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モウヤメルンダッ

俺が〚テイマー〛を取った後、ネリネは〚狩人〛、ローズは当然〚魔法使い〛を取得した。

ちなみにスキルと称号の開示は戦他亜のNPCと本人しか見えていない。

というわけで俺は後からその二人に教えて貰ったのである。


〚魔法使い〛と〚●級魔法〛の違いは



〚魔法使い〛

魔法の言葉でたーのしー

魔法の威力、範囲上昇

魔法へ作用するスキルの習得


〚超級魔法〛

え?これ取れたの?マジ?

超級魔法の習得


このように、魔法使い単体では基本的に魔法自体は覚えずに〚●級魔法〛で習得する、ということだ。



余談だが、特定条件を満たした30歳以上の男性は就職無しで〚魔法使い〛を貰えるらしい。

…称号〚賢者(笑)〛が付くが。


ネリネの〚狩人〛はネリネが主に弓を使うので選んだらしい。


〚狩人〛

射線に入るなって…私言わなかったっけ?

弓、短刀、罠の効果上昇

及びスキルの習得


〚狩人〛はゲームの時の2番人気初級職だ。

足が速くて攻撃も高くて、罠ハメ弓ハメもできる。その上万能なスキルを多く習得できるというね。


ちなみに一番は〚魔法使い〛。

…ログインした時点で持っていた人が沢山いたんですよ、ええ。

その上火力が最高クラスなものだから仕方ないね。


その点〚テイマー〛はあまり人気ではない。

確かに動物をもふもふしたり農業に使ったりと戦闘以外では優秀なのだが、なにぶん面倒くさい。


まずテイムが運ゲ

圧倒的なレベルかHPぎりぎり、もしくは好感度が高いと成功しやすいが、普通にやっても無理である。


俺は某怪物をボールに入れるゲームで「プレミア縛り」をしていたので特に苦しくなかったが、普通の人には辛いらしい。

だって最初の敵のスライムLv1のテイム率がHP最大で5%、1で10%だぜ?

俺には高く見えるが、戦闘で肉壁にしかならないスライムを入手するのにこれでは仕方ないのかもしれない。


 ……

   ………


さて、やっと戦他亜の仲間になれたわけだが、普通のプレイヤーはここで神殿へ行く。

理由は、ここまで来たら流石にキャラロスは避けたいからだ。


前に説明したと思うが、神殿or教会で祈ることでこのゲームではそのキャラが保存される。

次に死んだときにその場所から始められるのだが、もし1度も祈らなかったらどうなるか。

答えはキャラロスである。


理不尽かもしれないが、普通なら最初の街…つまりここ【キキョウ】の神殿に行くので問題なし。


俺とローズは最初がこの街では無かったので、もし一度でも死んでいたらキャラロスしていたということだ。


「やっと冒険者登録出来たし、少し適当に歩こうぜ」

「...どこ...いく...?」

「行く場所はアルさんにお任せしますわ」

「じゃあ、まずはあの場所に行くか」

「...?」

「ああ、あの場所ですか…」



だが、俺達は神殿とは反対方向に進んだ。


向かうはこの街を治める者の住む城


…の裏側である。


 ……

   ………


そこは路地裏ではあるが、異常なほどに明るく、綺麗だった。

ゴミ一つ無く孤児も存在しない、というか普通の道と何ら変わりなかった。



だが、先ほどから複数の視線がこちらに刺さっている。

しかし何故かネリネとローズには向いていない。


ある程度進んだところで、それは真正面から現れた。


ローブを装備した3人が歩いてきていた。


ネリネとローズの使っているものと同じ"隠形のローブ"を装備しており、素性は確認できない。


だが、"隠形のローブ"で隠しきれない程の実力者であることが伺える。


ちなみにネリネとローズのものは改造してあるため魔皇クラスでも隠れることが出来る高性能なものなので、2人が弱いわけではない。


その3人は道を塞ぐように立ちはだかる。。


「失せろ」


中心の人(以降Aと呼ぶ)がそう言った。


その言葉を放つと同時に、そのAの剣が俺の首へと迫る。


このゲームではPK可能で、さらにNPK(NPCを殺す事)も条件次第で可能である。

しかし、今の俺は未だ神殿へと行っていないので、ここで死ねばキャラロスである。

つまりマジで死ぬわけだ。


「〚受け流し〛」


俺がそう言って剣を取り出すと、今まさに切ろうとしていた敵の剣が後ろへと

それは〚超級剣技〛の中の一つ〚受け流し〛によるもので、結果としてその剣ごとそのAはこちらに倒れ込む。


「はい捕獲」


俺はそのAを動けないように腕を掴み、肘を無理な方向へと曲げる。


「ッ…い、今だ!」


相当な痛みのはずだが、Aは後ろ2人に指示を出す。





…だが



「いや、あんたが勝手に攻撃したんじゃん?別に攻撃する必要ないじゃん?」

「そ、そうですよ…やっと会えたんですから…」

「いっ!ギブギブギブ!助けて!」

「えー?助けなくてもいいじゃん?」

「えっと、すみません…」


この状況に、後ろから見ていたネリネは完全に置いてけぼりだが、ローズは「またか…」みたいな顔で見ている。


そして、後ろの2人がローブを解除すると、その素顔が明らかになる。

それは茶髪で顔はいいが発言が残念な女性と、蒼髪で巫女服の美少女だった。

そして、俺の元PTメンバーである。


「ちょ!関節きまってる!死ぬ死ぬ死ぬ!」

「自業自得だ。あと久しぶりだなスズランにルリ」

「おっひさー?なのかな?」

「お久しぶりです…ってことはアルさんも?」

「そういうこと」

「話してないで助けて!HPもう無い!マジで死ぬ!」

「じゃあこれで?『Lost Paradiseロストパラダイス』全員集合じゃん?」

「…私をお忘れではありませんか!?」

「あ。おひさ残念姫」

「お久しぶりです…ローズさん」

「さらっと忘れていたのを誤魔化さないでくださいます!?」

「あっ…もうだめだこれ死ぬわ」



流石にここで殺すのはあれなので捕まえていたAを離し…いや、もう正体わかってるからAじゃなくてもいいんだが。


「HP2桁とか久しぶりだな!マジで死にかけたぞ!」

「黙ってローブ解除しとけ雑魚」

「そうだぜ雑魚?早くするじゃん?」

「えっと…そうですね雑魚さん」

「スズランまで雑魚って!ちょっと酷くない!」

「黙りなさい犬畜生。それ以上騒ぐと燃やしますわ」

「理不尽だ!」


そこでやっとA…もといミズキはローブを解除する。

薄い桃色の長髪を揺らし、そのこれまた無駄に整った顔があらわになる。

装備は金属鎧。8割方銀色で、一部に金色や桃色が使われている。


「...ムスカリ...」


その言葉に全員がそちらを向く。

ネリネがローブを解除し、俺に近づいてくる。


…なんか怒ってる?


「...ここに...いるの...みんな...知り合い...?」

「ん、そうだが…なんで怒ってるんだ?」

「...怒って...ない...」

「ちょ、アルファさん!誰ですかこの美人さんは!」

「この人の幼馴染…のNPCですわ」

「ええ?それってヒロイン度高いじゃん?スズランやばいじゃん?」

「はぅぇ!?わ、私が何で危ないんですか!」

「ネリネ?どうした?なんで怒ってるんだ?」

「え!もしかしてネリネちゃんってアルファさんのことs」

「ああ、ミズキが零距離弓の餌食になりましたわ!」

「HP1桁とか奇跡じゃん…?」

「...殲滅...」

「落ち着けネリネ、とりあえず弓はあぶなぁっ!」

「えっと…ネリネさん?アルさんにまで弓を向けるのは…許しませんよ?」

「スズランまで堕ちましたわ!」

「やばいじゃん?わたしはにg」

「ネリネ、麻痺矢はダメだと思うんだガッデムッ」

「アルさん、今のうちに逃げるべきですわ!」

「...ローズ...ニガサナイ...ヨ...?」

「ローズさんも死にたいみたいですね…」

「え?なんでわたくしm…」

「あ、ローズが聖魔法のスリープ喰らってる」

「後は貴方だけです、ネリネさん!」

「...アナタ...モ...ジャマ...ダネ...」


「モウヤメルンダッ‼‼」



その後流れ矢で俺が麻痺しスリープを受け、意識を失った。

ネタに走りすぎた感。反省も後悔もない。

魔法使いは本当に優秀だから多くの人が持っているんです。

決してゲーム層が30歳過ぎゲーマーばかりなわけではないんです。


あ、あと「プレミア縛り」は実際に自分がやっていたプレイスタイルです。

序盤からボール1つ1000円な上伝説もすべてプレミアでリセマラしてました。

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