竜≠龍
「面を上げよ」
国王の言葉に従い、顔を上げる俺とネリネ。
この年の子供ってこの年齢から礼儀作法覚えさせられるのか…
「すごいわねあの子たち、もう作法を覚えているなんて」
「なんでも、あの年でもう中学を卒業したらしいわよ」
「えー?流石にそれは…」
「でも、国王様が…」
「 」
「 」
そこのメイドさん、ヒソヒソ話漏れてますよ。
ちなみにメイドさんはミニスカで黒色といった現代風のものである。
…現代?前々世?まぁいいか。
今俺がいるのは謁見の間、中央には赤いカーペットが敷かれ、天井には金製or白金製の豪華なシャンデリアが吊られている。
壁は大理石かな?冬は冷たそうだ。
カーペットの無い床の部分は白く濁った…あるエネミーの骨製なのだろう。
ちなみにプレイヤーがエネミーと呼んでいるのがこの世界では魔獣と呼ばれていたりする。
そして、魔獣と魔族には全く関りがない。
あるとき魔族(当時は角族と呼ばれていた)の男と獣人の男が話をしていた。
「ぶっちゃけ、角族ってダサくね?」
「はぁ?こっちは獣だぜ?魔獣と混ざってるとか言われるし…」
「なら、こっちの種族の名前変えてみる?」
「変えるって…お前一般角族だろ?」
「かっこいいならみんな使うと思うが…」
「だとして、何にするんだ?翼族?」
「違う違う、もっとかっこいい者さ!」
「おお、何だ!」
「"魔族"…どうだ、かっこいいだろう?」
「かっこいい…だが、それだと"魔獣"に近くねえか?」
「何言ってるんだお前、これで獣人"だけ"が嫌われなくなるんだぜ?」
「お前…でも、広まるのか?」
「大丈夫だ、アテはある。」
「うーむ…」
「それに、男はいつだってかっこいいものと流行に乗るだろう?」
「そうだな!」
…これが、魔族の総称の始まりである。
なお今の謁見には何の関係もない。
「…なるほど」
ああ、やっと報告終わったかい従者さん?
長いから暇つぶしに考え事してたよ。
改めて国王を見る。
金髪で、自信に溢れた顔つき。
だがまだ若く、歳は20を過ぎてすぐ、といったところか。
服装は白の礼服に真っ赤なマントを羽織っていて、これがあの厳ついおっさんになるとは思えないな…
「ムスカリ君と言ったかね?」
「はい。」
「君は、強いのかい?」
「…わからないな」
「...つよ...い」
ネリネ、今はおとなしくしてて…
「そうか、ならば…来い。」
国王がそう言うと、国王と俺との間に魔法陣が浮かび上がる。
そして、魔法陣からせりあがるように竜が現れた。
「おとうさん!?」
「ギコウ!?」
あ、ギコウってのは国王の名前な。
情報チェックっと
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CN:ギコウ・ペンドラゴン
性別:男
種族:人族
称号:《王族》《聖人》《竜血の一族》
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んで、今出てきたのが
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ソルバートドラゴン
種族:下竜族
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竜と言っても大人程の大きさで、2本足で立ち鎧を着て槍を持つ"蜥蜴人"みたいな種だ。
体を深緑色の鱗が覆い、黄色の瞳でこちらを威嚇している。
尻尾は垂れ下がり、気分はあまり良くないようだ。
「この竜を倒せれば、君の王族入りを許可しよう。」
「ギコウ!何故こんなことを?」
「可愛い娘は、護る力が無ければ任せられん!」
「しかしー
〚能力制限解除〛
周りも驚いているが、下竜種であるソルバートドラゴンには理解できていない。
よって、目の前の俺に本能のまま向かってくる。
だがまあ
「えいっと」
グギゥ………ッ……
こんな雑魚パンチ一発で十分だがな。
仕込みは無駄だったかもしれないな。
「…え?」
「ほら!ムスカリ君はとっても強いのですから!」
「えっと、おわり?」
「まだだ、まだ\バアン/「陛下!」…なんだ、慌ただしい」
「城の上空に…龍が!」
…龍?
persona「スキル、魔法、キャラの名前募集」
???「誰に何言ってるんだ?」
persona「これを見ているであろう別次元の人間に」
???「…ふむ」
persona「ちょっと世界弄らせてみようと」
???「えっ」
シリアス「出番マダー?」