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誰にも知られてはいけない…… ①

ど素人で批判等覚悟の上、一生懸命書いております。

そんなこの物語ですが、もし少しでも興味持って頂けるようでしたら、是非ともご登録応援よろしくお願いいたしますm(_ _)m


花枕



 

 俺がこの世界で受け容れられる可能性は、きっと永遠に無い。

 何も悪い事などしていないと言うのに、なぜ俺はこんなにも苦難の人生を歩まればならないのか……


「はぁ……」


 思わず溜め息が漏れた。

 今日もまた、なんの面白みも無い怠惰な一日が始まるのだ。

 

ここは一応東京ではあるが、24区からは少し離れたいわゆる普通の地域。

 ド田舎って程でも無いけど、都会と言うには程遠い。

そんな普通の町の通学路を、俺はトボトボと歩いていた。

 校門を抜け、教室へと向かう。

 周りは生徒達で溢れてかえっている。

 皆、俺とは違って楽しそうに笑っていた。

 一体何がそんなに楽しいと言うのか……

 能天気に笑ってやがる。めちゃくちゃにウザい。

 俺は、今日もまた、目立たない事だけを意識する、代わり映えの無い一日を送るだけだと言うのに……


(ドン!ドン!)


 同級生に肩を叩かれた衝撃で倒れそうになった。

 俺が余りにも虚弱で貧弱な体型の為、少しの衝撃でもフラフラとよろめいてしまうのだ。

 その事を面白がる同級生達にいつも"おもちゃ"にされていたのだ。


「おっす!イロリン!」

「おはよ!イロリン!」


「……おはよう」


 同級生と挨拶と交わす。

スケベそうな変なあだ名を呼ばれているが、虐められている訳では無い。

 滑稽なあだ名をつけられているのは、俺の変な本名のせいだ。

 こんな変な"苗字"に産まれてきた自分を恨んでしまう。


 むしろ、俺が度を超えたスケベなのは事実であるし、人間の女体に激しい興味を持っている事は俺の誇りですらあった。


 俺の名前は炉林佑弥(イロリバヤシユウヤ)

 炉林の『林』をリンと読んで、通称イロリン。


 イロリバヤシなんて、長くて聞いた事も無い変な苗字で呼ばれるのはもっと好きでは無かったので、仕方なく変なあだ名で妥協している高校一年生だ。


 見た目は人間と殆と変わらないのだが、人間のフリをしながら、正体がバレないようにひっそりと生活し続けている。


  俺がもし人間だったら、どんなに良かった事か……



 ☆*・゜



 教室……


「~だから~という訳だ。じゃあ、佑弥!この問2を答えてみろ」


 アデラ先生に当てられた。

 このアデラ先生は、取り敢えず見た目だけは"最高に美人"なのだが、とにかく五月蝿い。

 令和のこの時代に、今時こんな教師が居るのか!?と思う程の熱血教師だった。

 生徒達は全員"呼び捨て"だし、俺なんか何故か下の名前で呼び捨てにされている。

 少しでも逆らおうもんなら体罰なんか当たり前。

 運悪く先生の逆鱗に触れて"半殺し"にされた人間の数は後を絶たないのだ。


 だが、複数の外国語はペラペラ、指導しているスポーツ部の成績は鰻登り、不良達ですらアデラ先生にだけは絶対に逆らう事は出来ない、男子生徒のみならず女子生徒にまで強烈な"狂信者"までいる。と、めちゃくちゃ優秀な世界一の"最強先生"なので誰も逆らう事が出来ないのだ。

 美人だし、巨乳だし、さらにはどこかの外国の超資産家で"ご令嬢"でもあるらしい。

 この学校にも莫大な資金援助を施しているらしく、校長ですらアデラ先生のご機嫌を伺う程だ。

 なんでこんな凄い先生がウチの様な普通の学校にいるのか全く不思議である。


 まあ美人だし、大抵の事は気にならないのだが、何故か他の教師とは違って、俺にやたらとしつこく"絡んで"くるのだ。

 目立つのが嫌な俺にしてみれば、先生はまさに"天敵"だった。

 まあ、巨乳でもあるし、悪い人では無さそうなのだが……


「すみません。分かりません……」


「バカじゃねーの?ガリゾンビ」


 ガリゾンビ……

 ウザイ同級生Bが、嫌な方の変なあだ名で俺を嘲笑する。

 俺は産まれてこの方病気などした事も無い程の健康体だし、本来であれば、恐らく人間など比較にならない運動神経を持っている。

 だが、生来顔が青白く、尚且つ、一身上の都合で極度に痩せている為、こうやって堂々と身体的コンプレックスを弄ってくる奴もいるのだ。


「あんな簡単な問題も分かんねぇのかよ!ばーか!」


 同級生は俺が"問"に答えられなかった事をしつこく嘲笑わっている。


「……」


 だが、俺はこの程度でキレたりしない。

 こんな奴に逆上して反論して目立ってしまうほど、俺の"擬態"レベルは低く無いのだ。

 もし、この日本が"法治国家"で無ければこんな奴、めちゃくちゃにぶっ潰してやるのだが、警察に捕まって正体がバレるようなミスは犯さない。


 両親を悲しませるのも嫌だからな……


 それに、俺は答えられなかったのでは無い。

 答()()かっただけなのだ。


「おい"B"殴られたいのか?外見で人を馬鹿にするなと言っているだろう!罰として廊下で立っていろ!」

「ええぇ~~すいませ~ん!」


 Bが先生に殴られて今時廊下に立たされていた。

 高校生にもなってデカいたんこぶを作りながら、目に涙を一杯に貯めている。

 いい気味だ。

 まあでも、"半殺し"にされなかっただけマシだろう。

 生徒同士の虐めや暴力は、先生の前では『厳禁』なのだ。

 全くもって理不尽だが、一本スジが通っている事が皆に人気の秘密なのだろう。


「イロリン、小さい頃は頭良かったのにねぇ……」


「……」


 幼稚園からずっと同級生の舞異子が憐れむような目で俺を見ていた。


 くっ。面倒臭い。いっその事、全てのテストで満点でも取ってやろうか…… そうすればこいつらを全て見返す事が出来るのに……

 などと、そんな事は決して考えない。

 そんな事をしてテレビやマスコミに追いかけ回されたら一巻の終わりだ。


 実は、俺の知能は決して低くない。

 むしろ、人間に比べると遥かに良いと思う。

 だが、このガリガリの見た目と、更に異常に物覚えの良かった俺は、幼少時にとても目立ってしまったのだ。

 その目立ちっぷりや凄まじい物で、浮かれてしまった母親にあちこち連れ回されて大変だった思い出がある。


 目立つ事で、自分の正体が"バレる"危険性を恐れた俺は、それ以来ずっと、勉強が"普通レベル"のフリをずっと演じ続けているのだ。

 この問題は、普通の人間にしては少しだけ難しかったと判断した為、あえて"解らない"という選択をしただけに過ぎなかった。

 成績は、常に学年で真ん中ぐらいの普通のレベルを目指している。


 なのに、このガリガリな身体と妙な苗字の所為で、嫌でも目立ってしまう。

 この先の人生でまともな職につける訳が無い俺にとって、学校の成績などどうでも良かったのだ。


「じゃあ上條。"バカ"の代わりに答えろ」

「はい。ペラペラペラ……」


 上條さんが、"問"をスラスラと解いた。

 上條さんは学校のアイドルで、才色兼備の完璧な女性だった。

 上條凪(かみじょうなぎ)は校内どころか近隣の他学生や芸能関係者までもが、こぞって見に来る程の近所で有名な美少女なのだ。

 可愛いだけでは無い。

 まだまだ大人のアデラ先生には届かないものの、まるで外国人であるかのような抜群のプロポーションも誇っていた。

 胸なんかボヨ~ンと気持ちよさそうに弾んでいる。


 だが、何故か変態の俺は彼女に対して性的な興奮する事は無かった。

 十二分に可愛くて魅力的だと思うのだが、不思議だ。

 女体なら何でもOKだと思っていたド変態の俺にも、ちゃんと好みはあったらしい。


「ダサ……」


 その上條さんから軽蔑の眼差しを向けられる。


 まさか!俺の頭の中をテレパシーで感じ取ったとでも言うのだろうか?


 彼女とは喧嘩した事も無ければ、禄に話した事も無いにも拘わらず、上條さんは俺に異常な敵意を向けており、いつもこうやって罵られたり、理由も無く睨まれたりるのだ。


 まさかな……


 正体がバレているとも思えないし、他に全く心当たりも無いので、どうしようも無い事であった。

 腹が立たないと言えば嘘だが、俺は男だ。

 女の子、ましてやアイドルの上條さんには何をされても言い返すつもりも無い。

 むしろ、悪態とは言え、高嶺の花である彼女の意識が一瞬でも俺に向く事が嬉しかった。


 ♪キンコ-ンカンコ-ン♪


 授業の終わりを告げる鐘が鳴る。


 俺はこの世のオカルトや都市伝説などを研究する【不思議部】という倶楽部に入っている。

 在籍する部員達は、所謂オタクっぽい見た目の奴が多く、性格もかなりクセが強い。

 例外もいるが、基本的には『最下層カースト』に属する生徒達が在籍している為、地味で干渉される事を嫌う俺にとっては、最高に居心地が良かったのだ。


 この倶楽部は一般高校生が好んでいくような倶楽部では無かったが、俺は『ある事』を調べる為に、毎日部室で研究を重ねていた。


『ある事』とは自身ですら解らないこの体質の謎と、生まれつき備わっていた不思議な【能力】について調べる事だったのだが、勿論部員達にもこの事は秘密だった。

 この事は、親にも言えない最重要秘密だったのだ。


(妖怪や幽霊の類がいるのだから、世界の何処かには俺の仲間も必ずいる筈だ……)


 俺は一体何なのだ?

 妖怪、では無さそうだけど、人間では無い事は間違い無い。

 必ず世界の何処かには、自分と同じ体質や力を持っている仲間が居ると信じ、ひたすらに世界中の文献を漁り続けていた。

 だが、どれだけ探しても似たような体質の持ち主や、不思議な体験談の話は見つからなかった。

 俺は、この世界でたった一人の変異種なのだろうか……


 だが、他にやる事も無かったので、毎日の日課として、諦めずにネットや部室にある膨大な資料等を調べ続けているのだ。


 ♪キンコンカンコン♪


 倶楽部活動の終わりの鐘がなる。


「さて、帰るか…… お疲れ様」


 みな自分の研究課題を切り上げて、さっさと身支度を始めている。

 研究内容が絡む事でも無ければ、部員同士が会話する事も殆と無い。


「「お疲れさま!」」


 あっさりとした挨拶をすませ、身支度を整えた俺は校内を出口に向かって歩いてゆく。


 その時、遠くから叫び声が聞こえた。


「危ない!避けろぉ~!」


 グシャ!


 突然、俺の後頭部に何か硬質な物がめり込んだ。



 





 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 読んで頂きまして誠にありがとうございました。

 まだまだ未熟で至らない部分等多いと思いますが、是非応援して頂けますと幸いです。


 未熟な自分の気付いていない部分のご指摘、改善点等頂けましたら、改善し成長の糧になりますので宜しくお願いいたします

 m(_ _)m

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