【ロクーラ】
うーん…体が重い…
もしかして〚神級魔法〛って前世や前々世と違って何かしらの反動あるのかな…
少し暑い気もするし…
むにっ
うーん…瞼が重い…
こうなったら前々世の病院で身に着けた音による周囲の把握を…
ススス
ゴソゴソ
むにょっ
「...んっ」
…柔らかい感触が…
むにむに
「...っうぁ」
…どうすればいいんだこれ…
いや、だってさ?聞いた感じだと"布団の中に複数の人がいて、そのうち一人はネリネ確定"ってとこだろ?
声の反響的には学校の保健室くらいかな?
…これ以上動いてもデメリットしかってネリネ?なんで俺の指を握りしめてるんだ?
むにゅっ
「...ん」
安心したような声を出すんじゃありません!
ガチャッ
「ふむ…まだ眠っているみたいだね」
あ、この声はピンクさん(略称)だ。
「…だが、一体ネリネちゃんは何をしているのかな?」
「...よこう...れん...しゅう」
何の!?ねえ何の!?
「指で頬をつつかせているのが、一体何の予行練習なのか私にはわかりかねるが…」
ああ、これやっぱり頬なのか。よかった、まだ捕まらずに済む。
「...けっこ...ん?」
えっ?
「えっ?」
「...わたしが...いない...と...ダメ...なから...だにす...る」
「は、ははは、随分と難しい言葉を知ってるんだね」
ほら、流石のピンクさんでも引いてるじゃん…
そろそろ目を開けたほうがいいかな?いや、もう寝てるってことで通したいんだけどさ…
「ふわぁぁぁ…あ?」
「...おは...よ...むすかり...」
そこにいたのは全裸の銀髪美s
***しばらくお待ちください***
「それで、話があるんだけど。」
ピンクさんはそう切り出した。
ちなみにさっきのことは無かったことにした。俺のログには何も残ってないな。
「あの呪いを解いたのは君なのかい?」
そうだよな。あの状況で呪いが消えたら俺もしくはネリネだと思うよな。
もともと"あのイベント"の確認のために王族とのパイプが欲しかったっていうのもあるから、まあ素直に頷くか。
相手が気持ち悪いコゥリローン大臣とか、タンショゥコ婦人じゃあるまいしな、うん。
だが、子供ロールプレイはさせてもらう!
「あのもやもやのこと?」
「もやもや…まさか、呪いが見えるのですか?」
見えるが、ここは見えないことにしとこうかな。
「ううん、きもちわるくてもやもやするんだ」
「なるほど…」
よし、あとはうまく話を持っていけば…
「そんな君にお願いしたいことがあるのだが…」
このセリフは確か【After Ragnarøk】なら王国防衛レイドで上位取った人への話と同だな。
この後に「この国の騎士にならないか?」だったよな。
承諾すると王国のイベント強制参加の代わりに〚騎士〛のスキルが手に入るんだが、これが強いのなんの。
ちなみに断ったらアイテムが貰えるんだけど、一応他の方法でも〚騎士〛は手に入るから俺は断った。
「この国の…
…王になってくれないか?」
…ゑ?
「ああ、これだと語弊があるな。」
語弊も何も…王?え?どゆこと?
「アリスと婚約してくれないか?ということなんだが…」
「...だめ」
何故ネリネが答えた。
まあ、俺もあんまり乗り気ではないけどな…
よし、ここは子供ロールで乗り切るか。
「けっこんって、だいじなことなんでしょ?」
「え?ああ、そうだな。」
「ありすたんも、ぼくよりいいひとがいるとおもうよ?」
「…しかし、君は「のろいをといたってこと?」…ああ。」
「そんなの、あたりまえでしょ?おともだちになりたかったんだから。」
「君は…ふふ、子供みたいなことを言うんだな。」
「…ぼくはこどもだよ?」
「そうだな、すまない。何故か大人と話している気分になってな」
ばれてない…よな?
「だが、それは理由にはならないのではないか?」
えっ
「親の贔屓目なしでもアリスはかわいらしいと思うのだが…君も嫌いではないだろう?」
「うん、ありすたんかわいいよね」
かわいいというのは本音ではあるが…この流れは不味いな…
「それに、これは君のためでもある。」
「どうゆうこと?」
「君の力は、はっきり言って異質だ、だから、それを狙う者がいるかもしれない。そこで、王族の力で君を守ろうと思ってな。」
あ、そうか。
ほんとは狙われたら俺が全力で返り討ちにしようと思っていたけど、王族ならいろんな方向で守ってくれるかもな。
そう考えると"打算では"断る理由がないが…
なんか負けた気分。
「でも、ありすたんはそれでいいの?」
「アリスは二つ返事で了承したから大丈夫だ。」
あ、積みだなこれ。
「...だめ...!」
そうだネリネ!ネリネなら何とかしてくれる!
「ネリネちゃんはなんでいやなのかな?」
「...はなれ...ばなれ...やだ」
「なるほどね…なら、問題ないよ。」
「...?」
「君もムスカリ君と婚約すればいいのさ」
「...いいの?」
「この国は一夫多妻だからね。一部の村や町では違うみたいだが、君たちの村はそうなのかい?」
「...わから...ない」
「ならば、王都に来れば問題ないな。君たちの村の名前を教えてくれるかい?」
「...ん」
ああ、終わったなこれは…
いや、でももしかしたら【ノワール】と戦う時に役に立つのか?
うーん、でもこの世界の兵士の水準がわからないな…
というか、勝手に話進めないで!
「...【ロクーラ】」
「聞いたことのない村だな…どこの地域かわかるかい?」
「...【カモミール】...の...ちかく...?」
「わかった、調べてみよう。それじゃあ私もここで失礼するよ。」
そう言って出ていくピンクさん。
えっと…
俺、王になることが確定したみたいです。
persona「運命を変える存在(例外有)」