第12話:今年はコレで学校が終わり
残り一週間で、今年の登校が終ろうとしていた。
実穂は相変わらず授業は寝ているが、しかし、今日は起きていた。
それはなぜか…。
卒業文集に載せる文章を考えていたからである。
実穂は、小学校の卒業の際もクラスで最後まで残って書いていた。だから、中学の文集もそうなるだろうと思った。
3年間の思い出をみんな思い思いに書いている。
部活動や友達の事、家族などなど…なぜそんなに文章のネタが浮かぶのかと、ある意味尊敬してしまうほど、実穂の周りの人は文章を完成させていた。
できれば実穂だって、部活や友達といった面で書きたい。
けれど、何故か笠也の事が頭に入ってきてしまい、文書が止まってしまう……。
『ねぇー…文集に載せる文章って何かいたの?』
久々に木島にメールを送ってみる。
こうなればもう、文集なんてどうでもいいのよ!!っと、自棄になる気持ちで沢山だった。
机の上にある携帯が、メール受信音の音で静かだった部屋を響かせる。
『あ?もう、そんなん終ってるし』
『え、何書いたの?』
『部活や家族とか…………お前まだなの?』
『まだだけど(笑)』
『アホやろー!風李との思い出話書けよw』
『やめろ、ここで出したくはない』
『なら自分で頑張るんだねー』
『……はいよ、分かった。ありがとう』
はぁっと大きなため息をつき、実穂はベッドに身を投げ出した。
天井がやけに遠く感じるが、いつも通りだと実穂は思い込み、遠い天井を見つめながら、提出期限が迫った文集のネタを考える。
――何を書けばいいのよ。200字……だっけ?ムリに決まってるじゃない!!
ふざけてるわ、もうふざけすぎよーッ!!
枕にその怒りをぶつけ、「あぁー」っと嘆く。ついでに足もジタバタ動かしてみて、「私は機嫌が悪いのよ」オーラを出してみた。
部屋には実穂しかいないが……。
実穂の長い髪が綺麗になびく事もなく、崩れる。
「……本当に、何を書けばいいのよ」
木島からのアドバイスは当てにはならないが、言っている事はまぁ合っている……と思う。
実穂自身、笠也との思い出を文集に残したいと思ってた。
一つ一つの事を、笠也が丁寧に教えてくれた事をいつみても覚えておきたい、この想いを、留めたくわない。
と、実穂の心にあるひとつの考えが浮かんだ。
笠也と自分の思い出を、言葉の裏で書けばいい。そして、今までありがとうっと伝わらなくていいから書きたい。
この時ばかりは、実穂は自己満で済ましたかった。
誰かに縛られているからこそ、提出期限に縛られている今、自己満に物事を終らせれば、きっといいだろう。
自分だけが、本当に満足したい。
笠也との思い出を、こればかりは誰にも邪魔されないし、捨てられはしない。
実穂はたった今思いついた、単純なひらめきをメモし、そこから文章を作ってみた。
その作業は軽く30分以上続き、本書きをするまでには実穂の体力は尽きていた。
卒業文集の文章はなんとか提出期限に間に合い、実穂は中学最後の冬休みを迎えた。




