1話
初めて小説を書きました。拙いと思いますがアドバイス等頂けたら嬉しいです。
「さて、今日は何をしようかな」
窓のない簡素な石造りの部屋で目を覚ました僕は
今日することを考えながらダンジョンコアのあるコントロールルームへ向かう。
「おはようビッフィ」
「おはようございますエクセス様」
ダンジョンマスターになってからの同居人、黒髪ツインテールのロリっ娘ビッフィに声をかけダンジョンの様子を確認する。
「僕が寝ている間に何か変わったことはあったかい?」
「ゴブリンが数匹ほど侵入してきましたが朝になって出て行きました」
コンソールを出しながらビッフィが教えてくれる。
「じゃぁ今日は罠の整備と魔物の数を増やしていこうか」
僕はダンジョンを成長させながらダンジョンマスターになった日のことを思い出していた。
ー ー ー ー ー ー ー ー
この世界では14歳になると女神様から祝福され職業が与えられます。
そして今日は職業が与えられる祝福の儀がある日です。
女神様の祝福を受けるため、村を出て教会のあるエサンテの街にやって来ました。
「女神様からの祝福、緊張するな〜。どんな職業を頂けるんだろうか」
「剣士みたいに冒険者向きの職業なら村から出られて楽しそうだ」
今日まで村から出たことのない僕は、たまに訪れる行商人から聞く「街」に憧れている。
だから商人や冒険者のように色々な場所に行ける職業になりたいと思っているのだ。
「あそこが教会みたいだね」
僕と同じくらいの子ども達が列を作っていたので直ぐにわかった。
「ドキドキするな」
そう言いながら祝福を待つ列に加わった。
ー ー ー ー ー ー ー ー
「俺はシーフだったよ!罠の発見や鍵開けが得意な職業だから冒険者向きだな!」
「お前も冒険者向きの職業なら一緒に冒険者やろうな!」
先に祝福を終え戻ってきた子たちが職業を言い合いながら一喜一憂している。まだ祝福を受けていない僕は不安と期待を胸にみんなの声を聞いている。
(いったいどんな職業を頂けるんだろう…)
「次の方、女神像の前でお祈りを」
神父に呼ばれお祈りをすると、身体が暖かな光に包まれた。
身体を包んでいた光が消えると
「では、ステータスを確認してください。職業欄に書かれているのが、あなたの職業です。」
神父はそう言うが言葉を聞き終える前に、僕はそそくさとその場を後にした。僕の職業が特殊で、誰かに聞かれる前に離れたかったのだ。
「どうしたんだアイツ?あんなに急いで」
「変な職業でも貰ったんだじゃないか?w」
「音楽家とかか?平民が貰っても教養もない楽器もないで役に立たないからな」
周りが何か言っている声が聞こえるが相手をする余裕が今の僕にはない。これからの事を考えると気が気じゃない。早くこの場を離れて身の振り方を考えなければならない。
職業:ダンジョンマスター(錬金術師)
ダンジョンマスターはダンジョンを作り経営して行く特殊職です。
コア破壊又は奪われると自分も死んじゃうので気を付けて。
()の中はサブジョブです。サブジョブを活かして目指せ最強ダンジョン!
僕に与えられた職業は人に知られてはいけないものだ。
何故なら、高値で取引されるダンジョンコアを狙う人達に知られると、命を狙われてしまう危険な職業だった。