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戦士の条件  作者: oga
3/24

レベル3

 しばらくじいさんの話を聞き流していると、警察官がやって来た。


「もめ事ですか? 事情を説明してください」


 俺がこのじいさんに無理矢理ファーストフードを奢らされそうになった、と言うと、警察官はあきれた顔になって注意した。


「はぁ…… いい大人が何してるんですか。 もし次……」


 言い切らない内に、警察官が目の前から消えた。


「……えっ!?」


「ワシは転移魔法が使える。 あの男を異世界に飛ばした」


 そう言って、今度は俺の方に向き直り、どこからか取り出した杖を向けた。


「お、脅しかよ……」


「もしこのままお前を異世界に送り込めば、丸腰の状態じゃ。 雑魚モンスターにすら適わず、死ぬ」


 やばい……

頼みの警察が消えてしまった。

俺はさり気なくカバンに手を突っ込み、何か武器になるものがないか探した。


「……やるっきゃない」


 俺はシャーペンを手にした。

それを握りしめ、隙を伺う。


「覚悟を決めろ! ワシと共に異世界に行くと言え!」


「ふざけんなっ!」


 俺はシャーペンを握った手を振り上げ、じいさんの頭に突き立てようとした。

ところが、手に持っていたシャーペンがいつの間にか消えている。

異世界に飛ばしたのか!

じいさんの早業に、俺はとうとう降参した。


「……参った。 異世界に行くって断言はできないけど、少しだけ付き合うよ」


 その言葉を聞いて、分かればいい、とじいさんはその場に倒れ込んだ。

どうやらMPを使い果たしたらしい。


「面倒くさ……」






 近くの病院で、じいさんは目を覚ました。

ベッドに横たわり、点滴を打っている。


「で、じいさん。 俺は何を訓練したらいいんだ?」


「……そこの杖を貸せ」


 ベッドの脇に置いてあった杖を渡す。

じいさんが杖を振りかざすと、ドシャリ、と剣が落ちてきた。


「えっ、本物?」


「当たり前だ」


 こんな物騒なものを病院の中で取り出すとは……


「家に持ち帰って素振りをするのだ」


「こんなもん持ち歩けないし…… 一旦しま……」


 言い切らない内に、じいさんは眠りについていた。


「このクソじじい……」 

 

 


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