マネージャー来店
由美:マネージャー、近くにきてるからもうすぐ来るんだって。
真:あ、そうですか。
バイト:いらっしゃいませ、あ、そちらの部屋はスタッフオンリーとなっております。
マネージャー:今日はスタッフなの!
バイト:はい?
マネージャー:今回はお世話になります 店長、よろしくね、
店長:はいー。由美さんは奥にいらっしゃいます。
マネージャー:ありがとう。
SE ドア開け
マネージャー:由美ーどこー!
由美:ほらね、噂をすれば。
マネージャー:どこなのー、ってあなた!。
由美:そうなんですよ。
真:おはようございます。
マネージャー:もう昼よ、挨拶はこんにちはでしょう?学校で習わなかった?
真:業界の挨拶はいつもおはようございますってテレビで
由美:ども!マネージャー。
マネージャー:ふーん、元気みたいね。
由美:お疲れ様です。
真:わ、由美さんがしおらしくなってる。
マネージャー:なーに、なんか不評なんだって?
由美:ほら、前の撮影でキツイメイクで派手なレザー系のがあったじやないですか?
マネージャー:ああ、あれね!格好良かったわよ。よーく似合ってた。
由美:だってあれ、男を跪かせてって、やり過ぎたんじゃないですか?
マネージャー:ああ、あれ?某有名駅の駅前にドーン!って貼ってあるもんね。問い合わせ殺到で嬉しい悲鳴よ。
由美:あのイメージが強烈過ぎるんじゃないですか?私そこまで普段はやりませんよ。
真:強引な所はそのまんまですけどね。
マネージャー:まあね、受けが悪かったらと思って、一応、予備の衣装持ってきたのよ。着てみる?
由美:とりあえず、試すだけね。マネージャーのセンスって突き抜け過ぎてて常人では付いていけないから。
マネージャー:とりあえず、ここにひと並べしてみるから、選んでみてよ。 あなた、付き人?
真:はい、そうです。お世話係をさせていただいて、
マネージャー:その声、そうか、由美にチューしたのあなたね?
真:え、ああ、チューされた人なら私ですよ。
マネージャー:あなた、責任持ってこのカバンから衣装全部出して並べなさい。プロなら三分でできるわよね?
真:なんのプロのつもりですか?
マネージャー: 店長、良いわよね?
店長:どうぞどうぞ、煮るなり焼くなり好きに使ってくださいね。
バイト:僕も手伝いましょうか?
マネージャー:素人は引っ込んでいなさい!
真:いや、僕も素人ですけれども。
マネージャー:ほら、さっさとやりなさい!
真:いてっ!お尻蹴られたー!店長ー!
店長:さーて会場整理っと。君も、早く本の整理やって!新しいの今朝開けたでしょ
バイト:おお、そうでした。わかりました!よろこんで!
真:そんな、置いて行かないでー。
由美:本当に喜んでるな。
真:あーあ、なんでおれだけこんな目に。
マネージャー:さーて、鍵はあけたから、上から順に右か ら並ぶように。
真:はいはいー。あれ、これも衣装ですか?
マネージャー:そうよ、文句ある?
真:これ、ほとんど隠れないんじゃないですか?
マネージャー:何をかくさなきやならないのよ。うちのモデル達に隠さなきゃならないものなんてないわ!
真:そんな、めちゃくちゃな。
由美:あまり、逆らわない方が身の為よ。私もこんな調子で乗せられたんだから。
真:やり手なんですね。
マネージャー:つべこべ言わず、手動かしなさい!
真:はいー!これで最後っと。並べました。
マネージャー:2秒過ぎてる。後でペナルティーがあります。
真:まじですか!
マネージャー:さて、由美!これから好きなのを選びなさい。
真:ほぼ、レザーやアニマル系の肉食ですよね。
マネージャー:肉食のイメージが付いてるYUMIだからこそ、それにあった服を着せて、プロモーションしなきゃ意味がないでしょ?
真:モデルのイメージって大事ですよね。
由美:ふむふむ、面白い服いっぱいね、
マネージャー:これ、新作だからね、撮影のつもりで。
由美:これ、アキが着たらどうなるんだろうね。
真:やめて下さいよ、こんなキャラじゃないんですから。もっと森ガールみたいな不思議系が似合うんですよ。
マネージャー:不思議系?そんなものに興味ないわ。強烈なインパクトで他人の目を釘付けにする!これこそ、ファッション誌の醍醐味。
真:それが似合わない子も居るんですって。
マネージャー:何?誰?連れて来なさい。
真:今は無理です。
由美:これにしよう。これなら、今のメイクと合うかな。
マネージャー:ダメよ、これならば、こう!
真:どこからハサミを!
マネージャー:こうしてこうして!安全ピンとって!
真:これですか?
マネージャー:違う!馬鹿でかいやつ!
真:これ、安全ピンですか?
マネージャー:そう!それよ!早くかしてー!
真:はいはい。うわーさすがプロですね!かっこいい!
マネージャー:ここをまくって、少し動きが付くように歩いてね。
由美:今日は握手会よ。
マネージャー:誰がみてるかわからないし、いまは色々、口コミで広がるのがはやいのよー!
真:ですよねー。ほら、もうネットでは、なんか普通だった。って言われてますよ。
マネージャー:次は挽回するわよ!話題をかっさらってやりなさい!
由美:オッケー任せて!
真:乗せるの上手いなー。さすがプロ。しかも、モデルさん並みに整った顔立ちとスタイル。
マネージャー:どこみてるの?私に惚れるのはまだ早いわよ、坊や。
由美:早過ぎるわね。私で我慢しなさい。
マネージャー:お、その気になってるね!さあさあ!我が雑誌の看板娘!張り切って行ってこい!
由美:よし、いきましょうか。
真:あと、2分位休めますよ。
マネージャー:時が来るのを待っちゃダメよ!自分から前のめりに行くのよ!
由美:わっかりましたー!行ってまいります!真ちゃん!行くわよ!
おお、さっきより増えてるんじゃ無いですか?
ファンA:お、出てきたよー!
ファンB:うわー大胆ね。
ファンC:あれ、普通の人は似合わないわよね。
ファンD:私があれ着たらただの仮装よー。
マネージャー:勝手に写真撮らないでね。
ファンA:勝手じゃなければ良いんですか?
マネージャー:こっちもプロだからね、カメラマン容易してあります。
カメアシ:なんか呼ばれたんですが、ここですか?
真:誰かきてますよ!
マネージャー:お、来たわね、カメラ小僧崩れ!
カメアシ:なんて言い草ですか。
マネージャー:本当のことでしょう?
カメアシ:ま、そんなもんですけどね。
マネージャー:彼はカメラアシスタントなんだけど、一眼レフ持たせるとイマイチなのよね。 ただし、スマホや携帯で撮らせると一流よ。
真:そんなひとも居るんですね。
店長:写真撮りたい人は自分の機材準備してくださいね。
カメアシ:ちょっとこの照明の場所変えていいですか?そんで、この角度がこうなると、影か良い感じにね。
真:やっぱりプロだなー
マネージャー:さて、始めましょうか。
由美:マネージャー、この衣装で座るとなんかゴワゴワして気持ちわるいんですが。
マネージャー:それは困ったわね。そうだ、付き人、椅子になりなさい。
真:はい?今なんて言いました?
マネージャー:椅子になりなさいって言ったの。耳元で囁いて欲しいの?
真:いえ、椅子って、なにやるんですか?
マネージャー:はい、イヌの真似して、四つん這いね。
真:なんですかそれ!それに、重いでしょうよ!
由美:あら、失礼なこと言うわね。重いかどうかはわからないでしょ?
早く!もう始まったんだから、覚悟決めて!
うーんわかった、ボーナス出すからね。
真:本当ですか?
マネージャー:そうね、撮影に協力して貰えたのなら、それなりの謝礼はだすわ。これは遊びじゃなくてビジネスなのよ。
あなたもセットの一部として、人生を全うしなさい!
真:いつまでやらせる気なんだろう?えーい、わかりました!やらせていただきます。
由美:はーい、がんばってね、椅子さん。
真:顔出しはやめてくださいね。
マネージャー:じや、これでもつけといて。
真:蝶の仮面?
マネージャー:これ一個であなたの面が割れないのよ、ありがたいでしょう?
真:怪しい人全開だな。えーい、もうどうにでもなれー。