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6 イースリーフ

 小屋出たクーは森の植物をひょいひょい拾って魔法に仕舞いながらいくつかを食べる。

 モグモグ、ピリピリする草だ、美味しい。

 赤いキノコや緑のキノコも拾っていく。

 キノコは調子悪くなるのが多いけど旨いから食べる。


 木の上にミカンが出来ている。登っておやつに持っていこう。


 木から下を見るとタヌキっぽい背中が見えた。

 仲間だ~、あれ?何で逃げるの。

 此方に気付いた途端に逃げるタヌキに困惑するクー。


 そっか人間の姿のままだったよ。

 元の姿になって追いかける。


 見つけた彼女はこの付近に最近逃げてきたらしい。

 目が赤い奴らが西で増えてるから怖いと震えている。熊は怖かったね、頑張れば倒せるのかな?


 魔法から取り出した食事を一緒に食べた。

 硬いパンとミカンは食べたけど他は食べ物じゃないんだって。うん、好き嫌いは誰にでもあるよね。


 彼女によるとヒール草が近くに沢山生えていると言うので魔法でたっぷり取っておいた。これで好きな時に食べれる。


 彼女の巣穴でゴロゴロしてたら夜が明けてきたので小屋に戻らないと。元気でね!しっぽをふりふりして去っていく。



 途中の湧き水で喉を潤す、ついでに魔法に水を仕舞ってみる。

 うわー、漏れてこないね。自分の魔法ながらふっしぎー。




 ――――



 小屋に入ると3人が起きていた。

「きゅーん」

 挨拶は大事だね。

 カナリアに首を摘ままれて、3人の真ん中に降ろされる。なんなの?食べ物欲しいの?


 ミカンとピリピリ草とキノコを出して差し出す。

「本当に取り出せるのね、リーシャも知らなかったこと?」

 ため息ついて聞いてくるカナリアに頷いて答える。別に言うほどのこととは思ってなかったのだ。

 自分用のキノコを食べる。

「あ!それ毒キノコじゃない!吐き出しなさい!」

「ミカン以外全部毒持ちですよお嬢様……」

 他のキノコも食べる。美味しい。

「何で生きていられるのよ!はぁ、もういいわ。さっさと長老に渡しましょ!」しっぽ捕まれてぶーらぶら。残りの食事も仕舞っておく。



 森を満喫したし寝よう、お休みー。あくびしてしっぽを結ばれるに任せる。

「なんというか、お嬢様が呆れる存在がいるとは思いませんでしたな」

「ええ、クーの余裕は何処からきているのでしょうか」

 魔法のお陰で食べ物は困らないですから。えへん。



 ▽▽▽



 エルフの町、イースリーフに寝ている間に着いた。木と一体化している家で3階建てとかが普通にある。

 町の真ん中には大きな木があって、タヌキの勘が囁いている。あれは食べれないと。


 カナリアとヨードは大きなお屋敷に入っていった。

 自分は屋敷の近くのナルバの家に泊めてもらうことになった。

 町中は人化しておかないと鍋になってしまうらしい。何でも食べるね君たち。


「ただいま」

 ナルバがドアを開けて入ると奥から女性と抱いている赤ちゃんがやって来た。

「お帰りなさい、あなた。あら?その子は?」

「クーです、よろしく」ミカンをあげる。

「治癒の魔女に拾われた子なんだが、魔法が使えるタヌキでね、長老様に明日見てもらうので今日泊めることになったんだ」

 一度タヌキに戻ってあげると彼女は驚いている。

「座って話そうか」

「……えぇ、そうね」


 ナルバのテーブル向かいが彼女、ナルバの横に人化して座る。

「まずは紹介しよう。妻のチヨと赤ん坊がアカリだ。で、さっきも言った通りタヌキのクーだ。」

「好物はヒール草!変化と収納と治癒、使える!」アピールは大事。

 ナルバとチヨも固まった。

「治癒使えるの?」あれ?言ってなかったっけ?

「うん、リーシャ治癒、使った後」


「……晩御飯にしましょうか」

「……あぁ、そうだな、そうしよう」

 チヨは台所に、ナルバはアカリを高い高いしている。

「ナルバ、熊どうやって倒した?」

「弓で足止めして、剣で倒したが……それがどうかしたか?」

「弓、剣使えばクーも倒せる?」

「練習が必要だな、魔法と一緒さ」

 ナルバが答えたがクーの視線はチヨが運ぶ料理に釘付けだ。

 苦笑いでアカリをベビーベッドに寝かして席につく。

「世界樹に感謝を」

 美味しそうにパンをシチューに浸して食べるクーを横目に久しぶりの妻の料理を食べて安堵するナルバだった。



 ▽▽▽



 部屋の隅で丸まって寝てたらしっぽを掴まれて起きた。

 アカリがぽふぽふ叩くのでしっぽでわさわさ相手してあげる。

 ハイテンションで遊んでいたら急に眠り出す。自分ももう少し寝よう。

 二人が寝てるのをチヨは微笑ましく見た後、朝食の準備を始める。


 ナルバが朝の鍛練から戻ってきて起こされた。朝食は麦粥とサラダ、食べたら長老の所に行くんだって。


 町の真ん中、世界樹の子供に長老はいる。子供でもデカイ、そして精霊の数が多い。


 カナリアとヨード、ナルバと自分で大きな木のうろに入っていく。

 中央の祭壇みたいな奥に3人いる。


 枯れ木みたいな真ん中のエルフが話し出した。

「よう来たのぅ。その獣人みたいなのが例の子かい?」

「はい、治癒の魔女が助けた不思議なタヌキです」

「ふむ、早速世界樹様に聞いてみようかのぅ」

 枯れ木エルフが魔力を出すと世界樹と共鳴して自分に降り注ぐ。



 しっぽが前にきてちょっと逃げたい……




のじゃ枯れ木

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