亜希来店、撮影までのひと時
亜紀:やっとお許しがでたわー 半分は強引に突破したと言えなくもないけど、これも真実を知るためよ。 真ちゃん、あなたはーいったいー!
新人バイト:いらっしゃいませー。あら、アキちゃん。今日、出勤? わかった、主任の代わりだね?
亜紀:え、主任来てないんですか?
新人バイト:それがさあ、もう、店長カンカンだよー。 たまたま忘れ物があって早く来たから良かったらしいけどさ。
じゃなかったら、まだ店、準備中だったかもね。
新人バイト: え、そうなの? ほら、店長、本並べてるよ。
亜紀:あ、本当だ。てんちょー
店長: アキちゃん、お父さんから事情は聞いたよ。大変だったね。それはそうと。 アキちゃーん、困るよー。旦那の躾、ちゃんとやっておくれよー。
亜紀:旦那ってまた、まだ結婚してるわけじゃないんですから。でも、まこと、んんー、主任は来てないんですか?
店長:本当は今日ね、彼に開店してもらってるはずだったのにね。なんか、朝っぱらに急に電話があってね。
なんでも急用ができたらしくて代わって下さいってね。 困るなー。主任としての自覚が、まだ足りないのかね。
亜紀: あれ?なんだろう?私にも今朝は連絡無かったのに。
店長:まあね、私も全てを聞かない主義なんでね、理由はまあなんでも良いけどさ。
亜紀:そうでした、これ聞きにきたんだ。そういえば、この前由美がきたんでしょ?
店長: ああ、あのモデルのね。YUMIってすごいよね。なんか自然体なのになんでも絵になっちゃう。そうだ、記念写真撮ったよ、見たい?
亜紀:ああ、それは後でもいいですか?
店長: なんだ、主任も君もモデルに興味ないのだねー。つまらないなー。私の宝ものなのにねー
亜紀: いえ、あの、彼女、私の友人ですから、あまり珍しく無いと言いますか。
新人バイト: え!そうなの!なるほどねー だから主任とあんなに親しかったんですね。
店長: うん、親しいなんてもんじゃ無かったみたいだけどね。
亜紀:え、やっぱりそうなの?そんで、どんな感じだった?
店長:イヤーなんか、仲がいいどころかねー
亜紀:恋人みたいだった?まさか、チューしてたとか?
新人バイト:へ、何それ?なんかあったの?
亜紀:みてないか。
店長:まあね、そんなこと、従業員がやったら事務所経由で本社からクレームきてるだろうからね。それはないでしょう。
亜紀: そうですか。まあ、由美が嘘つくわけ無いしね。たまたま見てないのかな。
新人バイト: まあ、ただ、主任はYUMIのお世話がかりだったからね。色々と大変だったみたいだけどね。
亜紀: え、どういうことですか?
新人バイト:いやー走り回ってたね。あれが欲しいこれが飲みたいとか。他にも、まあ、色々と。
亜紀: ちょっと、聞かせてもらえます?
店長:そうかい?ちょっとこれ並べるの手伝ってもらえると、早くお話に有りつけると思うよ。
亜紀: わかりましたよー
店長:あ、私服はまずいよ、エプロン位つけて。
亜紀:わっかりましたー!
<撮影場所までの会話>
真:なんとかお店の方は店長がやってくれるらしいから良いですけど、はあ、おれ何やってるんだ。
由美: ありがとねーんふふ♪
真:しかし、握手会といい、たいへんだなこの人と関わると。
由美: おお、この前はお疲れ様。色々と助かったよ、ありがとう。chu
真:またまた、これでごまかそうとしてる。
由美: あれ、これじゃ足りないの?
真:足りないとかそういうもんだいじゃないんですよ。だいたい、なんですかあの椅子の件。
由美:出来心よ。それに座り心地悪かったんだもの、あんなパイプ椅子。
真:いや、そうでなくても、人間椅子ってなんの罰ゲームですか?
由美:いいじゃないの、おかげで助かったわ。
真: いっときますけどね、僕はそんな趣味ないですからね。店長と本社の方に頭下げられてしょうがなくですからね。
由美: まさか、あんなわがまま聞いてくれると思わなかったわ。 冗談に決まってるのに。
真:あんな所で主役の立場の人が言ったら、冗談で済まなくなるものもあるんですよ。わかります?
由美: しかしまぁ、同じ役をあの店長がやったらと思うとぞっとするわ。クッション柔らかすぎーみたいな。
真:まあ、体型はともかく、そんな悪いひとじゃないんですよ、とても良い人ですよ。 だから、今僕がここに居るんですよ。
由美: まぁ、君でなかったら、冗談で済んでたんだけどね。
真:え、本当ですか。なんでまたー。
由美: あたりまえじゃないの。知らない人になんか言えるわけ無いじゃん!んふふー。
真: うわー図ったな!孔明の罠ってやつか!
由美:ぬはははー手のひらの上で存分にあがくのじゃぁ!
真:なんか、ノリいいですね。
由美:そう?なんかたのしいじゃない。こういうおふざけって。
真:でも孔明ってそんなに卑屈じゃないですよ。どっちかといえば、かなり知的なかんじです。
由美: む!し、しらないわよ!三国志読んだことないんだから。
真: それなら今度読みましょうね。
由美:あんなに長い小説なんか読まないわよ。そんな時間ないし。
真:いいえ、漫画が有りますよ。
由美:貸して。
真:はいはい、かしますよー
由美:やったー!そして、はいは一回。
真: 先輩かっていうの。
由美:先輩よーモデルの先輩。
真:僕はモデルじゃ無いですよ。
由美: じや、読者モデルね。
真:ファッション誌なんか読まないですよ。
由美:はいはーい、今日も人間椅子椅子よろしくねー。
真: やりませんよ、しかも、撮影スタッフ居るじゃないですか。
由美: 居たっていいじゃん?だめなの?
真:変な雑誌に載りますよ、人間椅子の女王様ってね。
由美:それはそれで良いんじゃない?
真:とりあえず、もう、この前の様な話は無しですからね。
そして話題の中心、この前のサイン会。大盛況の会場の裏ではこういうことが起こっていました。