打上花火の夜空に
街が夕闇に溶け
絵本のような
シルエットに変わり
やがてあたりが
星空に包まれる頃
鳴り響く花火の音
海に反射する
色とりどりの光
空にたくさんの
花が咲き乱れ
光る頬にも映ってる
花火を見ると
笑顔になるのは
なぜだろう
空を埋め尽くす千輪
降り注ぐ飛遊星
まばゆい紅銀乱残光
真昼のように空を
明るく照らす光が
瞳の奥まで差し込んで
花火のように煌めいて
花火のように消えていく
そんなたくさんの
想いを抱えて
でもこの瞬間を
消えないように
心の空に灼きつけて
夢のような
ひとときが終わり
静けさをとり戻す
月明かりの砂浜
光の名残りを
瞳に宿しながら
花火の後には
星がやさしく佇む空
見果てぬその先へ
流れゆく天の川
その時すうっと
空にひとすじの
星が流れた
願い事をしないと
そう思ったとき
たった一つの
想いが胸を過ぎった
君とずっと
この空を眺めていたい
そう願った、
夏の日
みつめ合う瞳の奥で
花火が
もう一つ、
はじけた気がした