第5話 頭に走馬灯が走った件
振り向いた瞬間、その獣人は瞬時にアックスを振り下ろす。
「危ない!」
リリナが俺をドン、と押した。
「お、おい!後ろ!」
「あ?なんだこいつ」
リリナの拳が赤く光り、獣人の腹に殴りかかる。獣人はたちまち吹っ飛んだ。目の前は黒めの赤髪の立つ幼女と、煙しか見えない。
「お前、、、やっぱスゲェな、、」
「まだ終わってないけどね。」
「え?」
上に気配を感じる。見上げると、なんとあの吹っ飛ばされた獣野郎!!はぁぁ?!
「これを耳につけて。」
リリナは無線のイヤホンを投げた。俺は獣人が降りてくる瞬間、それを避けつつ慌てながらも急いで耳につける。
周囲を見るが、・・・・ちょっと待て、あいつどこ行った?!そう思ったとき、イヤホンからあいつの声が聞こえてきた。
『私は増援が増えるのを防ぐため、監視室へ行って監視役を倒してくるわ。それまで持ちこたえて。』
「おい!そんなの無理に決まってるだろ!?俺死ぬって!おい!」
『ファイトです!』
「お前軽いって!ちょ、待って・・」
獣人がグォォォォと叫びながらアックスを俺めがけて振ってくる。もうギリギリだ。現に髪やら服やらの一部が切断されている。
『見てる感じやばそうだから仕方ない。 私の闘技借してあげるわ』
「ちょ、おま何軽い感じで見てんだよ!こっちは本当にやばいんだって!でなんだよ闘技って!」
[グォォォォ!]
「やばい!」(もう終わりか・・・?!)
その諦めながらもなんとか逃げようとした時!悠之介の体が瞬時に数m先に移動した。これは瞬間移動のような感覚ではなかった。確実に自分の足が動いていた。
『仕方がないから私の闘技の一部 うさぎ特性を借してやったわ。なんとかこれで逃げなさい。』
「うさぎ特性?なんだよそれ。」
『闘技の詳細は後で話すわ。もうすぐ監視室に着くから、切るわね』
「わかったよ・・・」
獣人がまた襲ってくる。俺はそのラビットスキルとやらを使い、なんとか避ける。しばらくなんとか避けられているその時、スピーカーから監視者らしきものの断末魔が聞こえた。リリナの奴、やったか?
『悠之介、、、だっけ?もうこっちは大丈夫。この闘技も借してあげるから仕留めなさい。』
[ゴリラ特性]
俺の腕が紅光に包まれる。俺は獣人の後頭部に移動し、力を込めて殴った。獣人は倒れこむ。
「やったか・・・?」
やっと期末終わった〜w