ワイウイ15について
化け物の背に乗って笑う、女性のように美しい青年、煌帝・インジュの登場から始まる今作。智の精霊・リャリスと煌帝・インジュの恋愛話です。
あれあれ?とっくに夫婦では?なんですけれども……拗れた上に、恋敵が!いや、浮気?
ということで、ゲスト主人公は煌帝・インジュお三方。ゲストヒロインは智の精霊・リャリスちゃんです。
お三方?なんですよねぇ。煌帝・インジュ!
ついに、多重人格!こんな男でいいんですかねぇ?リャリスちゃん。
今回の物語は、狭い世界での恋愛です。まあ、恋愛脳になると、世界は狭くなりますけどね~。
多重人格なんで、傍目には1対1にしか見えません。しかし、人格1人1人を個と見なし、股をかけると!
我ながら、慣れないことをしましたとも!
私、1対1が好物なモノで……この人が好きだけどこの人も好き~っていう感覚が、どうにもわからなくて……。
リャリスは淫乱な蛇!とか、体は1つ!とか、お父様は色欲魔!とか唱えながら書きましたとも!
煌帝・インジュに精霊と恋愛させる為には、避けて通れない問題なんですよね。
風の城にいて、精霊との恋愛は、期間限定にはなりにくいです。みんな一途ですからね~。
相手インジュですから、ギブアンドテイクでもよかったんですが、リャリスの魂がインジュを覚えていて、幼少期、出会ったインジュに一目惚れしてるので、行くしかないな!状態でした。
しかし、エンド君を隠したまま婚姻を継続って、かなり不自然なので、どうしようか、かなり悩みましたとも!
エンド君は、インジュのイマジナリーフレンドです。ので、二重人格と言われる存在とは違うんですねぇ。
明日使えない無駄知識では、一般的に二重人格って言われてるのは解離性同一性障害っていう病気です。乗っ取られる怖い方がこちら。
イマジナリーフレンドは、空想の友達です。簡単に言うと、ぬいぐるみに名前と自我があって、話しかけると話し返してくれると認識している状態です。ままごと遊びとは違い、本人には本当に声が聞こえています。そして、その自我には一貫性があります。空想でしかないので、乗っ取られません。無害です。
エンド君の荒々しいあの性格のルーツは、実は再生の精霊・ケルディアスです。さりげなく問題を抱える精霊に近づいては、ストレス解消させて回っているケルゥの立ち位置に、インジュは密かに憧れていたんですね。
体を乗っ取って出てくるなんてことはできないイマジナリーフレンドですが、インジュをサポートするためにエンドはその存在から逸脱していきます。ある条件下でのみ、体を支配できるとか、ありましたね。
イマジナリーフレンドでいたかったエンドですが、アジャラの目覚めでインジュが煌帝・インジュの力をすべて手に入れた為に、一人格に昇格してしまいます。
脱空想!ハロー多重人格!
インジュが鏡に映した自分に夢見た存在であるエンドが、リャリスを恋愛対象として好きになってしまうのは、インジュが作り出したため、根幹はインジュということで、仕方のないことなんですが、エンド君、大それたことをしていると気がついてしまい、この恋が終わることを願います。
リャリスは、インジュとエンドを好きな自分の気持ちを、なんとか正当化しようとしますが、できるはずもなく……。
インジュもインジュで、エンド君ならと思う一方で、自分だけの手で守りたいという独占欲もあり、揺れ動きます。
けれども、エンドとリャリスが通じてしまったのは、3年も体を留守にしたインジュのせいです。インジュがいなくならなければ、エンドはリャリスと出会うことはなかったんですからね。
では、我らが主人公・リティル様に仕事していただきましょう!
「おまえのルールで、全部愛してやればいいじゃねーか」非常識で自分ルールの塊のおまえなら、できるだろう?って無茶ぶりしていただきました!
もう、理解できないことをどんなに言い訳したって、インジュ1人を選ぶか、この恋が終わるかどっちかの結末しか導けなかったんですよ~!
しかし、インジュとリャリスをくっつけたい私。エンド君と気まずいままなのも嫌!
想いの強弱、認識の違いで手を打ちましたとも!
リャリスにとって、インジュは愛する人。
エンドは健全な恋人。
アジャラは甘やかしてくれる年上の男性(恋人未満)。
できませんが、体を許せるのはインジュだけ!ってことにしましたとも!
はあ、理屈じゃないのよ恋心!
ちなみに18禁設定ではありますが、インジュの不能解く方法があります。
リャリスが物理的に、インジュの――18禁ですので、ここでは明記できません!
今後解けるかどうかはわかりません。イチャイチャしてるんで、知らないうちに解けちゃうかもですけど……。
アジャラの名前。
落語・死神に出てくる呪文『アジャラカモクレンテケレッツのパー』からですね。
存在からしてギャグのような人なので、名前もふざけてます。
受精させる力の殺戮の衝動は死神。その設定だけあったので、グリム・リーパーとかデスとかタナトスとかアヌビスとか、おネェさまという設定だったし、ネフティスとかお名前候補あったんですけどねぇ。
まさかの落語になってしまいました!でも、気に入ってます。
旧時代の暴君は、オリュミスが黄昏の大剣に王家を滅ぼしてもらおうと覚悟した、元凶となった人物です。
本作、煌帝・インジュ大暴れなのであまり触れてませんが、蛇のイチジクに無体を働いたエロじじいという認識だけでいいです。所詮、風の城の敵じゃないですから!
インジュが初めての殺人を犯す、被害者1号になりましたねぇ。
ちなみに、エロじじいもとい旧時代の暴君を殺した代償は、すべてインジュが引き受けてます。
愛する人が心穏やかに暮らせるように、その願いだけで犯した罪です。初めから、アジャラにもエンド君にも、肩代わりさせる気はありませんでした。
インジュの、リャリスを守りたい気持ちの深さを、感じていただければと思います!