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必ず…… ①

 _______________東端 拠点


「その建物の中で『コーラ』という炭酸が入ったシュワシュワする飲み物を飲んだり『ポップコーン』というスカスカしたお菓子を食べたりしながら、皆で一緒に『映画』と言う物を観るんだ」


『ほほう!それは是非観てみたいものだ!』


 夕食を囲みながら、マテラとスザリオは俺の居た世界での知識を興味深そうに聞いてくれていた。


 目は無いのに外の状況が"目のある者"よりも良く見えているらしいスザリオは、俺の地球での話を興味津々に聞き入っていた。

 俺からすればごく当たりの知識でも、地球の文化を知らない者からすれば、それはとても"未知で不思議"な世界の知識なのだ。

 スザリオとは、とてもウマが合った。

 聞き上手で、俺の事を一番に考えてくれる。

 マテラとの二人っきりの時間も最高だが、スザリオが仲間になって三人で暮らす生活もまた、俺の最高の時間となっていた。

 たった三人。

 たったそれだけで、俺の心は辺鄙な滅亡異世界に居ながらも、最高に満たされていたのだ。

 二度と二人と離れたく無いと思っていた。

 例え故郷に帰る事が出来なくとも、この幸せな生活がずっと続くのなら、それも悪くないと思っていた。


『しかし、佑弥とマテラ、大丈夫か?凄い量の汗だ。何か身体に異変でもあるのではないか?』


「心配してくれてありがとう。だけど大丈夫だ。これは『カレー』と言う佑弥の世界の食べ物で、食べると身体中に、"火"がついたように熱くなる食べ物なんだ。スザリオも試してみるか?」


『いや、まだ私に"消化器官"は無いので不可能だ。しかし、口に火が付く食べ物か……それがお前達には美味しいというのか……私には全く理解出来んな……』


 すっかりカレーの魅力に取り憑かれてしまったマテラが、カレーに危険性が無い事をスザリオに説明している。

 スザリオは、辛い辛いと文句を言いながらも、黙々と食べ続けている俺達を不思議そうに見ていた。

 確かにカレーの魅力は、説明された所で理解出来るものでは無いだろう。

 その中毒性は、食べた人にしか分からないのだ。

 特製カレーの改良も日々進んでおり、もはや地球のカレーを越える日もそう遠く無いだろう。


「スザリオにも是非この"魅惑の味"を体験して欲しいものだ。勿体無い……」


『いや、遠慮させて頂こう。……人とは、本当に不思議な生き物だな……』


 知性が高過ぎて、常に偉そうな態度で語るスザリオだったが、年齢だけは子供と変わらない。

 全ての出来事は、彼にとっては初めての経験な事が多く、どんな事にでも興味を抱く。

 もし"味覚"が彼の興味の対象となったとしたら、近い内には"視覚"と同じように"味覚"まで感知する様になるだろう。

 そのぐらいスザリオは、常識を超えた速度で進化していたのだ。


「フハッ!フハッ!」


 マテラは相変わらず全身から滝のような汗を吹き出しながら、カレーを食べ続けていた。

 マテラの今日の服装は、ブラジリアンタイプと呼ばれる極小のビキニだ。

 マテラはその中でも、三角の面積が極端に少ない水着、通称『SBB(ス-パ-ブラジリアン)』が気にいったらしく、好んでよく着ているのだ。

 彼女が"SBB"を纏った日は、俺のテンションは最高潮に達し、異常な熱意で訓練に取り組む事か出来る。

 もしたしら、それを闘志と勘違いしたマテラなりの優しい心遣いだったのかも知れない。

 つまり、今日の俺も最高潮に興奮している。

 これ以上完璧に"SBB"を着こなした女性は、世界中探しても居ないだろう。

 俺は、カレーよりもそっちが食べたい。と疚しい妄想していた。

 たが、それが叶う日は残念ながら来そうに無い。

 それでも、俺にとっては"夢"の様な目の保養になっている。


『今日の戦闘服もまた凄いな。もはや裸ではないか…… 』


「なっ!」


 思わず声を荒らげてしまう。

 折角俺がいい気分で鑑賞していると言うのに、スザリオが触れてはならない話題にまで切り込んできた。


 余計な事を言いやがって……


 優秀な奴だが、元々はただの爬虫類だった男だ。

 空気を読む能力は進化しなかったようだ。


「そう、かな?良く似合っていると思うけど……」


「む。佑弥、ありがとう」


 気を取り直して白々しく平静を装う。

 勿論心の中では『これ以上余計な事を言うな!』と激しく叱咤していた。

 元大トカゲとはいえども、彼も一応は雄だった筈なのに、俺の気持ちは全く解ってくれてはいないようだ。

 だがそれも仕方ない。

 黒竜達には"服"という概念は無かった。

 つい最近まで、全裸でウロウロしてたタイプだ。

 今では見られる裸すら持っていない。

 裸を見られる羞恥心と言う感情など元々無いのだろう。

 そんなスザリオに、青少年の本能的な卑猥な"妄想"など分かる筈も無いだろうし、その中でも群を抜いた俺の"変態性"まで理解できる訳が無い。


「ヒィィ!しかし、今日のカレーもまた、凄まじい辛さだな!」


「そう、かい?俺には丁度良いぐらいだけど……」


 美しく滴る汗が、肌から流れ落ち、そしてSBBを湿らせていく。

 俺は相変わらず白々しく答えながら、汗で輝く美しい『半月(シタチチ)』をウットリと眺めていた。


『本当に大丈夫なのか?二人とも体内の温度が著しく上昇している。佑弥の脈動レベルも臨界点に近づいているぞ?』


「ありがとうスザリオ。けど、大丈夫だよ。今日は、良い物を準備しておいたからね……」


 これ以上余計な口出しをするな!っと思いながら、俺は携帯倉庫から、予め冷やしておいた『濡れタオル』を取り出して汗を拭った。

 発汗と緊張でベトベトに汗ばんだ皮膚が、清潔になってとても気持ちが良い。


 そもそも、俺の心臓が強く脈動していたのは、カレー辛さのせいでは無い。

 猛烈に興奮していのと、今から行う"作戦"の事を考え、極度に緊張しているからだ。


「ふぅ~」


 呼吸を整える。

 そして、俺は遂に覚悟を決めた。

 スザリオという多少の妨害はあるが、今こそついに、長年温めていた作戦を決行するのだ。


「マテラ、大丈夫かい?この冷やしタオルを使うとスッキリするよ?そうだ、僕が拭いてあげるよ」


「おお、気が効くな!ありがとう!是非頼む!」


 来た!

 俺は心の中で強くガッツポーズをした。

 俺の"変態性"を全く理解していない二人にとって、俺の行動は何の違和感も無い、ただの『親切心』に見えている筈だ。

 このまま、作戦を継続する。


 本当の勝負はここからなのだ……


「ああ……気持ちいい……冷たくて最高だな!」

『なるほど……冷却されたタオルとの"熱交換作用"でマテラの体温が下がっている。今のお前達に最適な方法だな……』


 スザリオの訳の分からない説明のお陰で、取り敢えず更に違和感が払拭されているようだ。

 良い流れになってきた。

 先程の大マイナスを取り返す程のスザリオの援護に、俺は感謝した。


「良かった。他に不快な所は無いかい?」


「はぁ。心まで洗われるようだ……佑弥、ありがとう」


 俺は白々しく、背中、腕、首筋、足と、マテラの全身をくまなく拭きあげていく。

 合法的にマテラの身体をベタベタと思う存分触りまくった。

 マテラの身体は柔らかく、肌はキメが整っていて本当に艶かしい。

 これだけ汗をかいてると言うのに、嫌な匂いなど全くしない。

 優しい素振りを見せながら、超至近距離で美しい肉体美を堪能する。

 これ以上無い程の"至福の時"だった……


「ふぅ~」


 再び息を整え、再度気合を注入する。

 今日の俺は、この程度で満足するつもりは無い。

 作戦を最終段階へと進める。

 お腹を拭いて、脇を拭いて、少しづつ、少しづつ、"真の目標"へと近づいて行ったのだ。

 柔らかな太腿などを拭いてる時は、思わず理性が吹っ飛びそうになったが、必死で耐えた。

 一重に訓練で鍛えた精神の賜物だった。


 狙うは、その豊かな半月! その一点のみ!


 最終目標は、半月に溜まった汗を拭う際、さりげなく自然に、胸を持ち上げて揉み触る事だったのだ。

 溜まった汗を拭くのに、『大き過ぎる胸が邪魔だった』みたいな自然な理由で、さりげなくこの巨大で魅力的な胸を揉み持ち上げるのだ。

 その際に、少しぐらいなら、揉んでしまっても不自然では無い筈だ。

 それであれば、"不自然感"は全く無く、あの魅惑の感触をこの手で確かめる事が出来る筈なのだ。


 はぁ。はぁ。よし……行くぞ……


 生唾を飲み込みながら、覚悟を決める。

 自然に、さりげなく、俺はその『機』を狙い続けた……"その時"は、確実に近付いている。

 そして、意を決して、遂に行動を起こそうとしたその時……


 マテラが突然、凄まじい形相で立ち上がった。

 その鋭い形相は、彼女が決して見せた事の無い、とても厳しいものだった。





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