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人間から種族:超美少女へ転生し勝ち組人生目指す  作者: 里芋御膳
第六章 蒸気機関の国と竜の住む国ときどき妖精の国
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第八十八話 新装備

「できたよー!」


 工房から作品を持ってリンとキャロルさんが出てきた。


「お疲れさまー!」


 リンたちが席に付くと、ユーカリアさんが冷たいジュースを出してくれた。

 紫色の液体でほのかな甘みと酸味があって……うん、ぶどうジュースだなこれ。


「どんなものが出来たのだ?」


 エシュリーが身を乗り出してたずねる。


「あいにくエシュリーのは無いんだよ」


「なんとー!?」


 ちょっとショックだったのか、エシュリーが固まる。


「女神様はすでに神の羽衣とか強力な装備を持っているから、それ以上のものが作れなかったの。ゴメンね!」


 キャロルさんが可愛く手を合わせて、謝罪のポーズをとる。


「う、うむ、神の装備は最強だからな。それなら仕方ない」


 自分の持ち物が一番優れてると言われ、あっさりと納得するエシュリー。

 まあ神様だからデフォルトでいろんな能力が備わっているというのもあるかもね。


「まずはアリス姫へこれをあげましょう」


 キャロルさんが差し出したのは銀色に輝く一対の手袋だ。


「これは?」


 アリスがさっそく手にはめる。

 アリスが付けると気品高くまるでドレスの一部みたい。


「パワーグローブ。付けた人の腕力を大幅に増強する装備よ」


 見た目の上品さと機能がまるで合っていない……


「モナカ、腕相撲してみましょう!」


「えっ? うん、いいよー」


 まずは性能を試そう。

 エシュリーが握り合うわたしたちの拳の上に手をえる。


「よーし、いいか? レディー……ファイトッ!」


 あっさりとわたしが勝ってしまった。


「キャロルさーん」


 アリスが半泣きでキャロルさんに手を伸ばす。


「うーん、屈強な戦士に勝てるくらいの腕力になってるはずなんだけどねー?」


「あ、師匠。モナカはドラゴンや巨人よりもパワーあるから、ブーストしても負けちゃうんじゃないかな?」


 リンの指摘にキャロルさんが手を打つ。


「おおっ! なるほど」


「人を怪獣みたいに言わないでよー」


 わたしも乙女なのである。ちょっとは気遣って欲しい。

 その後アリスはその場にいる全員と腕相撲を試す。

 女神のエシュリーとゴーレムのユーカリアさんには負け、リンとキャロルさんには勝てていた。

 結果、人間レベルの範囲で十分強いという結論となった。


 なお、試しにわたしもユーカリアさんと勝負したら勝ててしまった。ゴーレムよりパワーがあると知りちょっとショック。


「さて、お次はモナカちゃん用の武器よ」


 キャロルさんが次に取り出したのは、ガラスの様な刀身の巨大な剣である。

 どれくらい巨大かって、刀身だけでわたしの身長を越えているのだ。


「あー、キャロルさん。これ、どーやって持ち歩くんですか?」


 重さ的には問題無い。

 だってわたしはゴーレムよりパワフルなんだし……いや自虐じぎゃくネタは止そう。

 ただ、自分の身長よりデカい物を持ち歩くのは邪魔でしょうがない。


「おや、最初にそこが気になるか」


 お次に取り出したのはやたら短い剣のさや


「これ中が異次元箱になってるから、これに差し込んどけば邪魔にならないでしょ?」


「おおっ! ありがとうございます!」


 試しに入れてみると、刀身は完全に収まってつかだけが出た状態になる。

 これなら取り回しも楽だ。


「っと、剣自体の説明もお願いします」


「よーし、説明しちゃうぞ!」


 心なしかパワーグローブの時よりも気合入っているな。


「まず刀身が透明だけど、つかを持ってる人には見えるの」


 試しに持ってみたら白銀の刀身がハッキリと見えた。


「魔法的にも隠ぺいしてるから、どんな相手でも避けにくくなってるわ」


「確かに、わたしの目でも見えにくい」


 女神エシュリーの魔力の目にも効果があるとは、中々のものである。


「そして刀身と柄の表面は魔力回路でつながっていて、切った相手の生命力や精神力を吸収する能力が備わっているの」


「なんか……闇属性っぽい能力ですね……」


 バンパイア的な力だろうか。


「さらにつかに内蔵されているシシュポスのエネルギーが刀身全体をおおってて、リンのステッキ並みの威力が出せるわよ!」


「おおっ! めっちゃ強そう!」


「名付けて、神殺しゴッドスレイヤー!」


「ええい待たぬか! なんて不吉な名前なんだ!」


 神は名前に不服な様である。


「エシュリーいいじゃん。ゴッドスレイヤーって最強武器っぽくて」


「恐ろしいな……」


 エシュリーが珍しく身震いしている。


「ほら、モナカちゃんってバーゼルと戦うことになるんでしょ? 向こうの主神と戦うための武器が必要かなって」


「う、うむ……まあ、そうなの、かな? ……」


 キャロルさんの説明でなんとか納得したようである。

 しかし、バーゼルと積極的に戦うのかー……面倒ごとだな。


「キャロルさん凄い武器をありがとう!」


「いえいえどういたしまして――あ、モナカちゃんにはもう一個……」


 取り出されたのは一着の外套がいとうだ。


「これは昔作ってあったやつなんだけど、ブレスとか魔法とかに耐性があるから。ドラゴン戦で使えるわよ」


「おおっ! これもありがとう!」


 攻防これで安心だ。


「モナカだけ二個もあってずるーい!」


「モナカちゃんとアリスちゃん用に鎧も作ってるんだけど、まだしばらくかかるから、出来たらそれをあげるね」


「うーん……まあ、いっかー。ありがとう、キャロルさん」


 鎧は竜の国ドラグナーとの戦いが終ってからってことだろう。


「そういえばリンはどんなものを作ったのだ?」


 エシュリーがリンに聞く。

 わたしもそれは興味津々(きょうみしんしん)だ。


「ふふふふっ……ジャーン!」


 リンが取り出したのは例の魔法少女ステッキ……だけど、赤紫色になっていて取り付けられている宝石も増えている。


「元々の杖の性能を大幅改良したのだ! 名付けてメイガス・ヘイブン(改)!」


「どう変わったの?」


「ふふふふふっ、それは今度の竜の国ドラグナー戦までのお楽しみ!」


 よっぽどそのステッキを気に入っているのか、病的な笑みを浮かべながらほおずりしている。

 ちょっと怖いわー。




 時同じくして飛行船の改造も完了した。

 連絡を受けたわたしたちはキャロルさんに別れを告げ、飛行船団の元へと【空間転移テレポート】で飛んでいった。


「ヘレナさーん! お疲れさまー!」


 ヘレナさんの姿が見えたので大きく手を振ってあいさつした。

 向こうも気付いてくれて小さく手を振り返してくれる。


「みなさん、離陸準備は整っておりますのでご乗船お願いします」


「帰りだが、わたしが巨大なゲートを作ろう。そこを通ればすぐに国元へ帰られるぞ」


「女神エシュリー、ありがとうございます。それではそのむね全艦に伝えます」


 後はヘレナさんに任せわたしたちは飛行船に乗り込む。

 ラウンジの窓際にある定位置でスタンバイする。


「見た感じは変化なかったよねー」


「飛行船?」


 聞き返すアリスにうなずく。


「見た目は変化ありませんが性能は格段に向上しております」


 突然部屋に響き渡る声にビックリして振り向くと、入り口にヘレナさんが立っていた。


「魔力の力場で船体がコーティングされており、ドラゴンの咆哮ほうこうなどの精神系の攻撃はその強さに関わらずすべて遮断しゃだんされます。また外装に耐火性能を加えブレス攻撃への耐性を持たせてあります。攻撃面に関しましても、ドラゴンは炎が全く効かないため貫通弾や雷撃弾などを用意しており、まさに対ドラゴン用戦闘艦として生まれ変わったわけです」


「わー……」


 ヘレナさんの解説に拍手を送っておく。


「ご清聴せいちょうありがとうございました」


 まあ、対ドラゴン用のすごい船になりましたということか。




「さあ、いくよー!」


 飛行船団が飛び上がり、エシュリーが呪文詠唱を始める。

 手にはリンの取り出したシシュポスの欠片を持っておりそれで魔法の効果を増幅させるらしい。


「【次元の扉ゲート】!」


 飛行船団の前方に数百メートルはあろうかという巨大な次元の扉が現れる。

 そこに次々と飛び込んでいく飛行船。

 蒸気機関の国スティレルに着いたらラグナたちの部隊と合流、それからいよいよ竜の国ドラグナーへ進軍だ!

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