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大好きな彼の背中  作者: 宵賀
6章:ひっくり返った卒業式
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第27話:合否 


 2月1日……合否発表。


 高校までの道のりが、実穂にはとても遠く感じた。

 2月にしては、何故か強い風が吹いている。

 おかげで、すっごく寒い。手袋とマフラーをしていたのだが……寒い。


 2月の寒さを感じながら着いた高校。

 高校は坂の上にあって、途中すれ違う同じ中学生は、喜んでいたりうつむいていたり……。

 分かってるよ。高校に行けば、自分に与えられる運命はひとつだけ。


 実穂は他とは違う緊張が、背筋を駆け抜け胸が高鳴った。

 結果はどうであれやはり、どうしようもない。

 今更変わることなんてない。


 受付に行って、自分の受験番号を言って少し大きめな封筒を受け取った。

 この中に、結果が書いてある……と、思い封筒を見た瞬間。

 合否の否の文字に心が反応し、心臓がさらに高鳴る。


「おッ………あ、あぁ。ビビッた」


 同じ学校の子は、もう袋の中身を確認している。

 実穂も、その子らを見て袋の中身をそっと取り出してみた。



 合格



 その字だけが実穂の瞳に映りこみ、心にあった無駄な緊張はほぐれていった。




 中学校に帰ると、担任の先生に「おめでとう」と言われたら、やっと受かったんだという実感が湧いた。

 しかし、クラスには実穂とは違う結果の子もいる。

 受験とは落ちることが当たり前だ……と、担任は言ってくれていたが実穂は空腹が限界を超えていたので何も考えられなかった。


 学校を出てから、少し歩いた所で佐々木の後姿が目に入った。

 少し丸い体系で、いかにもその後姿は何か食べ物をもってそう……だったので、走って追いつく。


「ね、ねぇ。なんか持ってない?」

「え?」


 いきなり走ってきた奴に、食べ物を持っているのかと聞かれた佐々木は、きょとんとした顔になる。

 学校帰りに食べ物を持っている奴なんているわけないだろと、軽くスルーされて、受験の話しになった。


 佐々木は笑顔で落ちてしまったと、言った。

 でも実穂は、そんな風にいる佐々木が良く分からない。


「あー受かってたらずっとゲームしてるつもりだったのにぃ」


 佐々木は自ら、自分をゲーマーと呼ぶ。

 でも、その実力は本物である。


「皐月山は受かったんだろーいいよなぁ」


 隣で僻み始め、実穂は何も反応が出来なくなる。

 受かって何が悪いのかどうか、これもこれで分からない。


 そんなこんなで佐々木と一緒に帰った、下校だった。



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