レベル7
全ての期末試験が終了した。
「ふぅーっ」
歴史、英語は惨敗だったものの、他の科目はいけたと思う。
これで中間テストの結果と合わせて成績が出ることになるが、評定平均が4.0あれば、俺は希望している大学に推薦で入ることができる。
「天草、飯行こうぜ」
俺は上機嫌で食堂に向かった。
ところが、その途中の廊下で、気になるものが目に入った。
「なんだあれ……」
一人の生徒を中心にして、何人かの生徒がそいつを取り囲んでいる。
真ん中にいるやつの特徴としてはメガネをかけていたため、俺は仮でメガネと名付けた。
「ツムツム、行こうぜ」
関わらない方が良い、と言われたが、俺は天草の背を押して先に飯を食ってるように促した。
あれはどっからどう見てもイジメだ。
「や、やめて下さい~」
「お前さぁ、特ダネ特ダネとかいって、俺らのことかぎまわってたよな?」
止めようとしたが、相手はガラの悪い生徒3人か……
このまま助けに入っても、2人まとめてやられるのがオチだ。
「何か武器を探さねーと……」
俺が何かないか? と慌てている内に、そいつらはメガネの襟を掴んで外に移動した。
人目につかない所に行ってボコるのだとしたら、行き先は想像がつく。
体育館の裏だ。
そして、その通り道には部室がある。
俺は連中が辿り着く前に、装備を調えて体育館の裏で待ち構えることにした。
剣道部の部室で面と竹刀を借りることに成功した。
たまたま鍵が開いててラッキーだった。
俺が面をかぶって、体育館裏の茂みに身を潜めていると、連中がやって来た。
「やっ、やめろ! 先生に言うぞ!」
「そんなもん、怖くねーんだよ!」
メガネの顔面に拳がめり込む。
そうやってボコされている隙に、俺はゆっくり忍び寄り、竹刀で思いっきり相手の頭を殴りつけた。
「がはっ」
ガラの悪いやつの一人は、泡を吹いて気絶した。
……やり過ぎか?
「何だてめぇ!」
場が乱れてる隙に、もう一人を倒す。
最後に残ったやつと1対1だが、竹刀を持ってる俺の方が有利だ。
だが、油断した。
「殺す……」
相手はバタフライナイフを取り出した。
さすがにマズい……
その時、ピロリーン、という情けない音がした。
メガネがスマホでバタフライナイフを持ってる所を撮ったのだ。
「あっ……」
相手が気をとられた瞬間、俺はメンをぶち込んだ。