第12話 転校生が例のごとく優秀すぎる件
男子たちは笑いが溢れながらも俺をひっぱって廊下に駆けていった。
「おい、、これいけるんじゃね?」
「は?俺のもんだぞ。手を出すんじゃねぇよお前ら」
「おい悠之介、奴の好きなタイプとかいねぇのかよ」
「知らねえよそんなん、、、」
「チッ。役にたたねぇな」
まじでバトルものから学園コメディにでもシフトしたか。これ。
朝休み終了のチャイムが鳴る。みんな急いで席に着く。
「おいリリナ。ややこしい真似はすんな。俺もめんどい。」
「エェー、、男子たちの反応ピュアで面白いもん、、」
「お前な、、」
1時限目が始まった。
「はいっ。豊臣秀吉の朝鮮侵略の動機は?・・・・じゃあこれを...山崎!!」
「えっ!」
半寝していたので何も聞いていなかった。しどろもどろになる。
「いや、、あの、、その、えっと、、、」
『全国統一したから次は海外やろうと思ったんでしょ。』
「全国統一したから次は海外を統一しようとしたためです!」
「よーし、正解だ。」
ふぅっ、と息をつき、椅子にゆっくりと座る。
「おい、お前って頭良かったっけ?」
「この星に行くんなら、その星の場所の勉強はするはずでしょ?」
「いやいや、、そこまでするか?喧嘩しにきたんだろ?」
「想定外のことも考えとかなくちゃ。大切なものでしょ?「学」って。」
本当にアニメ漫画の転校生パターンがありすぎて困るんだが、、、
次は体育だったよな、、バスケだっけ?
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「うわぁっ!山崎、あんなんありかよ〜!」
「何が、、?」
低いテンションで友人の視線の方向を見る。そこにはリリナが大活躍している姿が。
いや、マジでなんなの?よくあるあの転校生パターンなの?ベタすぎなんだけど。
「おい悠之介!前!」
「え・・・?」
前を見ると、敵チームがドリブルしてきている。
「よそ見すんな!」
いとも簡単に抜かれてしまい、味方が慌てて応戦する。
「おい悠之介、何やってんだよ!調子悪いぞ!」
「ああ・・ごめんごめん」
「もしかして例の転校生見てんのか?確かにいいよな〜」
「いや、そんなんじゃねぇよ、、、」
いや、マジでだるい。転校早々悪いが退学してくんねぇかな。
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放課後。ようやく学校が終わった。
「ああ〜!今日は一段と疲れた〜!!」
「なんで?私結構楽しかったよ?」
リリナが覗き込むように話しかける。
「うわっ。びっくりした。今日はお前のせいで大惨事だったんだぞ。」
「え〜?別にいいじゃん。勉強できて運動できて可愛い転校生と今一番親しいんだから。」
「いや、イラネ。かえって迷惑だ。」
「何?ツンデレ?このこの〜」
ウゼェ!!これからバイトだってんのに。
「じゃあ俺バイトだから。」
「大変だね〜。」
ここで方向がわかれる。悠之介はため息をつき、倦怠感に襲われながらもなんとか
バイト先、コンビニに着いた。
「・・・・あれ、、コンビニが、、」
ここにあったはずの四角い建物が、跡形もなく潰れていた。
「どういうことだ・・・・?!」
その瞬間、甲高い声で囁かれるように、声が聞こえた。
「ここら辺に我らの組織に対抗する新たな敵が現れたと聞いたが、本当か?」
「なっ・・!」
振り向いた時には遅かった。猛禽類の化け物のようなものが、武器を振り上げていた。
「ぬわっ!」
武器は叩きつけられ、地面がえぐられる。なんとか起死回生の回避ができた。
「どう言うことだ、、、!?」