第14話 謎の喪失感がある件
今朝は、いつも通りの朝だった。顔を洗って、歯を磨いて、服を着替えて。いつも通りにドアを開けて、ボロアパートの階段を下りる。いつも通りのことなんだ。あいつらがいなくなってせいせいしたし、これからややこしいことに巻き込まれることもなくなる。学校側は大騒ぎだ。当たり前だ。1日で転校生がいなくなるなんて、前代未聞の話だ。今日もいつも以上に騒がしかった。あんだけ釘付けだった男子たちは俺の元へ全力で駆け寄り、顔を近づけて物凄い形相で質問ぜめをして来る。嘘を考えるのにどれだけ苦労したか。
家へ帰って、バイトをして飯を食う。そう、いつも通りだ。
でも、この心にぽっかり空いた穴はなんだろう。邪魔だったあいつらが去ってスッキリするはずなのに、、何故か心に穴が空いている。
もしかしたら俺は、、あいつらのいる生活に楽しみを抱き始めていたのかもしれない。危害が加わるかも知れないが、ワクワクする。この前の夜だってあんなに騒いだのは久しぶりだった。
考えてる最中、口から一言、こぼれてしまった。
「戻ってこいよ、、危害なんで気にしてねぇから。」
気がついたら寝ていた。同じ身支度をして、学校へ行って、帰って。と、その帰宅途中のその時、空からキランと光が。俺の家の方向めがけて落下して来る。
・・・・・・・・・・・・・まさか?!?!
俺は家に全速で駆け込む。