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戦士の条件  作者: oga
8/24

レベル8

 俺が助けたメガネ。

本名は紺卓斗(こんたくと)というらしい。


「で、何でイジメられてたんだよ」


「……先にありがとうと言っておく。 あと、僕はイジメられていた訳じゃないんだ」


 いや、そういう風にしか見えなかったが……


「蟻の巣を嗅ぎつけたからだ」


「……はっ?」


「ググれカス、と言いたいとこだが、ググっても出てこないから僕が説明しよう」


 蟻とは、昆虫の蟻ではなく、コンタクトが3年かけて追っている学校内に存在する組織の名前らしい。

その組織は、裏でビジネスをしているとのことだが、その内容は聞き捨てならないものだった。


「いじめビジネス!?」


「そうさ。 蟻のリーダーは学校の経営者とつながっていて、上納金によって大学の推薦枠を手に入れている。 それをさっきみたいなガラの悪いのとか、成績が底辺でヤバいやつらに、働けば推薦枠をやるって言って操っているんだ」


 そして、そいつらに金持ちの生徒をいじめさせて、やめて欲しければ金を出せ、と脅すらしい。


「……推薦枠うんぬん言ってたけど、もしかして、俺の希望してる大学の枠も持ってるのか?」


「どうだろうね。 リストを見なければ分からない」


 これは確認しないといけない。

もし枠を牛耳られていたら、俺が大学に行けなくなる可能性が出てくる。


「リストを見るにはどうしたらいい?」


「そこが問題なんだ。 連中のねぐらにしている部屋を見つけたんだけど、マスターキーでも開かないんだ。 それで誰かが入るのを待ち伏せしてたら……」


 捕まったって訳か。


「……また明日落ち合おうぜ。 もしかしたら、方法があるかも知れない」


 あまり頼りたくなかったが、俺はじじいに相談してみることにした。






 河原にやってくると、じじいの家を探した。


「おい!」


 じじいは魚釣りをしていた。

ブルーシートの家に住んでいて、丸っきしホームレスだ。


「お、どうした。 異世界に行く気になったか?」


「ちげーよ。 あることに協力して欲しいんだ」


 俺が経緯を説明すると、じじいは方法ならある、と言った。


「鍵開け魔法がある。 しかも、お前の努力次第で使えるようになるぞ」


「マジか? 教えてくれ!」


 じじいは、魔法を使うには魔力とスペルが必要と言った。


「生まれつき魔力のないものがそれを得るには、魔物を食らうしかない。 つまり、ワシが魔物を呼び出して、お前が倒すのだ。 そしてスペルを唱えるには……」


 じじいはブルーシートからある物を取り出してきた。


「アイポッド?」


「この中に、スペルのスピードラーニングが入っておる。 これを毎日聞けば、スペルの正しい発音が身につく」


 じじいはアイポッドと付属の本を俺に渡してきた。


「てか、魔物なんて倒せねーよ」


「ならば、やめておくか?」


 ……鍵開け魔法があれば、蟻のリストを読める。

もしリストに希望する大学が無ければ、問題はない。

とにかく、確認だけはしておきたい。


「……やるぜ」






筆がのった

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