暴走した竜
忙しかったのと幾つか別の転移先を考えていたので遅れました。
他の候補は
1、風呂場
2、ネリネたちの目の前
3、謁見の間
なお途中まで書いて消した模様。
総合評価ポイント(ブックマークとかで溜まるやつ)がもうすぐ100pt!
これを見ている皆様、本当にありがとうございます‼‼
スキル、魔法、キャラ(能力、名前、容姿等なんでも可)募集してます。
あいかわらず0の模様(`・ω・´)
王都闘技場にて━…
国王、ギコウは焦っていた。
本来ならこの時間は兵士の訓練のためにソルバートドラゴンを複数召喚し、戦わせている光景が広がるはずであった。
だが、今目の前に広がっているのは紫色の雷が漏れる暴走した魔法陣だった。
「陛下、お逃げください!」
「それはならん。この中で最も有事の際に戦闘が出来るのが私だ。それに罪もほぼ0なことは知っているだろう?」
罪とは
『人間はだれしも生きる上で差異はあれど罪を負う。しかし、我は断罪と救済も罪により決定する。』
━━輪廻教第13章"罪"より抜粋
簡単に説明すると、人のための行動とかで増えて、人の迷惑になることをすると減る数字だ。
これが-50を下回るとその存在は蘇生されない、つまり死んだら終わりになる。
逆に10以上でしばらく維持すると称号"勇者"が与えられ、0以上で維持している間"聖人"が与えられる。
…ほとんどの人は0~10だが。
それも数字を上げようと意識して人のためになることをしてもほぼ上がらない。
それが断罪。
また、死んでから蘇生したときに-2される。
詳しい数値の変異は面倒なので略。
以上、唯一神様の豚でもわかる説明講座でした!
「ですが、陛下…」
「ならば命令する。兵士長よ、全ての兵をここから逃がせ。場合によってはこの闘技場の封印結界の起動も視野に入れるように。」
「っ…わかりました!」
命令に逆らうことは許されない。
生き返るとはいえ、死ぬときには当然痛みを伴う。
この魔法陣が暴走する理由もその結果も予測できないからこそ、王はここに残ると言ったのだ。
兵士長に指示され多くの兵が嫌々従う。
心配そうな者、涙ぐむ者、激励する者。
その様子からどれだけ国王が慕われているかがわかるだろう。
「…さて。」
国王としては正しい判断ではないだろう。
だが、これがこの国の王族が代々受け継いできた気質である。
「召喚魔法陣の暴走事例から見れば、この〚竜種召喚〛は暴走したことが無い。が、召喚魔法陣ならば望んだ召喚対象よりずっと強大な者が現れることが多い…」
暴走した魔法陣が輝き、対象を召喚する。
「しかし、竜種ならば高位になればそう安易に人は襲わな………」
国王、ギコウは驚愕した。
その魔法陣から出たものは予想していた通りに竜種であった。
強靭な四肢に深緑色に輝く鱗。
鋼鉄すら簡単に引き裂く鋭い牙と爪。
「これは上位種では…ない…」
その竜は、鎧を付けていた。
鎧を着た上位種の竜などいない。
最も大きいものでも2本足で立ったうえでせいぜいが高さ2mほどだ。
だが、この竜は四肢を地に付けているのに高さは5mを軽く超えている。
竜が吠え、空気が震える。
「ソルバートドラゴンの変異種…いや、そんなものではない…これは…」
先ほどまでとは一転、ギコウは死を覚悟し膝をついた。
そして、竜は駆ける。
目に映るものを壊すために。
「"暴走種"…か…」
ザシュッッ……‼‼
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _
ムスカリは転移され、王城に着いた。
正確には、王城の中でも闘技場だが。
そして、目の前に鋭い爪が…
「ふぁっ!?」
ザシュッッ……‼‼
血しぶきが舞い、ムスカリを隠す。
………ドシャァァ……
竜が倒れる。
「あっぶねえ…剣を持ってなきゃダメージ喰らってたな。死ぬほどじゃないが。」
先ほど転移される瞬間、嫌な予感がしたムスカリはとっさに刀をインベントリから取り出していた。
森のことがあっての怪我の功名と言えるだろう。
…この場合怪我もない上、原因が同一人物なので少し違う気もするが。
「き、君は…もしかして、ムスカリ君かい?」
「ん?…あ、お久しぶりです。」
「なぜここに…いや、その剣や君の容姿についても色々聞きたいのだが…」
というわけで。
死体は適当にインベントリに放り込んで客間へと向かうことにした。
上位種
ランクが上の竜。業火竜や蒼氷竜など。
変異種
環境などによって通常種とは違う生態をもったもの。
暴走種
魔力の暴走によって生成された、基本的に一体しか存在しないもの。