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危険人物と遭遇(1)

___2030年 日本 夏___


〔冷やし中華始めました!〕


「遊ちゃーん、冷やし中華一つ!」

『はいよー!』


黒髪に紫のメッシュの髪をした彼女、来由良遊は異常な速度で麺を茹でる。そして冷水で麺を冷やし、秘伝のタレ、ハム、卵等慣れた手つきで麺の上に載せ、皿に盛り付けていく。


『はい、出来上がり!』

「おぉー、美味そう!」


その時、ガラガラと店内の扉を開ける音が響いた


「ここがお前の実家か?何と言うか……普通だな。」

『普通でいいでしょ。と言うか何で家に来てるんだ。黒島紫暮。』

「遊びにきた」

『いや、帰れよ』


「黒島紫暮!?……う、嘘だろ。か、金はここに置いとくから。じゃ、じゃあ……!」


『客ビビらせる客って何だ……帰ってくれ。』


「まあそう言うな。今回の招待状だ。来てくれることを願っている。」

『何回来ても行くつもりないよ、弟来る前にさっさと出て行かんかい。』

「じゃあ弟さんに挨拶を……」

『せんでいいから。』

「しょうがない。では、また。」

『来るな来るな、客減るから。』


『いや本当に……こんな招待状毎回貰っても行くつもりないし、どうしよ……。あたし的には来由良亭さえあれば十分だからね。』


来由良遊、21歳、両親は2年前に事故で他界、3歳下の弟が1人いる。結局大学には行かずに親がやっていた来由良亭という店を継いでいる。黒島紫暮は黒島財閥の御曹司だ。表でも裏でも手を伸ばしている事業は大きい。黒島とは昔の知り合いだったが今でも友人関係が続いているのは解せない。昔も別にそんなに仲良くなかったが??と言いたい。

そんなことを思いながら青い便箋に蝶の印が付いた便箋をいじる。


「遊姉!」


そう行って店内に入ってきたのは弟の来由良陣だ。ん?高校から帰ってくるにしては少し早くないか?


『陣おかえり。どうした?授業サボりでもし……』

「すみません、お邪魔します。」

「えっと……」


……あの、弟が変な奴、というか危なそうな人連れてきたんだが??え、だって、コイツ拳銃持ってるぞ?ポケットの中に入ってんだろ。え、やばいだろ…何なんだ。


「遊姉!お願いがあるんだ。この人、藤田真城さんって言うんだけど、家がないらしくて、ここで一緒に暮らしてもいいかな?」

「お願いできないだろうか。」


そう言って藤田さんの手から陣見たいなのが出て私に向けられた。やめろやめろ、この状況ヤバそう。明らか洗脳系の何かでしょうが。えっと、こういう時無駄に抗ったら面倒臭いだろうしな……しょうがないか。お姉ちゃん、演技下手なのに。


『イイデスヨ、コチラへドウゾ。』


「うわ、すごい!こんなこと出来るんだね。」

「うむ、しかしこんな言葉がカタコトになるような術は持ち合わせてなかったはずだが。」


あー すみませんでしたね!?カタコトで!!演技とか本当下手なんですって……しかし、うちの弟何に巻き込まれてるんだ?


まあ、とりあえず様子見かな。


「藤田さん、組織に入りたいってお姉ちゃんに言っても許してくれないと思うんです。」

「大丈夫だ。私の術を使えば一般人であれば大体はどうにかできる。」

「本当ですか!良かった。」


……いや、弟よ。組織って何?何に入ろうとしてるのかな??学校は??


「でも、まさか僕にこんな力があるなんて。」

「死ぬような危機的状況にならないと力は発動しないからな。陣は運がいいということだ。【アルケミスト】に入ってくれるなら心強い。ただ一応秘匿的に政府に許可された組織ではあるため君の歳なら血縁者の許可が必要という訳だ。」

「そ、そうですよね。でも、遊姉に何かズルしてるみたいで。」

「ならば、陣の姉殿に組織アルケミストに来てもらうというのはどうだ?」

「遊姉は巻き込めません!」

「そうか……それはすまなかったな。」


アルケミスト……なんだそれ。何の話?というか陣!死にそうになったの!!??にしては怪我ないけど……いや、多分だけど常識的には考えられないことができるんだろう。あの藤田とかいう人物は。さてと、どーしよっかなぁ。


『藤田さん』

「!……術が切れたか。」

『アルケミストがどういうものかは分かりませんが、私、実際に見たものしか信じない人間なんです。アルケミストが組織というくらいだから拠点、あるんですよね?連れて行ってくれませんか??弟が心配なんです。』

「陣、お主の姉は何者だ?危険人物は早めに処理しておくに限るが。」

「え、いや……え……??ちょっと待ってください!」


藤田はポケットの中の拳銃に手をかける。あー、いや、どっちが危険人物だよ。貴方の方でしょ。そう思ったが口には出さない彼女は、変わりにこう口にする。


『さよなら』


「え……」


そう口にした瞬間、藤田は首を斬られていた。調理用の包丁でバッサリと。血が周りに飛び散る。

『あーもう、店汚したくないのに……。』

「ゆ、遊姉………」

『陣。陣は何も見てないね。』

「え、……」

『藤田なんて人物、元々いなかった……よね?』

「……そうだね。」


洗脳って言うのはこうやって使うんだよ。まあ、どっちかっていうとこれは恐怖での支配に近いんだけど。覚えときなー、って、もういないか。さてと、後片付けしないとな。


___動くな!


『!……、マジか』

「来由良遊。アルケミストの藤田真城を殺害した人物として拘束させてもらう。」




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