淫乱ピンク
最近忙しくて更新できてませんでした、すみません…
現在の俺:2歳すぎ
異世界テンプレ…〇〇チートってよくあるだろ?
この世界も一見技術チートやら内政チートが通じそうに見えるんだよ、うん。
じゃあ内政チートといえば?
まあ、一般市民用の学校を思いつくよな。
もしくは孤児用。
そこから功績が認められ云々だと思うんだよ。尤も学校は内政チート中盤かもしれないが。
さて、なぜ俺がこの話をしたかだが、答えは簡単だ。
この世界、幼稚園あるんだけど。
てか、ゲームだと15歳で大人だったからこっちもそうなんだが、何故か高校と大学まであるんだけど。
当然小学校も中学校もあります。
これらは"転移魔法陣"から行ける"隔離された空間"にあるらしい。
…もしかして、これも前々世の影響なのか…?
所々前々世と前世が混ざっているうちの一つなのか…?
と、そうじゃなくてだな。
俺がその幼稚園に行くことになったって話だ。
他にもネリネや同じ村(町?)の同年代数人もいくらしい。名前は知らん。
というわけで
「ムスカリ、ここが幼稚園よ」
まず、壁は真っ白だった。
床も真っ白だった。
天井も照明器具以外真っ白で、周囲を見渡しても影の有無が無ければ壁と床を見間違えてぶつかるかもしれないくらいだ。
「...むちゅかり...こっち...」
そう言ってネリネが右腕を引っ張る。
そのまま、まっすぐな廊下?を進むと、縦5m横2.5mほどの大きな扉があった。
形は四角で、様々な解読不能な文字が刻まれ鮮やかな宝石が散りばめられていた。
一見石でできているように思えるが、よくみると鉱石的なものではなく人工的な物のように思える。
そして、扉は俺たちが近づくと自動的に開く。
…ただし、コンビニの自動ドアのようにだが。
テロレ♪テロレ♪テロレ♪
…ご丁寧に音楽までつけて。
その扉の先には広めの部屋があった。
床にデフォルメされたエネミーや動物(人を積極的に襲わないものを指す)のイラストが描かれたラバーマットが敷いてあり、端には大きなおもちゃ箱もある。
どちらかというと保育園なのかもしれない。
…というか、ラバーマットぉ…世界観がぁ…
ちなみに入園に費用などは必要なく、入園式のようなものもない。
子供達が遊ぶのを親が見る、子供同士で交流するというのが主な目的らしい。
この仕組みは古代文明の時代からあったとか…
悪用?しようと思っている人は転移魔法陣で弾かれます。
俺とネリネが入ると、部屋中の視線が一斉にこちらを刺す。
正確にはネリネをだが。
まだまだ小さいとはいえ、ネリネは美人だ。
恋愛対象ではないにしても、"本能的に惹かれてしまう"くらいには。
部屋の中の反応は様々で、照れて顔をそむける少年やむしろよく見ようと近づく少年少女複数。
あと、怖い顔で近寄ってくる知らない大人たちだ。
それらの悪意が含まれた視線から避けるようにネリネは俺に隠れる。
盾にするとも言う。
まず話しかけてきたのは頭の上の方が禿げた男性Aだ。
「うちの養子にならないかい?何にも不自由することは無いとおもうよ?」
ミシミシミシミシ
事案発生…ではなく、これは一応許容範囲内である。
貴族などはここを利用して後継ぎを探すこともあるため、この言葉自体は問題ない。
…不愉快な視線以外は。
「そんな変態貴族よりも、私の家に来た方がいいと思うわよ?」
ミシミシミシミシ
今度は少しふくよかな女性Bだが、この人の視線もまた不愉快だ。
視線の判断基準はネリネが俺の手を握る強さです。
俺の指の形が変わるくらいが標準()で、関節が外れるくらいは不愉快な視線ってことで、ミシミシなっているならとても不愉快ということだ。
だから、今の2人には帰ってもらう。
「そんなこといっても、いやがってるよ」
(*'ω'*)ドヤッ
子供っぽい演技出来るんやで!
「君は…?この子のお兄さんかい?」
「...ちがう...こんやくち...ちゃ...」
噛んだな…じゃなくて、婚約者?HAHAHA悪い冗談だな。
いくら断るのに便利でも、その言葉は…
「婚約者…難しい言葉を知ってるんだね?どこかの貴族なのかい?」
ほら疑われた!こどもなら「うん」もしくは「ううん」て言っておけば何とかなるんだよ!
仕方ない、ここは俺が出るしかないか…
「きぞくさんじゃないよ?でもいろんなことばをおしえてくれるおばあちゃんがいるんだ!」
「そうなんだ、そのおばあちゃんから聞いたのかい?」
「そうだよ!」
こうやって人の心は穢れていく…おれは既に純粋な子供じゃないのさ…
「ねーねー、いっしょにあそぼ?」
「おにんぎょうさんみたい!」
「おなまえおしえてー?」
大人達との会話が途切れたのを見計らって子供たちが一斉に口を開く。
その視線は純粋なものだが、だからこそ遠慮というものがない。
それに俺以外がネリネに触れでもしたら確実にHPを削りきる未来しか見えないので触らせるわけにもいかない。
軽く握手したらお陀仏とか笑えねえぜ…むしろ笑えてくるな
「そうだった、君の名前を教えてくれるかい?」
ミシミシミシミシ
てめえは黙れよ男性A!
お前が話すと俺の手の骨もといHPが削れるんだよ!
はぁぁ…こいつらの相手超面倒なんだが…
俺だけ帰っていい?と思ってネリネを見たら泣きそうになってるし…
なんかここから逃げ出す理由を…うーん…
テロレ♪テロレ♪テロレ♪
「嫌がっている子に無理やりとは、貴族も落ちたものですね」
お、流れ変わったな
その声は俺たちの後ろ、扉の方から聞こえており、そちらを振り向く。
そこにいたのは俺と同じか一つ上くらいの桃色の髪の少女と、先ほどの言葉を放ったであろう同じくも桃色の髪で20歳ほどの女性だった。
どちらも高そうな絹の服を着ており、身分の良さが伺える。
「じ、女王陛下!?」
ふぁっ!?女王!?あの言い回しが何故か変に聞こえる通称"淫乱ピンク"のことか!?この人が!?
そうだ、名前と称号見れるじゃん。なんで見なかったんだろ。
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CN:アリエノール・ペンドラゴン
性別:女
種族:人族
称号:《王族》《女王》《竜血の一族》
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おお、ほんとにあの"淫乱ピンク"さんじゃないか!
…でも、娘?そんなのいたっけ?
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CN:アリス・ペンドラゴン
性別:女
種族:人族
特殊状態:呪い(死の宣告Ⅴ:残り1ヵ月)
称号:《王族》《泡沫姫》《竜血の一族》
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…死の宣告!?
persona「シリアス?それならさっきコンビニに300円で売ってたけど」