レベル20
俺は事前にラインで協力者を募っていた。
本当は猫を連れて行きたかったが、異世界から呼び戻すことは出来なかった。
「都市部に魔物を倒しに行くって話、是非協力したい」
着信の相手は沖田だ。
「サンキュー、そしたら明日、学校で作戦を立てようぜ」
しばらくすると、今度は天草からラインが入った。
「受験勉強が忙しい…… って、お前も推薦組じゃねーかっ!」
天草には裏切られたが、無理矢理連れてかない方が正解だ。
なんせ、命の危険を伴う。
翌日の放課後、俺と沖田は教室で作戦会議を始めた。
「敵を殲滅させるには、まず拠点を立てるのが先決」
沖田が黒板に拠点、と書いて丸で囲った。
「拠点を中心に、周囲の敵を殲滅していける」
……なるほど。
それなら、地下に食品売り場があるデパートが良さそうだが、そこにアクセスするまでに魔物のひしめく通りを進まなければならない。
地下の路線を通れば、駅直通のデパートに行けるが……
「地下より、地上を車で突破した方がいい。 直通デパートじゃ、敵が入りたい放題だ」
俺の考えは見透かされていた。
「車って、お前免許あんの?」
「ないけど、何か問題でも?」
……そういや、こいつは学校でビジネスをやるような奴だった。
しかし、ここでそれを気にしていたら話が進まない。
「……了解。 都市部の外れに乗り捨てられた車があるだろうから、そいつを頂くか。 キーが無くても魔法でエンジンをかけられるはずだ」
鍵開け魔法を試してみるか。
この前使ってしまったが、まだ魔力は残っている。
「決行は冬休みに入ってからで大丈夫か?」
「……年末は戦って過ごすことになりそうだね」




