ軍団。そして隣ではエリー率いるモブ軍団とリアが率いるモブ軍団が戦いを始めていた。



「フェノンフェリナス! この前の借りを返させて貰いますわ!」

「あーうん、そういうのいいから」

「はあ!? お前たち! やーっておしまい!!」



 上から目線でモブ二人に命令する。そしてモブVSモブの熱烈なる戦いが今始まった!



「『ボルトランス』!」



 モブたちの熱烈な戦いを観戦するのに必死なわたしを邪魔してくる縦ロール。基本手は出さないって言ったけど、こいつ邪魔だから早めに片づけておこ。



「お兄様が生徒会長を落とされたなんて嘘に決まってますわ!!」

「事実だから諦めなよ。隙あり!」



 縦ロールの魔法を避けながら徐々に距離を詰めて、縦ロールのみぞおちを的確に殴って気絶させた。その間にモブたちの熱き戦いが幕を閉じたようで、こちらの勝利で終わった。

 ちなみにリアたちは速攻でリアの勝ちで終わってた。というわけでリアのチームと勝負することになった。



「フェノン、せっかくだから何か賭けないか?」

「何賭けるの?」

「じゃあフェノンが負けたらメイド服で手作り料理な!」

「じゃあリアが負けたらこれから一緒にお風呂ね。試合開始!!」



 リアに文句を言わせないように勝手に仕切ってリアに攻めこむ。モブはリアに近づくついでに退場させておく。



「相変わらず速いな。それで全力じゃないとかホントにチートじゃねーか」

「そっちこそわたしの拳を受けてもノーダメじゃん。これだとわたしの攻撃手段が通用しないじゃん」



 リアのみぞうちにはわたしの拳がガッツリ入ってる癖にリアはビクともしない。さすがに相性が悪いので、一旦退く。



「魔法は俺のテリトリーだぞ? フェノンじゃ太刀打ち出来ないだろ」



 リアは無詠唱で魔法を放ってくる。お陰でその辺が水浸しになって、地面がぬかるみ始めた。



「フェノン、この勝負貰った!」

「それはどうかな?」

「え? うあっ!?」



 透明化で隠していたモブたちがリアに斬りかかる。それを間一髪避けたリアは少しだけ動けない感じがした。

 わたしは指先にだけ魔力を流して身体強化してリアに近づく。



「えいっ!!」



 リアのみぞおちに指を突き刺した。いくら硬い身体でも身体強化すればわたしの力はダイヤモンドにすらも割る事が出来る。

 ちなみにこれをお母様がやるとダイヤモンドは跡形もなくなる。

 さすがのリアも気絶したのか、正面に倒れた。



「まだこのままじゃ終われない……せいっ!!」



 リアの拳がわたしのお腹に当たり、さらに運が悪いことにみぞおちに入った。そして、二人揃ってその場で気絶した。





 次に目を覚ますと保健室だった。横を見るとリアが居て、とっくに起きてたようだった。



「リアの負けだね」

「なんでだよ。相打ちなんだから引き分けだろ?」



 引き分けだと言い張るリア。

 しかし、わたしは無慈悲にも彼女の希望を打ち砕く。



「わたしのチームのモブたちは退場してなかったからわたしの勝ちだよ」

「は? いやいやモブなんていなかっただろ。俺とお前だけの……は、ず……?」



 リアは戦闘中を思い出したようで徐々に顔が青くなっていた。リアはモブに奇襲されたのに、倒してないことを思い出したようだった。



「じゃあ、お風呂行こっか?」

「おい、嘘だろ……?」

「約束だよ? もしかして破るの?」

「男に二言はない……」



 リアの大浴場行きが確定した。リアはいつも部屋にあるユニットバスで全てを済ませているので、大浴場にぶちこみたいと前から思っていたのだ。

 というわけでわたしたちは戦闘で汗まみれなので寮に戻って準備をしてから大浴場に向かった。



「ほらリア、早く脱いで」

「ちょっと待ってくれよ!!」



 顔をめっちゃ赤くしながらそっぽ向いてわたしの方を見ようとしないリア。

 中身が男だと分かっていても、これはかわいい。



「よし、じゃあ行こう!」

「ちょっと待っ!?」



 リアの手を引いてそのままお風呂場に向かった。



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