第26話:ザ・受験
本番までの日にちはすぐに過ぎ去ってゆく。
ゲーム・パソコン・自己表現活動と放課後を埋めていると、徐々にだが物事がいい方向に進んできている気が、実穂にはしていた。
前にあった三者面談では、母親が勝手すぎて何も話しにならなかった。
受験なんて自分独りだけで終らせてやる!と、思っていたのが、それが明日に実行される。
1月24日。
それが運命……というか、まぁ、実穂にとってはそんな日。
誰にも救いの手を借りずに――もちろん担任も頼らずに――独りで歩んできた。
苦しくはないが、今更後戻りは出来ない。
後悔をするには荷が重過ぎて、やはり何も出来ない。
明日が本番となった今、実穂が全力で頑張れる事は寝坊しないこと。ただそれだけ。
後は遅刻も。
寝坊に遅刻さえなければ、受かるものは受かり落ちるものは落ちるだろう。そう思った。
枯れた木の葉が風に吹かれて落ちていくのと同じで、たった簡単な事で地面に身がつくかどうかが決まる。
珍しくまともなことを考えながら実穂は早めの就寝準備をした。
朝起きてからめっちゃゲームして、午後にある受験頑張ろう。
そう思って冷たいベッドの中、目をつぶった。
――あ、寝坊してても大丈夫やん!
一瞬そんな考えが浮かんだが、何もなく実穂は寝た。
1月24日。ついにきた。
8時30分起床で、目覚めは最高。
実穂は早速、机の引き出しの中にあるゲームを取り出し電源を付ける。
朝っぱらから、ゲームをしていて大丈夫なのかと思う暇なんてない。
今は一瞬でも多く、受験という緊張から逃れたい。
いずれ向かい合うかもしれないけど、とりあえず今はゲームがしたいと、実穂は心で思いパジャマのままイヤホンを耳につける。
まずはリズムゲームで一日のリズムをとり、一気に緊張をほぐす。
そしてカセットを変えて、アクションゲームへ。
「実穂、アンタ今日本番だからね!?」
ドアのノック共に母親の声。
イヤホン越しに聞こえてくる声は、そう聞こえない。
「うん、わか…て………る……あぁぁぁあぁー!」
目と指を最大限に使っているため、口がうまく動かない。
というか、アクションゲームだから、少しの心の動きが大きなミスにつながり、ゲームオーバーを迎えた。
「うわあぁぁあぁ!」
今まで積み上げてきたものが全て崩れた気がした。
実穂は枕に頭をくっつけて、その悲しみを嘆く。
「あんた! 何してるの。朝ご飯食べなさい!」
実穂はしぶしぶゲームの電源を落とし、部屋を出た。
ドアの近くにいた母親にはおはようの言葉の代わりに、痛い拳骨を食らう始末……。
朝ご飯を食べて、再度ゲーム。
そして気づけば……11時30分。
「………やべぇ!」
試験は1時30分から。
昼食と着替え、交通時間をこみこみで考えれば、もしかしたら間に合わないかもしれない。
手荒くも、手に持っていたゲームをベッドへ投げ捨てて、素早く着替えをする。
それから家を出たのは、あれから少ししてからだった。
●今度は…ボカロの曲【思春期センセーション】と【告白センセーション】を聞きながら執筆してました。なぜボカロなのか知りませんがw
●受験ネタ案外少ないですね。遅刻ギリギリで会場についt((




