プロローグ
シリアス苦手orネタバレに近い伏線なんて嫌!って人はプロローグはすっ飛ばして第一話からお読みください。
昨日と同じ世界が今日もまた繰り返される。
けれどこの世界にもう君はいない。
世界は一人を喪っただけでこんなにもくすんでしまうものだろうか。
君がいない以外は何一つ変わらないはずなのに、何故か全く違うものなような気がする。
愛しているということが許されない人だった。
言ったら君は困っただろう。一人できっと苦しんだだろう。だから絶対に言えなかった。
それでも誰より愛していた。
想いは秘めて、一度だって言わないままだった。
言いたかった。どうしても伝えたかった。けれど伝えてはいけない相手だった。
このままだと隠し通せなくなりそうだった。
君が俺の思いを知る前に逝ってくれてよかったのかもしれない。
俺が君に触れないでいられるうちに。
君は最期まで優しいままで、綺麗なままで、俺が大好きな君のままだった。
それでも今でもどうしても、よかっただなんて思えないけれど。
パラレルワールドというものが本当にあるのなら
何処か他の世界に行けば、君にまた出会えるだろうか。
俺のことなんて何一つ覚えてくれていなくて構わないから
もう一度だけ君に逢いたい。
いきなりシリアスな感じで始まりましたが、(多分)きっと(おそらく)全体的にシリアスな感じは薄い(はずの)内容にしていこうと思っています。
全然書き溜めていないので更新は不定期になりますが、楽しんでいただけたら幸いです。