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大好きな彼の背中  作者: 宵賀
4章:急がしい12月
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第12話:今年はコレで学校が終わり

 残り一週間で、今年の登校が終ろうとしていた。

 実穂は相変わらず授業は寝ているが、しかし、今日は起きていた。


 それはなぜか…。

 卒業文集に載せる文章を考えていたからである。

 実穂は、小学校の卒業の際もクラスで最後まで残って書いていた。だから、中学の文集もそうなるだろうと思った。


 3年間の思い出をみんな思い思いに書いている。

 部活動や友達の事、家族などなど…なぜそんなに文章のネタが浮かぶのかと、ある意味尊敬してしまうほど、実穂の周りの人は文章を完成させていた。


 できれば実穂だって、部活や友達といった面で書きたい。

 けれど、何故か笠也の事が頭に入ってきてしまい、文書が止まってしまう……。



『ねぇー…文集に載せる文章って何かいたの?』


 久々に木島にメールを送ってみる。

 こうなればもう、文集なんてどうでもいいのよ!!っと、自棄になる気持ちで沢山だった。

 机の上にある携帯が、メール受信音の音で静かだった部屋を響かせる。


『あ?もう、そんなん終ってるし』

『え、何書いたの?』


『部活や家族とか…………お前まだなの?』

『まだだけど(笑)』


『アホやろー!風李との思い出話書けよw』

『やめろ、ここで出したくはない』


『なら自分で頑張るんだねー』

『……はいよ、分かった。ありがとう』


 はぁっと大きなため息をつき、実穂はベッドに身を投げ出した。

 天井がやけに遠く感じるが、いつも通りだと実穂は思い込み、遠い天井を見つめながら、提出期限が迫った文集のネタを考える。


――何を書けばいいのよ。200字……だっけ?ムリに決まってるじゃない!!

  ふざけてるわ、もうふざけすぎよーッ!!


 枕にその怒りをぶつけ、「あぁー」っと嘆く。ついでに足もジタバタ動かしてみて、「私は機嫌が悪いのよ」オーラを出してみた。

 部屋には実穂しかいないが……。

 実穂の長い髪が綺麗になびく事もなく、崩れる。


「……本当に、何を書けばいいのよ」


 木島からのアドバイスは当てにはならないが、言っている事はまぁ合っている……と思う。

 実穂自身、笠也との思い出を文集に残したいと思ってた。

 一つ一つの事を、笠也が丁寧に教えてくれた事をいつみても覚えておきたい、この想いを、留めたくわない。


 と、実穂の心にあるひとつの考えが浮かんだ。

 笠也と自分の思い出を、言葉の裏で書けばいい。そして、今までありがとうっと伝わらなくていいから書きたい。


 この時ばかりは、実穂は自己満で済ましたかった。

 誰かに縛られているからこそ、提出期限に縛られている今、自己満に物事を終らせれば、きっといいだろう。

 自分だけが、本当に満足したい。

 笠也との思い出を、こればかりは誰にも邪魔されないし、捨てられはしない。


 実穂はたった今思いついた、単純なひらめきをメモし、そこから文章を作ってみた。

 その作業は軽く30分以上続き、本書きをするまでには実穂の体力は尽きていた。


 卒業文集の文章はなんとか提出期限に間に合い、実穂は中学最後の冬休みを迎えた。


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