〚鋼鉄の処女〛
「おいログアウト出来ねえぞ!」
「はあ?どうなってんだよこれ!」
「こんなところに居られるか!俺は神殿に戻るぞ!」
街は阿鼻叫喚となっていた。
プレイヤー達はログアウトが出来ないことから、メールの内容を真実として受け取ったようだ。
周囲に暴言や悲観的な言葉が飛び交い街を包む。
「え!?ってことはポチはずっと一匹で過ごすの!?」
「うちのタマもそうよ!?」
「うちのつっきーも!」
「「つっきーって何!?」」
…危機感のない人もいるが。
そんな中で俺達に近づいてくる3人組がいた。
「お?なかなかいいNPCいるじゃねえかぁ」
「流石親分お目が高い!連れて行きますか?」
「親分!どうやら横の厨二病のPTらしいっす」
「ああ?」
その3人組の男はこちらを睨みつける。
初期装備のボロレザー防具一式を装備した巨漢が一人、その取り巻きの痩せていて小さいのが左右に一人づつだ。
巨漢は汚い顔汚い服汚い心の3Kが備わっており、顎の髭を触りながらニヤニヤとしている。
取り巻きは右が髪の毛を前に流し、ワックスで固めたような髪型をしている。
顔は狐の様で口が尖っており、某狸型ロボットの作品を思い出した。
左はそこそこ整った顔で体格もそこそこいいのだが、表情が汚すぎる。
その上髪が無い…太陽を反射するほどのツルツルだった。
いずれも黒髪で、称号に〚限界突破:HP〛〚限界突破:MP〛を所持して増長しているようだ。
…あ、左の奴は黒じゃない。
「で?どうすんだあんちゃん?ここで俺達に殺されるか?NPC渡して逃げるか?」
その顔はなんというか…とんでもなく殴りたかった。
だが、ここで殴ってはいけない。
「怖くて声もでないかぁ、なら"決闘"でどうだぁ?」
決闘とは
説明しよう、決闘とはお互いが勝利条件と敗北条件とBETを決めて、デスペナルティ無しで殺しあったりできるのだ!
「…わかった、決闘しよう」
「そうこなくっちゃなぁ!ルールはデフォルトでいいかぁ?」
「ああ、それでいい」
「んじゃ始めるぜぇ!」
"親分"が決闘を申請しました。承諾しますか?
YES/NO
YESを選択すると俺の前に画面が表示され、カウントダウンを始める。
ー カウントダウンを開始します -
ー 3 ー
ー 2 ー
ー 1 ー
ー START‼ ー
STARTとともに俺と3人組は闘技場へと転移する。
…この決闘の狡い所は、人数が1対1では無くても始まることだ。
だが、俺としては足手まといは要らないのでこれでいいのだが。
「行くぞ野郎どもぉ!」
「ウィッス!」
「ウッス!」
3人がそれぞれ正面と左右から攻めようと走ってくる。
だが、遅い。
「我は其れを贄と捧げ糧とする。其処に集い永き苦しみを与えん〚鋼鉄の処女〛」
俺が使用したのは創作魔法と呼ばれるものだ。
複数の魔法を連続で使用することで効果を高めたり技の本質を変えたりする技術で、この場合は
ふと、親分と俺の間に黒い球体が現れる。
そして、その球体は俺以外の3人を瞬時に吸引し、動けなくする。
「なぁっ!吸い込まれる!?」
「ちょ、親分押さないでください」
「親分、臭いっすよ!」
「うるせえ!」
そして、それを囲うように四方に土の壁が現れ、そこに天井もつく
「親方、真っ暗ですよ!」
「くっそ、なにもみえねぇ!」
「あ、俺暗視もってるっす」
「でかした!何が見える!」
「壁っす」
「「何も見えてねぇ!」」
…こいつら、何したいんだろう…
だが俺は一度使った魔法を止めるなどそんな面倒なことはしない。
「「「ぐあああああああ!」」っす!」
直後決闘が終了し、俺の勝ちが確定する。
一瞬の暗転、そして元の場所に戻る。
「...ムスカリ!」
ネリネが俺に飛び込んでくる。
「...怪我...ない?」
「あんな雑魚に俺が怪我しないって」
「なかなか辛辣ですわね…」
ネリネの頭を撫でていると、先ほどの3人組の横2人が此方を睨む
「なんなんすかさっきの!」
「そうそう、なんなんです!」
「吸い込まれて閉じ込められてなんか刺さったっす!」
「痛かったです!」
だが、こういうのは目障りだ。
昔を思い出すので、はっきり言わせてもらおうか。
「教えるか、失せろ雑魚が」
睨み返しながら言うと、その2人は怯えて震えだす。
だが、それでいい。
周囲を見渡してみると誰もが俺を化け物でも見るかのような目で見ていた。
先ほどの決闘は公開可能だったのでここにいるプレイヤーの多くは見ていたのだろう。
その視線は気にしないが、ここにいても不愉快なだけなのでゆっくりと、堂々と立ち去る。
そしてそのまま宿屋へ行ってログアウトした。
〚鋼鉄の処女〛
初級重力魔法:グラビティ
敵を集める
初級地魔法:アースウォール
敵を閉じ込める
中級地魔法:アースニードル
敵を刺す
大体こんな感じの技です。ちなみに魔法については
〚超級魔法〛
え?これ取れたの?マジ?
超級魔法の習得
↑この●級魔法が火、水、地、雷、風、光、闇、を使えるようになります。
そして超級持ってるので初級から全て使えます。
重力魔法は〚森羅万象〛の一部です。
〚森羅万象〛
・重力、空間、神族、魔族、竜族魔法の習得
・結界術の習得
・草を食べられる
・自然が好きになる
・視力が良くなった気がする
何が言いたいかというと、チートってことです。はい。