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王の誕生

 多少反則気味ではあったが、ついに《魔法》を発動する事に成功した俺は、他にも色んな《魔法》に挑戦してみる事にした。

 ある程度の物理知識は地球で記録しているし、スメーラの魔法陣も完璧に覚えている。

 集めた"魔力"に色んなイメージを与え、次々と発動させる事に成功した。

 "魔力"操作のコツを掴んだ俺は『木火土金水光闇』の基本的な初期《魔法》は全て発動出来る事が解った。


 俺にとって問題だったのは、最初の魔力の集中だけで、後は比較的に簡単だった。

 "魔力"量の問題で今は不可能だが、それさえ満たせれば魔法陣を使って中級《魔法》も発動させる事が出来そうだった。

 のだが。。


「とりあえず、一通りの《魔法》は器用に使えるようだが、何ともまあ……」


「やっぱ。ダメか……」


 マテラが何とも言えない表情で俺を見ていた。

 全属性の《魔法》を発動出来るとは言うものの、結果として、やはり俺には《魔法》の"才能が無い"事がよく解ってしまったのだ。


 なぜなら、何とか裏技を使って魔力を運用する事には成功したものの、それを俺が《魔法》として使用した場合、恐ろしく威力が下がってしまうのだ。

 例えば、集めた"10"の魔力を使って《炎熱魔法》を使った場合、攻撃力は"10"にならなければおかしいのだが、俺の場合は"1"、よくて"2"程度の威力しか出せないのだ。


 これはマテラ曰く、魔力の"親和性"の問題だろうと言う事だ。

 元は同じ魔力とは言えども、空気の様に自分の中に貯蔵錬成し発生させた自前の魔力と、無理やり大気から集めた借り物の魔力では、自身との親和性が違ったとしても仕方ないと言う事か……

 とはいえ、俺に従来の方法を使う事はやはり不可能だ。

 効率が悪いとしても、この方法で頑張るしか無いのだ。

 救いが有るとするならば、覚えている"魔法陣"さえ使えば、現存する全ての《魔法》を発動出来る可能性が有ると言う事ぐらいか……


「でも、俺が《魔法》を使えるようになっただけでも充分だよ!」


 結論として、全ての魔法を最低効率でしか使えないが、代わりにそれ等を無限に使う事が出来る。

 俺は『究極の器用弩貧乏魔法使い』と言う訳だ。

 ほぼ全ての《魔法》を100%以上の最大効率以上で使用し、更にはその場に応じて新しい《魔法》すら即興で生成出来てしまうマテラに比べたら、二人の才能は正しく"月とスッポン"、"天と地"程の差があると言う事だ。

 それでも、元々魔力回路が無い俺が《魔法》が使えるようになっただけでも有難いのだ。


「《魔法》が使えるようになった事は嬉しいけど、やはり戦闘には向いてないっぽいね……」


「だが、それでも使えると使えないでは大きく違うぞ? それに佑弥には便利な『特技』もある」


「《魔法》も《重力干渉》ぐらい簡単に使えたら良いのになぁ……」


「佑弥…… 自分が何を言っているか、まだ全然分かって無いようだな……」


 多少効率が下がったとて、やはり《魔法》が便利なのは間違い無い。

 だが、やはり効率や速度を重視する戦闘用の《攻撃魔法》は余り役には立たなそうだった。


 逆に《重力干渉》の力は、非常に優秀な結果を出す事が出来た。

 《魔法》発動に必要な工程を全て省略可し、魔法陣すら使わずに頭に『思う』だけで、更には魔力すら使わずに発動する事が出来る。

 起こせる『干渉』は体重の操作だけなので、幅は少ないし、現時点ではマテラの様な強敵相手には殆ど効果が無いが、"魔力"を使わずに即発動出来る力の効率としてはマテラですら絶句する程の最高峰水準だったのだ。


「佑弥は、基本に囚われず『特技』を生かした方が良いのかも知れないな……」


 取り敢えず憧れの万能な『勇者』になる道は諦める事にして、本来持っていた《重力干渉》の力を伸ばす事になった。

 この力をもう少し実戦でも有効に使うようになれれば、きっと俺はもっと強くなる事が出来るのだ。


 何とかこの能力をもっと有効に使う方法を模索して、実戦でマテラのような強敵相手にでも『武器』として使える様になるのが今後の課題だ。




 •*¨*•.¸¸☆*・゜




 _______大陸 最南エリア。


 巨大な川。

 巨大な植物が隙間無く生い茂る超巨大密林。

 ここは、他のエリアに比べて高温多湿の熱帯地域であり、人間にとっては厳しい環境ではあるが、植物等にとっては最高の環境が保たれていた。

 その豊富で巨大な植物を糧に、ここには数多くの草食動物達が繁殖しており、それを狙う獣や怪物達もまた多数生息している。


 弱肉強食の厳しい生存競争はあるものの、豊富な"供給"を満たす事の出来るこの南エリアは、結果として"動植物達の楽園"となっていたのだ。

 

 その厳しい生存競走の中で"頂点"に君臨していた爬虫類型の怪物種が居る。

 大きな身体と牙を持つ、恐竜に似た姿を持つ化け物達だ。

 その戦闘力と獰猛さは、単体での戦闘において、他の怪物種を寄せ付けない強さを持っている。

 その他大勢の弱者にとって、その怪物種に見付かる事は"死"を意味するのだ。


『ギャッ……』


 しかしある日、一匹の恐竜に似た爬虫類型の怪物が、雲も無いのに突如天空から飛来した"雷"に打たれた。


 いくらその怪物が現ゼジャータ最強種とはいえ、数万ボルトにもなる"雷"の前では一溜りも無い。

 怪物の全身は真っ黒に焼け焦げ、一瞬で絶命し、その場で力尽きて倒れた。


 周りに居た弱者達はみな、厄介な"敵"が減ったと喜んだのだが……


『……』


 だが、その恐竜に似た怪物は、しばらくすると何事も無かったように立ち上がり、そのまま立ち去って行ったのだ。

 "雷"に打たれた怪物は、完全に死んでいた筈だったのだが……

 体皮の色は焼け焦げて真っ黒に染まったままであった……







怪物の容姿はティラノザウルスみたいな感じです。



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