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レベル1
俺は片瀬頭。
年は17で、受験を控えた高校生だ。
あだ名はツムツム。
今日も学校から帰ってすぐ、塾に向かっていた。
「ダルいな……」
時刻は夕方だというのに、もう外は真っ暗で、俺は電車の窓から自分の顔を眺めていた。
「……なんかすげー老けた?」
窓には、50才くらいのじじいが写っている。
いくら塾がダルいからと言っても、こんなあからさまに顔に出るだろうか?
すると、俺の息で白くなった窓に、突然文字が書かれた。
反転して読みにくいが、こう書かれていた。
「ハジメマシテ」
……ちょっと仮眠とるか。
駅で降りてから、すぐには塾に向かわなかった。
遅刻になってしまうが、少し休んだ方がいい。
「疲れてるわ、俺」
マッ〇でスプライトを注文し、カウンター席に着いたら、イヤホンを耳にさす。
後15分休んだら塾に行こう。
そう思った時、イヤホンからノイズが聞こえてきた。