3話目~開始の合図は困惑とともに~
2話目からリアルで2か月くらいが過ぎました。これだと、先が思いやられる・・・
タイトル名の雰囲気がガラっと変わりましたが結構あると思うので気にしないでください。
相変わらず、文字数が少ないので、3000文字目指していきたいと思っております。
意識を取り戻すとそこは・・・
広場だった。
そして、いきなりたくさんの人たちが出てきた。そして、約30秒後、3万人弱が広場に出てきたころで・・・
どこからか声が響いてきた。
それはまるで、キャラクターメイキングの声ような、幼い子供のような、師範代のおじいちゃんの声のような、しかし、威厳のある声。
そして、その声の主が宣言する・・・
それをこの場にいる人たちは心待ちにしていた。それが、地獄への片道切符であることも知らずに。
---ようこそ。今宵はSSOへご参加いただき誠にありがとう。私どもの創作したこの世界に参加していただき、本当に嬉しく思う。ついてはここに、
---SSOの開催を宣言する。
一瞬の静寂の後、あたりで歓声が巻き起こる。それも当たり前だろう。俺自身がそうであるように、ここにいる者は皆SSOを何ヶ月も待ち続けたのだから。
---さて、これよりSSOのチュートリアルを開始する。まず、このゲームの最終目的はフィールドボスを全種倒すことになる。フィールドボスはフィールドごとに設置してある門の中に存在し、門の前には安全エリアがある。当たり前ではあるが、ボスは強く設定されてある。そこでプレイヤーは自分自身の強化に努めなければならない。
---強化の一例を紹介しよう。このゲームはレベル&スキル制になっている。つまり、自分自身のレベルとスキルのレベル2つでプレイヤーの能力を高めることができる。
---また、SSOでは生産もできるようになっている。生産では武器や防具を作れるのでそれで強化するのもいいだろう。
---話を戻そうか。フィールドは各街の東西南北それぞれに分かれており、フィールドモブの強さは南<西=東<北となっている。またボスの強さもモブに比例している。
---あぁ、種族とスキルについて話すのを忘れていたね。種族はそれぞれ初期ステータスが違う。ステータスは自身で振り分けられるようにしておいたので、種族にあったステータスにするのもいいし、自分の好きなように育てるのもいいだろう。まず、一般的な種族は≪人間≫≪獣人≫≪森人≫がいる。次にレアとして≪竜人≫や≪聖森人≫、≪暗森人≫などがいる。これが当たる確率は10倍くらいだろう。そして、最後にユニークがある。これは各種族1人しか当たらなくなっている。そして、これは10枠用意しておいた。どんな種族かは秘密にしておこう。
---スキルにも一般的に買うなどして習得できる≪ノーマル≫とクエストの報酬などで手に入る≪レア≫、そして、今から配布されるスキルが主になる≪ユニーク≫がある。スキルには【常時発動型】と【任意発動型】に分かれている。【アクティブ】はステータスにあるMPを消費することと、魔法なら発動前に詠唱、技なら発動後に残心があることに注意してほしい。これを省略することもできるが更にMPを消費する。
---種族、スキルともに珍しいものは扱いも困難になるものが多いが努力してほしい。しかし、レアではない種族でもステータスの変化が違うだけなので諦めずに頑張ってくれ。それと、ボーナスとして、1人につき10個まで≪ノーマル≫スキルを選べるようになっているので、是非役立ててほしい。
---ステータスやスキルなどはメニュー画面から見ることができる。メニュー画面は左手の人差し指、中指を立て、右から左へ空中でスライドする動作をすれば出てくる。
---さて、今からこのゲームをプレイするうえで、一番大切なことを発表したいと思う。
今まで黙って聞き続けていた参加者だがここで少しざわついた。それもそのはずである。ゲームに必要なことは殆ど聞き、ゲームを楽しもうと意気込んでいる者が大半だったからである。しかし、ざわつきもすぐに収まり、発表を一言も逃さずに聞こうと耳を澄ます。そして、同じようにソウも耳を傾けた。
---このSSO内での死は現実世界でのそれと直結する。
それを聞き耳を疑った。”ゲーム”で死んだら死ぬ?それではまるで”異世界”じゃないか。まず、あんな小さいサングラスみたいなものに人を殺すことなんてできるのか?そんな不安が頭をよぎる。そんな不安を体現するように、この場は一時の静寂の後に大喧騒に包まれた。しかし、それは威圧感を感じる声に遮られ消えていった。
---まず、先程言った通りこの世界では死ぬと元の世界でも死ぬ。ログアウト機能はない。そして、現実からの手出しはできない。いや、されない、と言うべきか。ここでは、現実の1秒間に1日だ。つまりここで1年過ごしても約6分だ。10年過ごしてやっと1時間だから大体は気が付かないだろう。もし、誰かが気が付いて外した場合は何も起きずにログアウトできる。そして、ここで死んだ場合その瞬間現実世界でも死が訪れる。ログアウトの条件は、ゲームのクリアだ。あぁ、安心してくれ。現実世界と死は直結しているが、痛覚は減らされている。言い忘れるところだった、メニューにヘルプがあるから分からないことはそれを見てくれ。
---それでは、可能性あふれる世界で、言葉どうり命を懸けて生き残り、ゲームクリア目指して頑張ってくれ。
そう言い残して、声の主の気配は消えていった。あたりが静まりかえり、そして、最初に誰かが泣き始める。その瞬間、あらゆる感情が崩壊し、大量の怒号が飛び交った。
うるせぇな。大の大人が叫んでんじゃねぇよ。てか、なんで俺はこんなに落ち着いているんだろう。あれか?周りがうるさいから逆に落ち着くってやつか?まぁ、取り敢えず楓と合流するか。そう思い立ち歩き出していった。
5分くらい歩き回ってみたがどこにいるんだろうな。それっぽいやつはたくさんいるんだけどな。
そう思いながら歩いていると、雰囲気の人を発見したため、歩き寄って話しかけた。
「君、かえで?」
そう話しかけられた相手は、一瞬放心したようにポカンと口を開いたが、すぐに納得したように手をポンと合わせて言った。
「うん、そうだよ。今はフウだけどね。君ははやて君だよね?」
「そうだが。ちなみに、俺のキャラネームはソウな。てか、こんな時に何笑ってんだ?頭でもおかしくなったか。」
「ううん。私はおかしくないよ。強いていえばソウのほうがおかしいね。」
ん?俺?何かついてるのか?そんなことを考えているとフウが覗き込んでくる。フウは全く変えてないけど、モデル体型で美人だな。幼馴染じゃなかったら、こんな顔が近づいてたらすぐにコロッといっちゃいそうだし。あれ?覗き込んでくる?
「フウ?身長が高くなってないか?」
「私は変わってないよ?」
フウは含みをもった笑顔を浮かべる。え?どういうことだ?フウの身長が変わってないのに、俺より高い?もしかして、俺がちいさいのか?
フウにそう聞くと、「正解。」とアッサリと答えられる。マジかよ。だから少し動きにくかったのか。と、これからのことに頭を抱えているとフウが口をひらいた。
「まぁ小さくなってるだけじゃないけどね。」
は?小さくなってるだけじゃない?俺の身体どうなってるんだよ・・・すると、少しだけ同情を含んだ表情をうかべてこう言い放った。
「ソウちゃん、今日から女の子の仲間入りだよ!。」
は?そんなはずないだろ。なんで俺が女になるんだよ。そんなことが無いと思いつつも胸に手を当て確認する。すると、存在しないはずの柔らかい感触が返ってくる。え?マジで女になったの?女顔のせいか?そうなのか?ていうか、なんで胸の感触がしっかりしてるんだよ。こんなとこどうでもいいだろ。しかし、フウは、ニヤニヤとした顔にシフトチェンジして、傷を負ったソウの心に追い打ちをかけてくる。
「身長は私より小さいから150少し超えてるくらいか。それで安定の童顔で、目測で私より大きい胸か。すごい可愛いよ。ペロペロしちゃいたいくらい。襲われないように気を付けてね?」
そう聞き、下を見てみる。分かりやすい説明ありがとうございます。すると、男たちの夢と希望が入った果実。あぁ、涙出てきた。なんで、女になったうえに、元から女のフウよりでかいんだよ。
ちなみに、フウの容姿は金髪のロングで目が薄い青になっていて、身長は160cmくらい。胸部には小ぶりとは言えない位の大きさの果実が実っている。現実とほぼ変わらないか。もうちょい背が高ければ本当にモデルとして生きていけると思う。