再誕~おやすみまで
やっと本編(?)です!
この世界は現実、ではあるが…ぐちゃぐちゃというのが俺の感想だ。
まず、俺の両親が前世のものではなく前々世の親ということ。
それから、MAPを見る限り地形や周囲の住人も前々世の人だった。
しかし、世界観は前世…【After Ragnarøk】のものだ。
MAPもといメニューがある時点でゲーム的だが、肌を撫でる風や前々世の両親の存在が現実ということを揺るぎない事実としていた。
俺を抱き上げている母親は前々世のままで、俺と同じ銀髪。
ちなみに父親は若いころから白髪だ。若白髪っていうんだっけ?違う?ふーん(どうでもいい)
…
……
………
俺が生まれてから1か月が経った。
「ムスカリー、走ると危ないわよー」
「うあー」
人間の成長の速度は前々世と同じ…なのだが、俺は既に2本足で立って走っていっ
ベチッ
「ほらー、言ったでしょ?」
「…ううー」
まだまだ足が短くてうまく走れてはいないが。
「でも、ムスカリはもう走れるなんてすごいねー」
まあ、俺も前世ですら2本足で立つのに5か月はかかってるし…
なぜ早く立てたかというと、これだ。
PN:α
CN:ムスカリ
HP:84132/84132
MP:53825/53825
付与:自己制限
物理攻撃力:15(52116)
物理防御力:15(65789)
魔力:15(76431)
俊敏:15(21792)
おわかりいただけただろうか。
俺は前世のステータスをそのまま受け継いでいたのだ。
もっとも、ステータスそのままだと人間辞めてるので自己制限はかけたが。
自己制限というのは簡単に言えば〚手加減〛だ。
PVPなどで同じステータスで戦うために使われたり、割れ物の運搬依頼で少し下げたりなど割と使い勝手がいい。
その上スキルではなく仕様なので誰でも使えるのだ。
さて、前世に飽きて殺された俺が何故走っているか…
答え、本能。
いやほんとに歩けると思ったら走りたくなって理由もなく走ってるんだけど。
いちおう今回は元のゲーム…【After Ragnarøk】とは色々"違う"ようなので少し期待していたりする。
でも同じくらい嫌な気持ちもある。
それは、この村を"奴"…【漆黒竜】もとい【ノワール】が襲うかもしれないことだ。
さらに、前々世も含めるなら同じ時に母親が死ぬことになる。
それを俺は避けたいのだ。
と、いっちょ前に考えてはいるが、結局この体では何も出来ない。
鍛えようにも、ご都合主義な異世界転生テンプレの
「MP消費しまくって超再生で鍛えるンゴww」
はこの世界では不可能なのだ。
前にも説明したが、ステータスはエネミーを倒す事で上昇する。
HPもMPも例外ではない…が…
数値が上がるほど全体的に伸びが悪くなるわけで…
うん。
例えば俺がゴブリンを世界から絶滅させるとステータスはHPがその数と同等伸び、MPは一回一回に二分の一の判定を行い、上昇するか決定される。
だが、それ以外のステータス…本来なら物理攻撃力+1なのだが、それが出来ないのだ。
それが"伸びが悪くなる"ということだ。
よって俺は昼寝をする!
ぶっちゃけ今は眠いしすることないし眠いし眠いし。
…俺、何回幼児期やればいいんだろ…