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人間から種族:超美少女へ転生し勝ち組人生目指す  作者: 里芋御膳
第七章 幼女神さまの国と科学技術の国
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第九十八話 お城の探検

 わたしたちが都市の主力部隊を倒し、街の外で待機してから二日。ようやっと、各国の部隊が到着した。

 残党狩りや都市機能の整備などをやってもらい、ようやっと街に入ることが出来た。

 戦闘は出来ても、こういうのは総勢四名のわたしたちではどーにもならないのだ。


 元王城の一室をあてがわれ、そこでしばしの休息。

 大き目のキレイな部屋にベッドが四つ一列に置かれている。来賓らいひん用の部屋だったのだろう。

 ダブルベッドと言い切れそうな大きなそれに、思いっきりダイブする。


「とう! ――って、うわああ」


 勢いよく飛び込んだわたしの体は、柔らかいクッション性能により予想よりも深く潜り込んでしまい、ちょっと焦ってしまう。


「何をやってるのだ」


 ジタバタあがくわたしの姿が、エシュリーを呆れさせてしまったようだ。


「とう!」


 わたしのマネか、リンも自身のモノと決めたであろうベッドに飛び込み――やっぱりジタバタしだした。


「これ、柔らかさがハンパ無いねー」


「柔らか過ぎるのも寝難くなるんだけどね」


 感激するリンに対し、アリスはその柔らかさが少々不満なようだ。


「わたしは、今住んでる屋敷のベッドくらいが丁度いいかな」


「そんなものか」


「そんなものです」


 リンとアリスの掛け合いを聞きながら、わたしの左隣のベッドにやってきたエシュリーの方に視線を向けてみる。

 飛び込んではいないけど、無言で沈み込み足をバタつかせているところを見ると、ご満悦なようである。

 うむ、一晩寝てみて良さげなら、屋敷のベッドもアリス以外この柔らかさに変えてみよう。

 使い道も無いまま放置されている金がまだ数十億もあるのだから。


「明日の朝、港町へ進軍するんだっけ?」


 一番予定とかに詳しそうなアリスに聞いてみる。


「うん。それで同じように制圧して整備して、それが完了したら一週間かけてバーゼル本島への進行部隊を構築するの」


「うへー、なんか軍隊に入ったみたいな感じだー」


「似たようなものよ」


 アリスの言う通りなのかも。軍隊と一緒に行動して戦争してるし。


「明日の朝かー。なら、わたしはスピーダーの整備しとくね」


 リンが立ち上がり出口へと向かう。


「なんか手伝う?」


「大丈夫だよ。補修と一部改良だけだから」


 晩ご飯までには戻ると言い残し、リンは部屋を出ていく。


「なら、わたしらは寝ていようか」


 掛布団を頭から被ろうとするエシュリーの手を掴む。


「うん? モナカどうかしたか?」


 掴まれた手を不思議そうに見つめるエシュリー。


「今日は何もしてないじゃん。せっかくだし、元エシュリーの国のお城の中を案内してよ」


「あ、わたしも案内して欲しいな」


 アリスもわたしの案に乗ってくる。


「えーっ、見るモノ大してないぞ?」


 今日一日だらける気満々だったのか、エシュリーは心底嫌そうに眉を寄せた。


「そんなことないでしょ? こーんなに広いのに」


 両腕を大きく広げ、大きいぞアピールをしておく。

 ファルプス・ゲイルのアリスのお城と同等くらいの大きさだ。

 建築には詳しくないけど、どうも様式が違うように見える。


「しょーがないなー」


 納得してくれたのか、エシュリーがベッドから降りて来てくれた。


「お願いね、女神様」


 わたしは笑顔でエシュリーの右手を、それにならったアリスが左手を握る。


「もー、迷子にならないようにちゃんと掴んでるんだぞ」


 三人で手を繋いでのお城探検が始まった。




 エシュリーに連れられるままにお城を歩き回るわたしたち。

 客室や兵の詰め所の位置などを簡単に説明され、謁見の間や会議室に書斎、様々な施設を回っていく。

 どの施設もアリスのお城にもあったものだが、なんというか全体の作りはこちらの方が華やかでキレイだ。

 むき出しの石壁ではなく白く塗られ、金色の燭台しょくだいに灯された炎が周囲を淡く照らす。

 絵画や調度品も適度に飾られ、すべての柱に掘られた彫刻も美しい。

 床に敷かれているカーペットもつなぎ目が少なく、滑らず適度な柔らかさがあり歩き心地もいい。


「うわー、悔しいけどうちのお城より素敵だわ」


 アリスが周囲の造形に目を奪われながら、そんな敗北宣言をもらす。


「うん、キレイだよねー」


「その分、維持管理は大変みたいだがな」


 エシュリーの言葉には納得。お掃除とか気を使ってしょうがないだろう。白だから汚れも目立ちやすいし。


「しかし、妙だな」


 エシュリーは今まで見学したところのどこかに不満があったのかな?


「妙?」


「うむ。今までバーゼルの連中が管理していたのだろう? その割に機械類が一切無い」


「おおー、確かに」


 バーゼルは超科学技術国家だ。

 こんな中世のお城のままでは、自国の軍勢とかの管理は難しかったことだろう。


「今まで見てないエリアにあるのかしら?」


 アリスがそう推測を言う。


「あとは――倉庫と地下かな?」


「倉庫とかには無さそうだよねー……よし、ならば地下を見てみようじゃあないか」




 地下へと続く階段。

 そこを下った先も、赤い絨毯じゅうたんと白い壁の作りで豪華なままだ。


「地下までキレイなんだ」


 明かりも灯っているので、そのまま進む。

 すると目の前に人影が見えてきた。ファルプス・ゲイルの兵士が二人立っている。


「お勤めご苦労様です」


 アリスの声かけに、兵士二人が敬礼してきた。


「これはこれはアリス姫様。このような所にお越しになるとは」


「この先には何かあるのですか?」


「何かあると言いますか、地下部分はまだ制圧未完了でして、今探索隊を派遣しているところなんですよ」


「なるほどー。わたしらも探索に参加していい?」


 わたしの言葉に、兵士たちが驚きの表情を浮かべる。


「いえいえ! このような任務に、モナカ様のお手をわずらわせるわけには参りません!」


「今わたしらは、バーゼルの痕跡を探しているところでな。上の階に無かったから、ここに無いか見てみたいのだ」


 エシュリーが慌てている兵士たちを、さらに大慌てにさせる。


「いえいえいえ! それならこちらで探しておきます! それに、エシュリー様たちへの許可はわたしたちでは出すことが出来ないので……」


「わたしがこの連合のトップなのだから、わたしがオーケーすれば問題無かろう」


「そ、それは……」


 兵士たちは判断しきれないのだろう。お互いに顔を見合わせているばかりだ。


「大丈夫ですよ。お二人がお叱りを受けないように、父から将軍へ話しをしてもらいますから」


 アリスの説得もあって、なんとか通してもらえた。




「この先って危険があるのかな?」


 誰にともなくつぶやいてみる。

 危険がありそうならアリスをかばわないと。今はアリスは神剣を持っていないのだ。

 わたしやエシュリーも持ってないけど、ドラゴンだって素手で勝てるくらいの強さがあるから問題は無い。


「行ってみないと分からんな」


 エシュリーは特に緊張した風もなく、普通に歩いている。


 少々入り組んだ地下部分。

 片っ端から部屋を見てみると、パソコンらしき機器がゴロゴロしていた。

 配線はまったくなく、スッキリ配置出来るタイプのだ。


「地下に集約されてたのね」


 物珍しそうにアリスが機器を持って言う。


「機器は置いてあるが、壁など壊されて無いようだな。バーゼルの連中、景観にも注意してくれていたようだな」


 エシュリーが深々と息を吐いた。

 機器の在りかとか気にしてたのは、昔自分が納めていた国の王城が破壊される目にあっていないかを心配していたのだろう。


「良かったね、壊されて無くて」


「うむ」


 エシュリーが笑顔を向けてくる。

 とっても愛らしいその笑顔に、こちらもほほの筋肉が緩んでくる気分だ。




 結局、残党もおらずなんの危険も無い探索は終わった。

 まあ、危険が無かったのは良いことだ。




 その夜は、よほど改修がうまくいったか笑顔のリンと合流し晩ご飯にした。

 兵士たちは大広間等に仮設された食堂で、わたしたちは自室で食べることに。

 軍の高官から一緒に食べないかとも誘われたが、威圧的なムキムキおっさんばかりの所で食いたくは無いので丁重にお断りした。

 晩ご飯は兵士たちと同じもので、デカい豚肉のソテーと彩野菜の炒め物とマッシュポテト、スープはエビのビスクでエビ肉がたくさん入っていた。

 パンやフルーツなんかもあり、ボリュームが凄い。

 アリスは食い切れなかったようで、リンにあれこれおすそ分けしていた。


 翌朝、改修済みスピーダーに乗り、港町へと飛び立った。

 そこさえ攻略できれば、残るは本国だけだ!

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