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VRMMO始めたら最初の村で死にかけたけどどうすればいい?  作者: GENc
2週目プレイのちゅーとりあるって飛ばしたいよね
22/48

計 画 通 り (笑)

スゥ...スゥ...


はっ


おれは しょうきに もどった!


周囲は真っ白で、俺は真っ白な布団に入っていた。


壁も床も真っ白ってことは、幼稚園のどこかか…?

そう思って俺が立ち上がると、違和感を感じた。



「あれ?体が…15歳になってるのか?」

「ああ、その通りだ。」


!?


「やはり貴様かpersonaペルソナっ!」

「そう睨むな、防御が下がる。」


口調と言葉の内容のギャップがぁ…


「ところで…あの少女の呪いは解いたのだろうな?」

「アリスのことか?というか、お前がアリスと俺を会わせて、さらに呪いも解かせたんだろ?」

「いやいや。こっちも賭けだったのだがな。」

「賭け?」

「ああ。我は予測演算により未来をほぼ確実に予言出来る…が、例外もあるからな。」

「その例外ってのがアリスか?」

「いや、あの少女はもともと死ぬことが確定していた。それは何度この世界をやりなおそうと変わらない…そういうものだ。」

「だけど、俺は呪いを解けたし助かったんだろ?あと、お前が解けばよかったからな」

「はっ、これだから無知は困るな。神が一人一人の命のために降りると思うのか?」

「…でもさ、前々世リアルの時の【After Ragnarøk】のお前NPCも生き返らせてたよな?」


ゲームでの【After Ragnarøk】においては2つの宗教のいずれも「信仰心が強いと生き返ることが出来る」というものだったはずだ。

というかそうじゃないとあのPKプレイヤーキラーの親戚のNPKノンプレイヤーキラーが増えたりはしなかっただろう。

その設定から考えると、呪いで死んでも生き返ると思うのだが…


「…運命、って知ってるか?」


ぽつりと呟かれたその言葉は、悲しみに包まれているように感じた。


「俺は救おうとした…だが、この世界を作った…いや、"2つに分けた"奴が邪魔をして救えなかった…もっとも、生き返らせるから救った、なんていうのは確定ではないが」

「"2つに分けた"?」


「…説明してほしいか?」

「いや遠慮しとく」

「…それでいい。そうでなくてはな。」



「そういえば、なんで俺を呼んだんだ?」

「ああ、それはあの呪いについて伝えることがあるからな。」

「…前々から思ってたんだが、なんで俺に干渉してくるんだ?」

「それは、決まっているだろう。」



personaがおもむろに取り出した本。それはひとりでにページがパラパラとめくられ、赤い絵のページで止まる。


その絵は…正直気分が悪くなるものだった。


右側では真っ黒で皮が爛れた竜が、人を喰らい

左側では山ほどの大きさの黒い巨人が、街を潰し

下の方では地が裂け人が落ちていて

空は赤く染まり、黒煙が上がっている。


そして、中央では



"顔を仮面で隠した人型の『何か』"が嗤っていた。






「我は、この結末を変える…我が護るべきモノ全てに幸福が溢れる"Happy END"にするためにな。」


「…そんなの、無理だろ。誰かが幸せになるには不幸になるやつが必ずいるはずだ。」


「それを何とかするのが、我とその遣いである貴様…と少しだな。」


「そんな無理難題押し付けられても、無理なものは無理だ。」


「だからこそ我は…運命を変えられる存在である貴様を使いにしたのだ。」


「だから、出来ないっつってんだろ!?」


「…そこまで無理だと言い張るのは、前々世リアルの歴史があるからか?」


「そうだ、平和な時代なんて一度もなかった。いつの時代も世界のどこかで争いがあり、憎しみや苦しみがあった。」


「なら、この世界をお前が見る初めての"平和な世界"にしてみないか?」


「だから、それは無理なんだよ。」


「無理ではない。」


「無理だ!」


「無理ではない。」


「お前もわかるだろ!夢物語なんだよ、平和な世界なんて!」


「だから、諦めるのか。」


「そうだ!」


「たしかに、夢物語だな。」


「そうだろ「だが」



そこでpersonaは一旦言葉を切り、続ける。



「ここは異世界。夢物語上等じゃないか?」


いつものように顔がわからないが、personaは笑っているように見えた。


「足掻いて足掻いて、どうしようもなくなるまで貴様の好きに生きるがいい。それが、平和への標となる。」


その言葉を聞くと同時に、俺の意識はそこで途切れた。






___________




「ここまでは概ね計画通り、後の懸念はあの妹だけだな。」


personaは真っ白な世界で一人呟く。


「この世界で…今はいいが後々俺を殺しそうなのはあいつだけだからな…まだα…じゃなくてムスカリの相手のが楽だな」


ちなみに今握りつぶして食べているのはだれが作ったかやけに完成度の高い「三不粘」だった。…デザートの一種である。


「うん、この独特な感じが美味いな」


そして満足げに頷き、ウィンドウを出す。

そこで何かを確認すると、


「…ふっ…ふふ…ははは…」


突然笑い始めた。


それを聞くものも、止める者も誰一人といない。


「ははははは、はははは、はははははははは!」


真っ白な世界の中、真っ黒な人型の"ソレ"は嗤い続けた。

???「ネタかと思ったか!?残念シリアスだ!」

persona「え?」

???「ゑ?」

persona「シリアスならさっき迷子センターで遊んでたぞ」

???「ゑ?じゃあこのシリアスな空気は?」

persona「さあ?」




シリアス「つみきたのちい」

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