秒速5m
時間が取れず少しづつ書いていたら、ちょっと長いかもです。
現在の俺:3歳を超えた辺り
初めて幼稚園に行ってから一年が経った。
今は俺も立派な大人だ。
この世界では能力が認められれば何歳だろうが大人である。
あの幼稚園…から小学校、中学校とあるのだが、それらの卒業条件は"テストにおいて一定以上の成績を収めること"である。
俺の中身はVRによる24倍速で相当な年月を重ねている。
見た目は子供!頭脳は大人!というわけだ。
幼稚園は入園当日の一件によって即刻卒園した。
卒園、というのも自由に入って自由に出るものだから正しくは無いが。
小学校には半年もいなかったな。
さっさと試験を終わらして中学へ行ったはずだ。
ちなみに試験内容はこの世界の常識だったが、βテストにおいてロールプレイのために調べつくした俺が間違えるはずがない。
中学もほぼ同じ…だが、少しだけごたごたがあり3歳までかかってしまった。
それでも相当な速度に違いないが。
そして、この日は王城へと向かう日である。
あの日以降ピンクさんはこの街…【ロクーラ】について調べていたものの、なかなか見つからなかったらしい。
その結果として幼稚園を経由して一度王都へ行くことになったのだが…
その時は、王が拒否したらしい。
理由?
「私の大事な娘を、そう簡単に渡せるか!」…だとさ。
俺はそれでも良かったんだよ?
ぶっちゃけ王になろうがなるまいが…というか婚約やらなんやらしようがしまいが関係ないからな。
少しだけ【ノワール】の戦闘が楽になったらいいなぁ…程度の考えだ。
だが、それで終わらないのがピンクさんだった。
【After Ragnarøk】においての立ち位置は"珍しい常識人だが偶に暴走したり言葉が変に聞こえる"というものだ。
その"暴走"が今回のような事案だったわけで。
その条件が"5歳迄に中学卒業"なわけで。
別にどっちでもいいなら学校なんて行かないって?
それでも…アリスの涙目が…な。
「はなればなれなっちゃうの?」なんて何も理解していないはずの子供に言われたら、大人(当時2歳)としては何とかしたかったのよ。
あ、ロリコンではないです。
ただ、あんまり子供の涙に耐性が無いだけで…
…まあ、その程度の理由でささっと片づけたのだが、ピンクさんは結局【ロクーラ】を見つけられず、幼稚園を経由することとなった。
幼稚園の転移場所は帰るときも普通は来た場所に戻るようになっている。
だが、いくつかの理由があり、手段を用いれば転移先を変更出来る。
この仕組みは村が魔獣に襲われてしまったときなどを想定して作られたらしいが、原理不明の限界突破級〚神族魔法〛だと予測されている…らしい。
魔法の等級は下から
初級
便利だよね、魔法。
↓
中級
魔法はパワー!威力こそ全て!
↓
上級
魔法は神秘であり、道具である。
↓
超級
え?これ取れたの?マジ?
↓
限界突破級
世界の理を覗く時、理もまた此方を覗いている
という具合だ。
魔法に関しては俺は"それほど得意ではない"ので"超級程度"しか使えない。
代わりに色々な魔法を覚えている、まあ器用貧乏かな。
っと、そうだ、王城行くんだった。
両親ももう少し何か言うかと思ったんだが、「なんとなくわかってた」と言うだけというのは…
話が拗れるよりはいいか。
えっと、王都で買うお土産のメモはok、念のための1週間分の着替えもok、こちらの渡す物もok。
これらをインベントリに入れて…と。
取り出すときはちゃんと〚空間魔法〛使ったように見せないとな。
そこそこの課金で容量おかしいインベントリなら大体なんでも入るけど、この世界では持っている人は見たことない。
…この村の人しか知らないが。
でも、この村では〚空間魔法〛くらいは大人ならほぼ全員使えるし、王都でも見せて問題ないはず。
「ムスカリ、王様に無礼がないようにね?」
「息子よ。父さんはお前が何人嫁を貰おうと構わんからな!」
「...いっぱい...いらない」
「…そもそもぼくはどっちでも…」
「ムスカリー?アリスちゃんの前でどっちでもーなんて言っちゃだめよ?女の子は結婚を夢見るものなんだから。」
「うん!わかった!」
「素直ねームスカリはーよしよしー」
…
……
………
さてさてやってきました王都!
王都はこれこそよくある石レンガの建物や白い街並みが目を引く。
歩いているのは人、獣人、エルフ、魔族etc…
ぱっと見では元がわからない混種もいたが、馴染んでいて迫害なども無さそうだ。
…こういう所は前世や【After Ragnarøk】と同じなんだよなぁ…
「ムスカリ君、この街はどうだい?」
「いいところだね!」
「...ん」
「ははは、そう言ってもらえると嬉しいよ。」
馬車移動中なう。
あ、街の人たちが頭下げながら道を開けてる。
みんな笑顔だし、特に痩せこけている人もいない。
いい都市だな。
…ん?
あれ、なんか今見覚えのある奴がいた気が…
…
……
………
「むしゅかりしゃま!」
「アリスたん!ひさしぶりだね!」
「...ん」
王城に到着し、入った瞬間に抱き着かれた。
…好感度上げしてなくても起きる好感度の変化、っていうのは前々世の影響か?
生物として強い者や命を救った者に対する依存心?みたいなのがあるって偉い人が言ってた。
というわけで、俺は特に恋愛云々は気にしない…考えないようにしている。
興味がないだけだが。
だからこそ「婚約とか結婚とかどうでもいい」と考えるわけだ。
「…むしゅかりしゃま?」
「ん、どしたの?」
「みゃっ!…なんでも、ないでしゅ…」
「...」
あー、道なげぇ…
転移していい?
もしくはステジャン走行(ステップしその直後のジャンプで硬直時間を消す移動法、大体一歩5Fの高速化)
「着いたぞ、ここか謁見の間だ。」
「...つかれた」
「ぼくも…(大嘘)」
「ありすもー」
「…はは、もう少しだけ頑張ってくれるか?」
「...しかた...ない」
「アリスもがんばります!」
「あ、ちょっとまって」
「ムスカリ君、どうしたのだ?」
「トイレいってくるー」
「あ、ムスカリ君ー!!」
走った。
大体秒速5mくらいで走った。
この世界なら全然ありうる範囲内だからセーフ!
そしてトイレへ駆け込みスキル【森羅万象】を発動し…
「…なぜムスカリ君はお手洗いの場所を知って…」
「...ムスカリ...だから...?」
「むしゅかりしゃまが…びゅーんって…」
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persona「王都の物って味付け薄いんだな」
???「しれっと現界するな!」
persona「あ、αだ」
???「え、アルにい!?」
persona「おい素が出てるぞ」
???「はっ…」
persona「ん?あいつなんで城で魔族魔法と竜族魔法使ってるんだ?」
積み木
1セット500円
シリアス
1旗 450円