道すがら
晴れ渡った空の下、私とリフィーは村から続く道を歩いていた。不安もありながらも、期待に胸を膨らませていた。
「リフィー、いい天気だね」
「そうですね、マスター」
リフィーは起動した当時が嘘のように滑らかに動くようになっていた。自分のことながら頑張ったな、私。
とりあえず、近くの街に向かうことにした。
「リフィー、近くに街ってある?」
「ここから、一番近いのはトト村がありますね」
「なら、そこに行こうか。ナビよろしく」
「わかりました。マスター」
私はリフィーの道案内してもらいながら、トト村を目指す。
あたり一面草むらが広がっており、空には鳥が飛んでいる。
「マスターは何かしたいことはありますか?」
少し考えてから答える。
「特にないかな。強いて言えば、色んなところを見てみたいって感じ」
「ノープランですか・・・」
リフィーがジト目で私のことを見てくる。かわいい。
「一期一会だよ」
「行き当たりばったりともいいますね」
そんな風に雑談しながら、しばらく歩いていると狼に遭遇した。
まあ、草原ならいるよね。
私はリフィーに話しかける。
「よろしく、リフィー」
「かしこまりました、マスター」
そう答えると、リフィーは狼に向かって走り出した。狼に近づくと、腰に下げていた長剣を抜く。
狼は近づいてきたリフィーに反応して、飛びかかってくる。すぐさまそれに反応し、横に避けるとともに首筋を切りつける。そして、狼の首筋から血しぶきが飛び散り、狼が地面に倒れる。トドメに、リフィーが狼の頸動脈に剣を突き刺す。狼は完全に動きを止めた。
なかなかスプラッタだ・・・。そんなことを思いながらもリフィーに話しかけた。
「お疲れ様」
「ありがとうございます」
さて、どうしようか、これ。
そんなことを考えているとリフィーが革の剥ぎ取りを提案してくれたので、お願いする。
「さすが、リフィー」
「こういったことは村で教えてもらいましたから」
黙々とナイフで革を剥ぎ取りながら、リフィーは答える。
それから10分ほどで革の剥ぎ取りを終える。残った部位を道外れに置いて作業を終える。目にも留まらぬ速さで、流石は機械人形といったところ。
「早いね」
「ありがとうございます」
リフィーを労った後、トト村に向かってまた歩き始める。その間に気になったことを聞いてみる。
「この辺りって危険なの?」
「そうですね。この辺りは攻撃的な動物や魔獣の生息地域ですよ」
「そうなんだ。ってことは、一般人が歩くのには向いてない?」
「はい。非戦闘員がこの辺りを歩くのは自殺行為ですね」
「なんとなく危険だとは聞いてたけど、やっぱりそうなんだね」
「私の近くからは離れないでくださいね、マスター」
「わかったよ」
そんなことも言いながらも、普通にトト村に向かって歩き続けた。