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オレの意識は、ついさっき生まれたばかりだ。
意識は、オレの肉体に向かい、身体の輪郭ををなぞる。
う~~~~ん。
中々かっこいい、それに、しぶい。
水中を進むのに最適な、流線型のスタイル。
最新モデルと言っていい、カッコよさだ。
なぜ、オレが水中を進んでいるのかは、実は、オレにもよくわかってはいない。
何らかの使命感のようなものがあり、何らかの目標に向かって、突き進んでいるようだ。
身体の周囲を覆っている、ネバネバした気持ちのいいジェル状物質が、オレを安心に守っている。
この安心感の塊のような物質は、オレの意識と呼応し合い、自在に形を変えて、水の中を、かなりのスピードで進んでいた。
水温や水質が、ドンドン変化していくのは意識できるが、ジェル状物質は、水温が上がっても、下がっても、オレの身体を一定温度に保つ働きをしているようだった。
オレは、一体、何に向かって、突き進んでいるのか。
一体、何のために…




