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大好きな彼の背中  作者: 宵賀
6章:ひっくり返った卒業式
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第31話:友人からの告白

 3月5日。

 今日は仲の良い友達とマクドナルドでお茶をしていた。

 実穂はそこで笠也の事を話しているうちに、何故か話の方向が佐々木へといった。


「佐々木がさぁ~色々相談乗ってくれたんだよね」

「へぇ」


 ファンタグレープを鷲掴みにして、酔ってる人のように実穂は暴露をしまくる。

 炭酸とポテトの味が口の中でマッチし、それが胃の中、舌の上で元気よく踊る。


「……ってかさ、佐々木ってなんでそんな助けてくれるわけ?」

「さぁ、知らない」

「聞いてみてよー」


 わいわいと話が盛り上がり、実穂は友達に促されるまま、佐々木にメールを送ってみる。

 「なんで最近、相談をしたら助け舟ばっか出してくれるのか?」という問いに、佐々木は「分からない?」と、意地悪ぶってそ返信してきた。


「え、なんで…さっぱり分からんよ」


 ポテトをつまみ、ファンタを一口。

 友達と目を合わせ、そして笑う。


「好きなんじゃね?」

「まじか」

「え、聞いてみてよ、お願いさ~」


 好きかどうかって聞かれると、やはり気になる。

 友達のノリに流されて、実穂はサクサクっと、聞いてみる。

 が……。


「・・・…・・・」

「ん? どうした、実穂」


 メールの返信がとてもとてもやばかった。

 というのは……。


「見てよ、これ」


 友達に携帯を突き出す。

 携帯には『白状すると好きなんだよね』という、明らかにも告白文が。


 これをみて実穂も友達も一瞬固まったが、何故か大爆笑。

 何も面白いことはないのだが、きっと、マジ返事に合う反応がこれしかないのだと2人の脳内は判断したのだろう。


「おい、大丈夫かよ、これ」

「し、知らないよ。てか、うちが佐々木に言わせた雰囲気じゃん」


 携帯をチラチラみながら、返信を返すが……返信する言葉が見つからない。

 あちら様の顔が見たいようで見たくもない。


「どうすればいいの?」

「いや、あたしにきかないでよ!」

「マジで困ってるんですけどー!」


 やはり、笑ってしまう。

 佐々木には悪いのだが……。


「返事……が」


 机の上でバイブがなる。

 瞬時で携帯を開き、やはり実穂は固まる。


「笠也が好きなら手を引くって」

「ちやほやの法則使えよ」


――友達……!あんた、なに言ってるのよ!?


 心の中でそう突っ込みながらも、実穂はとりあえず返事…というか、なんというか。

 笠也となんて、もう吹っ切れたのと同じだ。

 メールも何も、今の関係を表す事なんてない。


 好きではない奴の事を追いかけても、自分が辛い思いをするだけであって……。

 でも、佐々木は自分の事を好いていてくれてるから、フるのは……。


「付き合ってみるよ」

「……はぃ?」


 ポテトを半分銜えていた友達が目を丸くして、「え?」と問いかける。


「好きでいてくれてるし、なんか。笠也とは吹っ切れちゃってるしさぁ」


 あっさり吹っ切れて、実穂はサササっと承諾のメールを送った。

 その日から、佐々木と実穂との交際が始まった。



 しかし、その乗り気な付き合いが、実穂を奈落の底に突き落とすただの序章でしかないのは誰も知ることはなかった。

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