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独りより二人。  作者: 城帽子
6/8

亜希来店、撮影までのひと時

亜紀:やっとお許しがでたわー 半分は強引に突破したと言えなくもないけど、これも真実を知るためよ。 真ちゃん、あなたはーいったいー!


新人バイト:いらっしゃいませー。あら、アキちゃん。今日、出勤? わかった、主任の代わりだね?


亜紀:え、主任来てないんですか?


新人バイト:それがさあ、もう、店長カンカンだよー。 たまたま忘れ物があって早く来たから良かったらしいけどさ。

じゃなかったら、まだ店、準備中だったかもね。


新人バイト: え、そうなの? ほら、店長、本並べてるよ。


亜紀:あ、本当だ。てんちょー


店長: アキちゃん、お父さんから事情は聞いたよ。大変だったね。それはそうと。 アキちゃーん、困るよー。旦那の躾、ちゃんとやっておくれよー。


亜紀:旦那ってまた、まだ結婚してるわけじゃないんですから。でも、まこと、んんー、主任は来てないんですか?


店長:本当は今日ね、彼に開店してもらってるはずだったのにね。なんか、朝っぱらに急に電話があってね。

なんでも急用ができたらしくて代わって下さいってね。 困るなー。主任としての自覚が、まだ足りないのかね。


亜紀: あれ?なんだろう?私にも今朝は連絡無かったのに。


店長:まあね、私も全てを聞かない主義なんでね、理由はまあなんでも良いけどさ。


亜紀:そうでした、これ聞きにきたんだ。そういえば、この前由美がきたんでしょ?


店長: ああ、あのモデルのね。YUMIってすごいよね。なんか自然体なのになんでも絵になっちゃう。そうだ、記念写真撮ったよ、見たい?


亜紀:ああ、それは後でもいいですか?


店長: なんだ、主任も君もモデルに興味ないのだねー。つまらないなー。私の宝ものなのにねー


亜紀: いえ、あの、彼女、私の友人ですから、あまり珍しく無いと言いますか。


新人バイト: え!そうなの!なるほどねー だから主任とあんなに親しかったんですね。


店長: うん、親しいなんてもんじゃ無かったみたいだけどね。


亜紀:え、やっぱりそうなの?そんで、どんな感じだった?


店長:イヤーなんか、仲がいいどころかねー


亜紀:恋人みたいだった?まさか、チューしてたとか?


新人バイト:へ、何それ?なんかあったの?


亜紀:みてないか。


店長:まあね、そんなこと、従業員がやったら事務所経由で本社からクレームきてるだろうからね。それはないでしょう。


亜紀: そうですか。まあ、由美が嘘つくわけ無いしね。たまたま見てないのかな。


新人バイト: まあ、ただ、主任はYUMIのお世話がかりだったからね。色々と大変だったみたいだけどね。


亜紀: え、どういうことですか?


新人バイト:いやー走り回ってたね。あれが欲しいこれが飲みたいとか。他にも、まあ、色々と。


亜紀: ちょっと、聞かせてもらえます?


店長:そうかい?ちょっとこれ並べるの手伝ってもらえると、早くお話に有りつけると思うよ。


亜紀: わかりましたよー


店長:あ、私服はまずいよ、エプロン位つけて。


亜紀:わっかりましたー!



<撮影場所までの会話>



真:なんとかお店の方は店長がやってくれるらしいから良いですけど、はあ、おれ何やってるんだ。


由美: ありがとねーんふふ♪


真:しかし、握手会といい、たいへんだなこの人と関わると。


由美: おお、この前はお疲れ様。色々と助かったよ、ありがとう。chu


真:またまた、これでごまかそうとしてる。


由美: あれ、これじゃ足りないの?


真:足りないとかそういうもんだいじゃないんですよ。だいたい、なんですかあの椅子の件。


由美:出来心よ。それに座り心地悪かったんだもの、あんなパイプ椅子。


真:いや、そうでなくても、人間椅子ってなんの罰ゲームですか?


由美:いいじゃないの、おかげで助かったわ。


真: いっときますけどね、僕はそんな趣味ないですからね。店長と本社の方に頭下げられてしょうがなくですからね。


由美: まさか、あんなわがまま聞いてくれると思わなかったわ。 冗談に決まってるのに。


真:あんな所で主役の立場の人が言ったら、冗談で済まなくなるものもあるんですよ。わかります?


由美: しかしまぁ、同じ役をあの店長がやったらと思うとぞっとするわ。クッション柔らかすぎーみたいな。


真:まあ、体型はともかく、そんな悪いひとじゃないんですよ、とても良い人ですよ。 だから、今僕がここに居るんですよ。


由美: まぁ、君でなかったら、冗談で済んでたんだけどね。


真:え、本当ですか。なんでまたー。


由美: あたりまえじゃないの。知らない人になんか言えるわけ無いじゃん!んふふー。


真: うわー図ったな!孔明の罠ってやつか!


由美:ぬはははー手のひらの上で存分にあがくのじゃぁ!


真:なんか、ノリいいですね。


由美:そう?なんかたのしいじゃない。こういうおふざけって。


真:でも孔明ってそんなに卑屈じゃないですよ。どっちかといえば、かなり知的なかんじです。


由美: む!し、しらないわよ!三国志読んだことないんだから。


真: それなら今度読みましょうね。


由美:あんなに長い小説なんか読まないわよ。そんな時間ないし。


真:いいえ、漫画が有りますよ。


由美:貸して。


真:はいはい、かしますよー


由美:やったー!そして、はいは一回。


真: 先輩かっていうの。


由美:先輩よーモデルの先輩。


真:僕はモデルじゃ無いですよ。


由美: じや、読者モデルね。


真:ファッション誌なんか読まないですよ。


由美:はいはーい、今日も人間椅子椅子よろしくねー。


真: やりませんよ、しかも、撮影スタッフ居るじゃないですか。


由美: 居たっていいじゃん?だめなの?


真:変な雑誌に載りますよ、人間椅子の女王様ってね。


由美:それはそれで良いんじゃない?


真:とりあえず、もう、この前の様な話は無しですからね。

そして話題の中心、この前のサイン会。大盛況の会場の裏ではこういうことが起こっていました。



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