第10話 久々に平和が到来した件
遅れてすいません。まああんま需要のない小説ですが
「結構狭いわね、、、ボロいし何これ」
「うっせぇな。高校生の財布事情考えろっての。お高いアパートなんか住めるわけねぇだろ?」
「ねぇマジリン。もっといい家作れないの?」
「勝手に作ったりしたら法律違反だろう?郷に入っては郷に従え。人間界の言葉でこう言うように、人間界の規律に従わなければなるまい。」
「明日は日曜だからゆっくり出来るが、お前らがいると体を休めそうにねぇな。ゆっくりできねぇよ。」
「何よ。世界が危ないって時にお気楽ね。世界救えるならそれくらいの代償は軽いものでしょ?救・世・主さん♪」
なぜかテンションが高いリリナが軽い感じでいう。
「いや、前から思ってたんだがそう言うの興味ないからほか当たってくんねぇ?」
「いやいや、あなたは選ばれし者なのよ?!こんなチャンス滅多にないわ。」
「いや、選ばれなくていいから。もうアレだ、他にそう言うの願ってるやついるだろ?ほら、右腕が騒ぎ出しタァ!とか叫んでるやつ。そっちの方が絶対ノリ良いって。」
マジリンがいつもと変わらない真面目な雰囲気で言った。
「悠之介とやら。貴殿は私が選び抜いた男だ。絶対安全とは言えんが、どうか力を貸してくれないだろうか。人間にだいぶ辛辣なリリナでさえが心を開いたのだ。最初の辛辣っぷりをみただろう?」
空気が少し重くなる。
「あら、何よ。確かに最初は疑心暗鬼だったけど、別にもう人間に辛辣なんかじゃないわよ。」
「わかったよ。様子見な。とりあえずは。」
マジリンが少し安心したような表情を見せる。
「待って。お腹減って来たんだけど。マジリンなんか出して。」
「まあ飯を出す分にはよしとするか。リリナはいつもと同じのやつか?悠之介は?」
「俺はカレーで。てかそんなのも出せるんだ。便利だな。」
「わかった。」
マジリンがパチンっと指を鳴らすとボフン、と言う煙の中から注文通りのご飯が出て来た。なんと言ういい匂いだろうか。
「ウッヒョー!戴きます!」
俺はすぐさまご飯にありつく。とても美味しい。こんなものを食ったのは何ヶ月ぶりだろうか。節約していたからな。
「ん?リリナなんだそれ。」
「マジリン特製のハンバーガーよ。 超高級トマト「ルビートマト」に味の暴力とも言われるビーフェローの霜降りを使用した、週に一回分しか材料がない高級品よ。」
「なんだそれ!俺にもくれよ!」
「やーーーだーーーー!!絶対あげませんからねーー!べーだ!」
「なんだと〜〜!なら力ずくで!」
「ちょっ!きゃっ!触んないで!変態!」
「今は幼児体型のお前にそんな要素あるか!一口でもいいからくれ!」
ドタバタと近隣の人のことも考えないで暴れまわった。まだまだ平和だな、俺はそう思っていたんだ。