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心はいつもフリーダム〜いきなり登場した変人から得たものとは?〜

作者: りょう
掲載日:2026/07/11

ほとんど戯曲です。

戯曲→セリフだけの作品です。

僕のこの、サクソフォンに、アメージングしてみないか。

変な人が現れた。

身なりも奇怪である。

あの、今なんて?

サクソフォンだよ。僕のサクソフォンに、アメージング。

サクソフォンって何ですか?

あ、サックスのこと?

君は積極的だな。ふむ。ふむ。

あの、教えてくれないなら、消えて下さい。

おう!おうおう!

あのお。

困ったわね。どうしよう。町中じゃないし、変な気を起こされたら、あたし、やばい。なんとかして逃げなきゃ。

僕のサクソフォンに、アメージング!

男は股間に手をあてがって、叫んだ。

アメージング!アメージング!ぽうぽぽう!

ホントにヤバいわ。

さて、前置きはこのくらいにして、と。

え、前置き?

僕と一緒にヌムにいこう!

え、え?

何だ、いやなのかい?

いや、ヌムって、どこ?

おとぎの国だよ。知らないのかい?

どこ?え、どうやっていくの?

この、魔法の絨毯に乗っていくのさ。

どうだい?さあ、僕と一緒にヌムにいこう!

やっぱりこの人、あやしいわ。

let's goサクソフォン!違った、ヌム!

間違えないでよ。

本当は僕はサクソフォンの方が良い。しかし、世界が危機に直面している今、こんなことは言ってられない!

さあ、ヌムにいこう!

世界の危機!?何ですかそれ。

うむ。今、この世界は重大な危機に直面している。君は、僕のパートナーとなり、世界を救うんだ。

何であたし?

まあ、そこらへんは、いいじゃないか。

よくないわよ。何であたし?

おい!何で、あたし?

さあ行こう!

聞けよ!

お、やる気あるじゃないか。

気が付けば、カスミは戦闘服に着替えていた。

あれ!?

何この格好!?

やはり似合うな。わしが見込んだだけのことはある。

さあ、飛んで行こう!

飛べないけど。 

なあに、その戦闘服なら出来るさ。 

想像してごらん。

カスミの体が浮き出した。

きゃ! え、何よこれ。浮いてるわ。あたしどうしちゃったの!?

さあ行こう!

きっと悪い夢だわ。もう、行くっきゃないか。

カスミは、男のあとを飛びました。

20分くらい経ったでしょうか。カスミはだんだん不安になってきました。

あのお。まだ着かないんですか?

なんだ、君はせっかちだな。

ヌムはまだまだ、あと1時間は飛ばなきゃ着かないよ。

1時間!?

ヒマラヤにあるんだ。

ヒマラヤ!?

行ったことはないよね?

ないわよ!

名前訊いてなかったですよね。

僕の名前はタハールだ。

あっぷっぷーのよいよいよい!

なんですかそれ。

あれ、ウケないな。ちぇ。

あたし無事に帰れるのかしら。

そもそも、そのヌムっていうところに、何があるの?

それは秘密。

秘密のアッコちゃん。

はあ!?

ふざけないでよ。

まあ、いいだろう。

実は僕は、ヌムの出身なんだ。

え、そうなんだ。

うん。で、嫁を連れて帰る約束になっている。

嫁ねえ。

君だよ。

はあ? あたしまだ高校生だよ?

かわいい。ぽっ。

赤くなってんじゃねえよ。

僕らの恋路を邪魔する奴は許さねえ!

ヌムでは儀式がある。

アニミズムを知ってるかい?

神が山や川、全てに宿っている。

神の前で、僕らは婚約するんだ。

御神体は、ヌムにある1番高い山、クリスナンバリだよ。

神の山に誓いを立てるんだ。

登らなくても、丘の上から誓うだけでいいから、心配しないで。

お嫁さんを演じてくれれば、それでいいんだ。

どうせ君も一緒に僕らはまた旅立つから、誰も気付かないよ。

好きなときに、日本に帰るといい。

死んだとかなんとか言って、取り繕うからさ。

そのままお嫁さんってことはあるの?

え、ああ、あるかな。

かわいいし。ぽっ。

もうそれはいいって。

あたしって、拉致されたんだよね?

まあ、半ば合意のような気はあったんだけど。

もちろん、どこかの国がやったことは、あたしは許せないんだけどね。

え、合意ってどういう意味?

毎日に嫌気が差してたんだよね。

どっか遠くの、あたしのことを誰も知らないところへ飛んでいきたいってどこかで思ってたの。

そうだったのか。

だから安心して。全く嫌だった訳じゃないのよ。

心はいつもフリーダム。

ああ。

いい言葉だろう?

そうね。なかなかいいかも。


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